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032⚫️不敵に微笑むのはだれ?
王都ヴァルディーンを中心に、新しい芸術の波が広がっていた。
減税と福祉制度の向上によって民衆に余力が生まれ、
時代は富国強兵から経世済民へと静かに舵を切った。
国民はレグナス王の方針転換に感謝し、讃え、敬った。
だが、ただひとり、それを苦々しく感じる者がいる。
他ならぬ、レグナス王自身である。
カナタは王都の画商の店を訪れた。
店主は満面の笑みで迎える。
「これはカナタ様、ようこそお越しくださいました。」
「おう、元気そうだな。どうだ、売れ行きは?」
「おかげさまで。新しい画家が次々と出てきまして。」
「ほう・・・ん?これは目立つなあ。こんなのが人気なのか?」
「あっ、それは・・・先日、レオナルドが持ち込んだものでして。」
「えっ?!あのレオナルドが?!・・・随分、画風が変わったよなあ。」
「レオナルドの絵はそれぞれタッチが違いますからね。ですが、その絵は’エリザベートが描いた’と言っていましたよ。」
うぇえ?!
エリザベート!!ウィルフレッダの新しい名前じゃないか!
「レオナルドによると、’リザに売れるかどうか試してほしい’と頼まれたそうです。」
エリザベート、通称リザ。
カナタの脳裏には、レオナルドに絵を押しつけ、
不敵に微笑むリザの姿が、ありありと浮かんでいた。




