011⚫️衝撃は遅れてやって来る
「カナタよ、見事であった。褒めて遣わす。」
レグナスは重臣・寵臣の前で、カナタに論功行賞を行った。
「そなたに爵位を授ける。以後は、カナタ・エーデルマン子爵とする。領地として、先に赴いたヴィンチ村を含む地域を与える。」
「ありがたき幸せでございます、陛下。」
カナタは深々と立礼した。
ふん。
公国の者が他国で爵位を受けるとどうなるか、コヤツ、智慧が回らぬとみえるな。
予が懸念するまでもなかったわ。
これで公国は、カナタが我が国に寝返ったと思うであろう。
公国の知らぬ間に受勲し、領地まで下賜されたのだからな。
カナタ、お前にはもう、我が王国しかないのだ。
・・・何?
公国からの使者が来ただと?
・・・公妃、ウィルフレッダ・フォンベルト・アンダーソン?!
まさか・・・。
「陛下、初めて拝謁を賜り恐悦至極でございます。この度は、我が子、カナタ・エーデルマンに大変な名誉をいただき、感謝いたします。」
いつの間に来ていたのだ?
報告は・・・誰も知らぬのか。
だが、公妃自らとなれば、これは相応の礼を尽くさねばならん。
下手に動けば、抜け目のない公国の奸計に嵌るやもしれぬ。
いかん。予が予であることを悟られてはならん!
・・・しかし・・・噂に違わず・・・美しい・・・。
レグナスは思考の渦に沈み、言葉を失った。
玉座の前で立ち尽くす王に、ウィルフレッダはにこやかに微笑んだ。




