012⚫️公妃インパクト & 013⚫️公私の使い分け
012⚫️公妃インパクト
衝撃は遅れてやって来る。
身体に放たれた拳や蹴りだけではない。
公国の公妃が王国を訪れた。
王も家臣たちも、その姿を目撃した。
丁寧に言葉をかけられ、静かに頭を垂れるカナタ。
ウィルフレッダ自身の優雅さと堂々たる振る舞い。
それは、まぎれもなく’公妃’そのものだった。
宮廷は一拍おいて、どよめいた。
公国が謝辞を述べる。
それは王国と公国の友好の証。
誰からともなく、
公妃に向かい、カナタに倣って跪き、頭を垂れ始めた。
013⚫️公私の使い分け
「いやあ、カナタ、うまいね。公私の使い分けけ、いいんじゃないの。」
ウィルフレッダは、リビングでカナタ、ローニャとお茶を飲みながら言う。
「そのまま返すよ、ウィル。ケーキを頬張りながら、ものを言う公妃がどこにいるっていうんだよ。」
「ここにいるう!・・・うん、カナタ、これ美味しいね!ロイと同じ味!」
「そりゃあそうだよ。ロイからもらったレシピだからな。」
「あたしもカナタのお料理、好きだなあ!あっ、すみません、公妃様・・・。」
「なあに言ってんのよお。敬語なんていらない、いらない。公国はフラットな関係なんだから。」
「はあ。でもカナタ、あなた公妃様と親子って、どういうことよ?」
「うぅん。ワレは赤子の頃からウィルに世話をしてもらってたからな。」
「そう!この子、ちっちゃかったのにねえ!背も抜かれちゃうし。ジンもそうだけど、いつまでも子どもでいいのにねえ。」
それはみんなが思うこと。でも、叶わぬ夢である。
ヒトはみな成長するのだ。良きにつけ悪しきにつけ。




