5-14.無の境地
落ち着け。落ち着け。
「ゴスロリは日本語なのよー気を付けてー」だと・・・
ゴスロリって何の略だっけ?・・・分からないがこう略すのが日本語ってことか。
となると裏領主のラルスさんも日本人からの転移者ということになる。
それはありうるのか?
この世界に 日本 が存在する可能性もあるが・・・
「気を付けて―」と言ったということは・・・転移者なんだろうな。
これは肝に銘じますと思うしかないな。
ただし転移者であるとばらされることはないだろう。
自分も転移者とカミングアウトすることになるから・・・
おおお・・・デーモンの裏領主だとそこら辺はどうでもいいのか。
しかたがない。
今後は気を付けるとして・・・
まあ最悪ばれても問題ない・・・よな。
どうにもならなければ逃亡すればいいからな。
転移者は草の根分けて探し出してくくれ!
という習慣があるとかじゃない限り・・・
おうー・・・そういう習慣があるから気を付けろってことじゃないよね?
ぼーと立っていても仕方がない。移動するか。
街からは徒歩で出て馬ゴーレムに乗り換えて西に向かい爆走する。
ある程度爆走してから馬ゴーレムから降りて回収する。
ぴーちゃんに魔力を渡し空の旅を開始する。
のどかだなー・・・
・・・
だめだ。気になってしょうがない。
しょうがない。いくか。
廃墟跡に針路を変更し廃墟が見えてきたところで着陸する。
武技技能<気配遮断>
武技技能<魔力遮断>
魔法発動<隠蔽>
武技技能<忍び足>
武技技能<加速>
廃墟跡に侵入して地下への入口へ向かうと何かがいる。
甲冑を来た連中か・・・
これが聖騎士団ということか。
まだここにいるんだ。ジェルマンにガーゴイルが攻め込んだのをまだ知らないのか?
こっそりと侵入しよう。これだけ技能を使っていれば見つからないだろう。
「何者だ!怪しい奴め!」
なんだ?アンテッドでも出て来たのか?
およよ・・・こっちを見ている?もしかして見つかったのか?というかガン見されてますな。
「わたしのこと?」
「お前以外に誰がいるというのだ?」
むむー・・・これだけ技能を使っているというのにな。
実は効果が薄いのか?魔物には見つからないんだがな・・・
およ!ガーゴイルの反応が!
東から来るということは街を襲ったガーゴイルが戻って来たのか?
戻ってくるのが遅いような・・・
ジェルマンの冒険者ギルドから救援要請が来てるんだから街が攻められたのは昨日じゃないのか?
「なにを黙っているのだ?怪しい奴め!」
「それところではなくて・・・後ろ気をつけたほうがいいと思いますが?」
「なにを言っておるのだ・・・ほげっ!」
ガーゴイルが聖騎士団に襲いかかった。
おう・・・圧倒的ですなガーゴイル。まあ頑張ってください聖騎士団さん。
この隙に地下道に侵入する。
前回スケルトンのスールグさんがいた広間に急ぐ。
広間ではスケルトンのスールグさんと聖騎士団の戦闘が行われていたようだ。
見てみると魔法の攻撃を受け聖騎士団の多くが倒れている。
残っているのは20人程度だが・・・
スケルトンのスールグさんもボロボロだな。
だがスケルトンのスールグさんへの魔法攻撃は完全にはじかれている。
観察していたら互いに攻撃をやめいまは何故か睨み合っている。
「何者だ!怪しい奴め!」
しまった。また見つかった。というか同じセリフしか言えないのかこいつら。
「見ての通りただの冒険者です」
「冒険者だと!なにをしに来た」
「別に・・・君らに用があるわけではないんで」
「なあだと!冒険者ごときがデカい口を叩きおって。かまわん。きりすてろ」
若い男の騎士が一人切りかかってきた。気が短いことで。
「ディメンションカウンター」
魔法発動<ディメンションカウンター>
切りかかってきた男の腕が飛んだ。
めんどくさいな・・・ちと脅しておくか。覇気を全開。
「聖騎士団ごときが冒険者様にデカい口をたたくんじゃない。やるんならやってもいいぞ?」
聖騎士団は動かない。覇気が効いているのか?
アルゴランや裏領主のラルスさんの真似をしているが自分が出すとどうなっているか分からない。
・・・違った。こいつらはどうでもよかった。
「縮地」
武技発動<縮地>
スケルトンのスールグさんの隣に飛ぶ。
「・・・おぬしか・・・なにしにきおった?」
「ガーゴールに襲撃されてジェルマン兵士と貴族が全滅したと聞きまして・・・で質問があって来たのですが」
「そうか!ガーゴイルどもがやりおったか!」
スケルトンのスールグさんが高笑いをしている。
かなりやばいオーラが出ている。そういえばダークロードだった。
「で・・・質問とは?」
「前回私がガーゴイルを1000体倒してしまいましたよね。そのせいでここで迎え撃って戦ってるってことですかね?」
「ん・・・そうだな。受け取ったあれでチャラだ。気にすることはない」
そうなのか・・・
返却したガーゴールの魔石はかなりのものが傷が入っていたようだ。
私が出したところに多量に残っている。
どう考えても気にすることではないという状態ではないんだが本人がそう言ってるからな。
「くそう・・・やつら仲間なのか。集まれ。聖剣を使う!」
聖騎士団の一人が叫んだ。
聖剣ってアルゴランのこと・・・ではないよね?
その男が白く光る大剣を構えた。何人かがその男の背中に手を置いている。
手を置いている連中の背中にも手を置いている連中がいる。なんだろう?
男が白い大剣をこちらに向けた。大剣に巨大な魔力が集中している。
まずし!魔導具か?武闘技能か?
無詠唱 (シールド)*10
魔法発動<シールド>*10
大剣から白い光が放たれたがシールドをすり抜けた。
これは・・・神獣の玄武さんのブレスと同じだな。わたしには一切効かない。
隣でスケルトンのスールグさんが白く光って雄たけびをあげていた。
アンテッドに効くということは白魔法系の攻撃と言うことか・・・
だとしても何故に私には効かない?玄武さんのブレスでは城壁は吹き飛んでいた。
「くそ・・・何故死なない!もう一度だ!」
「おやめください。この人数では我らの体が持ちません」
身体が持たない?背中に手を置いているのは魔力か何かを渡しているということか。
ん・・・ガーゴイルたちが広場に突入してきた。
「盛り上がって居る所申し訳ないが・・・後ろに気を付けたほうがいいぞ?」
「後ろだと!そんな手にひっかると思ったか馬鹿者め!」
まあ・・・それはそれでいいけどね。
聖騎士団に後ろからガーゴイルが迫ってくる。
ん・・・そこのガーゴールさん?
あなたが持っているのはなんですかね?導火線に着火してませんか?
ガーゴイルがプラチック爆弾を聖騎士団に投擲した。まずい!
わたしが行動を起こす前に爆弾がさく裂した。
シールドがすべて吹き飛んだが私にはダメージはなかった。危なかった。
白い大剣の攻撃の時にシールドを張っていなかったらヤバかったであろうことは確かだ。
聖騎士団は・・・鎧の破片になっている。もちろん全滅だ。
隣にはほのかに白く光るスケルトンのスールグさんがいるが・・・
ボロボロのレベルが上がっている。
これでも死なないんだ・・・というか死んでるのか。
ガーゴイルも爆発で粉々になったようだ。
いきなりスケルトンのスールグさんが絶叫をあげた。ちとびびった。
少しすると静かになったが・・・どうやら白い光が骨に侵食して行っているようだ。
だがさすがアンテッド。ボロボロだったのが少しずつ修復されている。
「さて・・・何の話だったか・・・まあ侵入者は全滅したようだな」
まあ・・・
私のせいでガーゴイルが減ったことでスケルトンのスールグさんが討伐されることはなかったと。
「ではじゃ・・・おぬしに貰ったあの爆弾で儂は目標を達した。礼をいうぞ。褒美をやろう。儂に止めを刺すがよい」
褒美?止め?
「止めと言われましても?」
「先ほどの攻撃は聖気じゃ。こうなってはどうにもならん。儂は再生能力が高いのですさまじい時間をかけて滅することになる。以前の儂ならこの苦しみにも耐えたであろうが・・・目的を達した以上この世に未練はない。褒美だと思って介錯してくれ」
「褒美?」
「こう見えて儂は超高レべルなんじゃ。儂を倒せばおぬしのレベルがあがるぞ」
そういうとまた白い光が骨に侵食してスールグさんが絶叫をあげた。
「そういうことであれば・・・介錯いたす」
「おう・・・最後まで世話になったな」
これでいいのだろうか・・・むむむ。
両手剣を装備してスールグさんにたたきこむ。
スールグさんがばらばらに砕け散った。
静寂が訪れるが・・・ん?経験値が入らない?
おおお・・・スールグさんが再生された。
「もう一度・・・介錯」
武技技能<スマッシュ>
スールグさんが先ほどのよりばらばらに砕け散ったが・・・再生された。
武技技能<パワースマッシュ>
スールグさんが砕け散ったが・・・再生された。
・・・これはどうすればいいのだろうか?
魔法を使うべきなのか?だが魔法は先ほど弾いていたよな。
「とっとと介錯せんかい!ぼけが!」
切れたスールグさんにアッパーカットを喰らった。攻撃されるとは思ってなかった。
宙高く飛びあがって頭から地面に落下した。意識が遠くなる。
気が付くと・・・粉々と言うか粉に近い状態のスケルトンの前で佇んでいた。
再生はしないようだ。どうやら無意識の間に介錯したということか。
・・・!
信じられないものが視覚に!
(名前を付けてください)
回りを見渡すが・・・スケルトンの欠片しかない。嘘だよな!嘘だと言ってくれ!
(名前を付けてください)
おおお・・・やっちまった。
どうしてこうなった・・・




