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予言の者①




「ねぇアレ爺っ!!見て見てっ!!」


 …


 …


「そうだ…」



 アレ爺は死んじゃったんだ…

 ハハハ…

 ハハハハハハハハハハ…

 馬鹿みたいだよね。


 忘れてたのかな?

 いや、受け止めたくないだけか…


 自分が馬鹿みたいで笑けてくるな…

 ハハハハハハハハハハ…

 ハハハハハハハハハハ…



「また、1人か…」



 はぁー。

 1人…


 何をするかな…?



 ◇◇◇◇◇◇◇◇

回想


「ねぇアレ爺…」



「なんじゃ?」



「僕は生まれて来て良かったのかな?」



「当たり前じゃ。生まれて祝福されない子供などおらんわ。只の1人も居ないんじゃ、居てはいけないんじゃ。多分じゃが、祝福されない子は生まれてくる場所を間違えてしまっただけじゃ。だから、自分の居場所を見つける為に生きる、それも人生だと儂は思うのじゃ。」



「そっか…」



「アルよ。そう深くは考えるな。お主が誰かの為に動けばそれを見た人が真似をする。またそれを見た人が真似をする、そうやって輪は作られて広がるもんじゃ。そしたら、いつの間にか最初のスタート地点に戻るじゃろ?」



「うん。」



「巡り巡って帰って来た、と言う事じゃ。お主が誰かの為に動けば遅かれ早かれ自分に帰ってくる。この世はそういうもんじゃよ。儂はこの年になってアルと出会えた…儂からすればそういう事なんじゃよ。まぁちと、遅かったがのぅ…ホォォホォォ」



「アレ爺…」



「お主なら大丈夫じゃから。心配せんでいいわい。アルは1人じゃないぞっ!!何て言ったって儂だってまだまだ現役じゃからなっ!!」



「うん♪」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 誰かの為にか…

 確かにそれが出来れば1番いいけど…


 みんな…みんな僕に残して居なくなっちゃうだもん…別に能力とか強さとか、こんな気持ちになるくらいならいらないのに…



 誰かの為じゃなく自分の為に…

 そう考えても良いよね?

 もうバチが当たり過ぎて、これ以上のバチなんてないでしょ?

 あるかな?


 自分が幸せになる為に周りの人を助ける。

 自分が幸せになる為に誰かの為に行動する。

 もう、それでいいかな?



 出来る事をやってみるか…

 どうせ、ここに居ても1人でする事も無いんだし…

 なら、もう1回だけ歩いてみるか…



 ◇◇◇◇◇◇◇◇

回想


「結局はリセット出来なかったな…」



「そうだね…」


「なぁ俺達の中で可能性が有るのはお前だけだから、これをお前に託す…」



「…うん。」



「すまねぇな…お前にばっかり…」



「…」



「だが、俺は…俺は本気でお前なら出来ると思ってんだ…だがら、頼む。このまま行けば俺達はダンジョンが無くては生きていけない…だから、その生活を守ってくれ…俺は信じてる。お前なら出来るって。」



「うん。」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 はぁ…みんな、勝手に託して勝手に僕の前から消えてさ、僕からしたら本当に迷惑な話だよ…


 …


 フフフ。

 本当に只の押し付けじゃん(笑)

 でも、自分の何かを変えるなら、丁度良いきっかけにはなったかな?


 やるだけやってダメならダメでいいや。

 取り敢えずやる。

 それで良い。


 みんな勝手に押し付けて勝手に消えたんだから、苦情は無しだよ(笑)僕のやり方には口を挟まないでね…まぁ、聞こえないけどさ。


 先ずはリセットか…

 1人で何処まで出来るか…


 やるしかない。

 助けを求めても無駄だ、色々と1人なんだから…




 先ずはバリカンで髪を切るか。

 一応、念の為アイツらに正体がバレない様にした方が良いよな。



 ウィーン。

 ウィーン。

 ボサボサの癖毛をバリカンで切った…いや、坊主に刈り上げた。



 後は、覚醒体アビリティメントも使わない方が良いよな…

 と、すると別の何かをしないといけない…

 変わりになるもの…

 何かを探すか?作るか?


 大丈夫、時間はあるんだから。

 自分のペースで攻略して行こう。


 周りの人達が《《地下牢》》に拘るのか、興味が無くなるのかは知らない。

 知ったところで僕には関係ないし…


 だから、自分のペースで自分の為に。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 よしっ!!

 ここまでは上手く出来た。

 魔物の魔石を組み合わせて…

 丸くしてと。


 さて、問題は…

 これを食べるか…


 カンッ!!


 硬っ!!

 歯が壊れそう…

 なら、呑み込んでみるか…?

 それしか方法が無いよな?


 ふぅー。

 ふぅー。


 よしっ!!

 やるかっ!!


 えいっ!



 ゴグッンン!!



「ああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!」



 喉が焼ける!!

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ぁあぁぁ!」



 頭がクラクラしてきた…

 あれっ!?

 意識が…

 ん?

 ?

 なんか…視界が歪んでる…


 …


 バタンッ!


 …




 ん?

 あぁ、錬金術で出来た物を呑み込んで、気を失ったんだった…

 どれくらい寝てたんだろう?


 えっ!?

 今日って5月6日?

 確か呑み込んだ日は…4日だった筈…

 4日の14時に呑み込んで今日…6日の今が19時…

 約2日間か…


 でも、呑み込めたなら強くはなるはずだから、作れるだけ作って呑み込むか…



 そこから作っては呑み込んでの繰り返しで体に免疫が出来たのか気絶の時間が短くなっていった。

 分かった事として、1個に対して15分の短縮になる。でも、15個しか作れなかったから全然だね(笑)



 さてと…

 どれくらい強くなったか、そろそろ試すか…

 いつまでもこんな事やってても仕方ないし…

 そろそろ行きますか…



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 ダンジョン150F フロアボス 赤犬。

 火属性を扱う赤色の犬。


 ワオォーン!!



 スパンッ!!!



 倒れた赤犬を黒く丸い形をした魔力が包む。



 そろそろかな。

 今の所、150Fなら問題ないから大丈夫だ。

 問題はこの後だ…



 パンッ!!

 黒い魔力が弾けた。


 赤犬は2足と2腕が生えている、まるで人間の様な形をしているが背中から黒い漆黒の翼が生えている異形の存在に変化した。




 お出ましだな。

 先ずはディストラクションの強さを確かめないと…

 これがある程度の強さを示さないと…また、1から何か別の物を考えないとだな…



「カセガハズレタ。コロスコロスコロス、」

{枷が外れた。殺す殺す殺す。}



「ディストラクションッ!!」



「ウォォォォォ!!!」



「オォォォォォァォァ!」

{オォォォォォァォァ!}




「はぁはぁはぁ。」



 まぁ花丸満点に近いかな。

 まだ、《《低層》》だけど…

 そこが心配だな。

 これだけの火力が出れば当分は問題無いけど、先に進むに連れてもう1つなんか欲しいな。

 《《何層まであるのかわからない訳だから。》》。



 ディストラクション自体の発想は自分で言うのもだけど天才的だな。まぁ僕にしか出来ない強化方法だけど…



 いや、待てよ。

 僕にしか強化出来ないなら、JOKERも強化出来るんじゃいか?

 JOKERも僕と同じくらいの強化幅があるなら…それとJOKERも僕と同じで見た目も変われば目眩ましになる。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 タンッ!!


 タンッ!!


 右から左へ、今から過去へ振られていた振り子を時の流れに従い左から右へ戻す。

 戻す中でたった今に戻すのではなく少し前に戻す。

 振り子の1振りなど10年、20年など少しの誤差でしかない。


 今から約30年前の事。



「ほう…これは面白い《《者》》が誕生しましたね?」



「どうしましたか?ノア様。」



「フフフ。貴方達の子供ですよ?人類の可能性は無限大ですね♪素晴らしいです。」



「えぇ素晴らしい者達です。」



「私は少し話をしてきます。何も心配はいりませんよ。これ以上、私が直接手を下す事はしませんから。ちゃんと罰を受けている訳ですから。」



「心配などしておりませんよ?」

「私もです。」



「フフフ、そうですか。」


 …


 …


「聞こえますか?」



「ッ!!」

{ッ!!}



「ノアサマッ!!」

{ノア様ッ!!}



「えぇ私です。久し振りですね。元気でしたか?」



「ハッ!ノアサマモオカワリナイゴヨウスデ。」

{はっ!ノア様も御変わり無い御様子で。}



「堅苦しい挨拶は不要ですよ。今日は貴方達に忠告しに来たたまけですから。もう少ししたら貴方達の前に貴方達の脅威となる人類が現れます。勿論、私は何もしません。私は行く末を見まもるだけです。」



「…」

{…}



「じゃあ、またね。」


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