廼技龍《ノギリ》
2人を俺が泊まってる宿に連れて来て、部屋に帰った後、俺にはしないといけない事が1つ。
それは、クロムの装備に付ける宝玉を錬金術で生成する事。
宝玉は俺が考案して作って名付けた丸い宝石みたいな物。これをさっき取ってきたスカルキング達の素材を加工して剣にした物に埋め込んで完成だ!!まぁ宝玉の中では低層の中の低層に出現した魔物の魔石を錬金しただけだから俺が求める宝玉の役割は担えない宝玉崩れみたいな物だけど、呪いを少しでも和らげるにはこれ以上無い物だな。これをつけないと、クロムが受ける呪いが強く重くなる。
まぁイメージとしては剣は剣だけど名工って言うよりかは呪具と魔導具を足して割った様な武器だな。まぁこんな物を作れるのは俺くらいなもんだろ!?
「ねぇアル?」
「どうしたのターニア?」
「あの娘達の事…」
「うん。なんかあのままに出来なかったわ。色々、考えたんだけど昔さ《《アル》》が俺にしてくれた様に今度は俺が何か周りの人に施せるなら施したいって思ったのも1つなんだよね。」
「それは、良い事よ。そうやって受け継がれてるのよ。人間は寿命があるからその人が死んでもその人の意思はそうやって引き継がれるわ。貴方と《《アル》》の出会いは貴方にとっても人類にとっても無駄じゃないって事よ。」
「そうかな?」
「そうですよ。アルさんの行動は無駄じゃないですよ。少なくともあの娘達はアルさんに感謝してまるよ。そしてあの娘達が偉大な冒険者になった時はきっと今日のアルさんの行動を真似て新しい芽を育てると思いますよ。」
「そうだと良いね。まだまだ先は長いけど…後は、あの娘達に最低限…せめてAランクくらいにはさせないと自立は厳しいだろうね。」
「フフフ、大丈夫よ。」
「えぇ、アルさんが付いてるなら大丈夫です。」
「ありがとう2人共。」
ふぅー。
2人と会話してたら、あっという間に完成したな、これで明日はシルフィーの家に行けるな。
出来た宝石も黒色だから丁度いいかも。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「おはようシルフィー。」
「よぉアル!おはよう。昨日は大丈夫だったか?」
「あぁ全く問題無いよ。欲しかった素材もゲットしてきて昨日、帰った後に今日使う物を錬金術で作って来たから今日は完成まで一直線だわ(笑)」
「おぉー。準備が良いな♪」
「まぁね♪」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「アル、進捗は?良い感じか?」
「うん、良い感じだけど思ったより剣を作るのに時間が掛かってるよ。今日には終わらないな。」
「別にいいじゃねぇか、クロムには業物3:本を渡してあるんだから。充分だろ?それより折角、素材まで集めて時間掛けてるんだから納得した物を作るのが1番だろ?」
「そりぁそうだけどさ、想像以上に剣の加工に時間が掛かりそうだわ。これでまだ、1/5だよ?」
「ウチにはお前が何を作りたいのかわからないから何とも言えないけどよ。それでさ、13時になったからさ昼飯どうすんかと思ってさ、どっか食べに行かないか?」
「おぉー良いね♪なら、昨日ハンバーガーを食べたからハンバーガー以外で頼むわ。」
「じゃあ何にするか?何かお勧めの場所あるか?」
「う~ん、時間が時間だからな…あんまり並ばずに席に座れる所が良いよね?」
「そうだな。」
「なら、うどんにする?ジョイフルの中にテナントが入ってるでしょ?」
「あぁ飲食店の場所だろ?たまに食べるぞ?ジョイフルの中で鍛治に使う備品を色々買うからさ。」
「じゃあ、ウードンで。」
「わかった、じゃあ行こうぜー。ウチが運転してブーブ出すからさ。」
※車というより見た目は馬車に近い電動馬車の魔導具。
「おぉマジで!?ラッキー♪ラッキー♪楽チン♪楽チン♪」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「なんだアルはそれだけか?」
「いや、昼だろ?普通だよ。シルフィーさ…残さないよね?大丈夫だよね?」
「あぁ大丈夫だ。ウチはここのうどんと天ぷらは大好物なんだ♪だから全部食いきるぞ。だから残してアルに押し付けるとかは無いから安心してくれ。」
「あぁ…」
あれ?
シルフィーは食べる料が普通だったよね…?
俺と同じきつねうどん大盛に…天ぷら様の大皿に乗せ過ぎてもはや何の天ぷらを乗せてるのかわからないくらいの天ぷら…
皿に乗せすぎだろ…
かき揚げ、じゃが芋、ニンジン、アスパラ、かぼちゃ、えび天、コロッケもあるな…
◇◇◇◇◇◇◇◇
ガラガラガラ。
「アルはまだやんのか?」
「いや今、店のシャッターを閉める音がしたから、そろそろ帰るわ。」
「おう、また明日な♪」
「あぁじゃあな♪」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「よっ!!お兄さん!!」
「リリアとリジェロじゃん!!」
「アルベールさん…こんにちは…」
「アルで良いよ?年もそんなに変わらないでしょ?」
「私達は16だよ。」
「俺は18だから、そんなに目を変わらないでしょ?」
「そうだね、じゃあアルって呼ぶね♪」
「良いよ。」
「私も呼ぶ…アル…宜しくね。」
「あぁよろしくなリジェロ。それで、今までダンジョンに?」
「うん…」
「今日はね30Fと34Fを攻略して来たんだ♪」
「34Fって事は、最高到達フロアを上げたね?」
「ヘヘヘヘ、明日は休みで明後日は35Fを攻略するんだ♪私達も早くアルみたいになりたいからさ。」
「そっか、でも命は大切にな。」
「うん。」
「うん…」
「夕御飯は?食べた?」
「いや、まだだよ。帰って来たばっかりだし。」
「なら、一緒にどう?リリアは質も大事だと思うけど料が1番でしょ?」
「うん。」
「なら、バイキングでどう?奢るよ。」
「良いの?」
「構わないよ。一旦、部屋に帰って18:30にロビーに集合で大丈夫?」
「うん。大丈夫♪」
「うん…」
◇◇◇◇◇◇◇◇
モグモグモグモグ
ムシャムシャ
モグモグモグモグ
ムシャムシャ
「俺はアイスとデザートを取ってくるわ。」
「私も食べる…」
「なら、一緒に行こう。」
「うん…行く…」
「デザートは…チョコケーキとモンブランだな♪」
「お約束だね?…私も同じの食べる…」
「アイスはチョコとチョコミントとチョコチップの3段階チョコレート♪」
「美味しそう…私は…クッキークリームとチョコクッキー…」
「おぉそれも美味しそうだね♪」
「ねぇアル…ありがとう…私達にここまで優しくしてくれたの…アルが初めて…」
「そっか…まぁ人生は色々あるからね。本当にリジェロが感謝してるなら、後輩が出来た時にしてあげな?」
「うん…絶対する…約束する…」
「リジェロは素直で良い娘だね♪」
ニコッ♪
リジェロは口数が少ないだけで顔の感情表現は豊かだよな~。
それに笑うとより可愛らしいな。
少ない会話でもこの娘はちゃんと考えてるのが伝わる。
芯が強いと言うか、自分はこれっ!!みたいなのが伝わる…少し羨ましいな。俺にはそういうのが無いから…
「アル、大丈夫なの?昨日と今日もご馳走になっちゃって…」
「大丈夫だよ。それに駆け出しなんだから奢られとけ。昨日も言ったけどもっと甘えなさい(笑)」
「なら、ご馳走様。ありがとうアル♪」
「ありがとう…」
「いえいえー。じゃあ帰ろっか?」
「「うん。」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日も俺は9時からアルフレッド工房で昨日の続きをしてた。残りは3/5くらいかな?剣の型を完成したら、次は宝玉を埋め込む場所を作ってやっと完成。
本当に思ってた以上に掛かってしまったな…
でも、これが完成したらクロムは前回あげた3本の剣とこれとで敵とその時その時の状況で使い分けが出来る筈。
戦いの序盤はこれを使って、終盤になった所で3本の内の剣を使えばある程度は戦える筈。
「おいアルー。」
「どうした?」
「昼飯いる?一応、サンドがあるけど?」
「あぁごめん。昨日も食べ過ぎちゃってそんなにお腹、減ってないから大丈夫。」
「なら、また持ち帰るか?一応アルの分なんだけど…いらないなら後でウチが食べるけど…」
「いや、欲しい!!こないだ持ち帰ったのも美味しかったからさ。」
「でも、サンドが3個だぞ?足りるのか?」
「足りなければ宿で飯は出るから大丈夫だよ。」
「そっか、なら包んでおくよ。」
「ありがとう。」
~4時間後~
ガラガラガラ。
「アル、どうだ?」
「フフフ完成したよ?見てくれ。」
「なんだ…これは?」
「フハハハハ、これぞ人類の最先端の叡智の結晶だよ。剣でありながら敵を斬らない。斬新でしょ?フハハハハフハハハハ(笑)ヒャハハハハハハ!!」
「斬らない?見た目的に斬れないが正しいんじゃ…?」
「それはそうだけど、設計時から斬らないがコンセプトだからね♪」
「で、斬れないなら武器としてはダメだろ?それだとクロムを危険に晒しちまうだろ?」
「チッチッチッチッ、シルフィーさん。この俺が戦闘で使えない武器を作ってクロムに渡すとでも?この武器はな…」
「この武器は?」
「いや、クロムが取りに来た時に説明するよ。ここまで来たらシルフィーも知りたいでしょ?この武器の真価を?」
「あぁ知りたい。それでクロムはいつ頃来るって?」
「まだ、連絡してないな。」
「なら、今連絡してくれよ。ウチは気になって気になってしょうがない。早く早く。」
「わかったわかったって。何でそんなに聞きたくなってんだよ(笑)プルプルプルプル」
「はいアル様♪クロムですわ。」
「あぁクロム元気か?」
「元気ですわ。それでどうしたんですか?」
「あのさ、渡したい物が完成したからさ連絡したんだけど直近だといつ頃、工房に来れる?」
「なら、明日とかどうですか?」
「おぉそれはありがたいな。シルフィーがなるべく早くに来て欲しいみたちだからさ。」
「シルフィーさんが?何か私に用でも?」
「いやいや、こっちの話だから気にしないでくれ。じょあ明日な。」
「はい。待ち遠しいですわ。」
「明日来るってさ。」
「よし!!!楽しみに待ってるぜ!!!」
「あぁ期待してくれて大丈夫だから。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「お邪魔しますわ。」
「やぁクロム、おはよう。」
「おはようクロム。」
「お2人共、おはようございます。」
「なぁアル、早速で悪いけど剣の説明をしろよ。」
「わかった。先ずはこれが剣。」
「剣…ですか?剣と言うか…」
「だろ?ノコギリに近いよな?だから斬れないんだとよ。それで斬れない剣でどうやって戦うんだ?」
「削るんだよ。」
「「削る!?」」
「あぁ削る。ただ魔物の鱗を削るのは勿論だけど、本質はそこじゃない。コイツは削った分だけ相手の寿命を削るんだ。」
「おいおいそんな武器、聞いた事ないぞ?」
「だろうな。だから昨日、言っただろ?これは人類の最先端の叡智だって。今さらノコギリをクロムに渡しても意味無いだろ?ただ先に言うけど、これは武器でもあるけど魔導具であり呪具でもあるんだ。」
「呪具って何だ?ウチは聞いた事ないぞ?」
「私もですわ。」
「呪具って言うのは身につけたら呪いを受けるけどその代わり大きな力を得られるんだよ。例えばこの剣で言えば魔力が0になる。だからこれを使ってる最中は魔法が使えなくなる。」
「なっ!!」
「それが呪具ですか?」
「あぁだから戦いの序盤でこれを使って削るだけ削って終盤はこないだ渡した剣で止めを刺せばいんじゃないか?」
「確かに…これは凄いですわ。今まで聞いた事無いですわ。」
「そりぁそうだよ!何回も言うけどこの剣は人類の最先端の技術、つまり叡智の結晶なんだから(笑)そうだ、そうだ忘れてた。コイツの名前は廼技龍だ。刃の手入れも特にいらないからな。可愛がってあげてくれ。」
「はい。ありがとうございます。今日は休みなので早速、ダンジョンで使ってきますわ。」
「なら、俺も付き合うよ。」
「本当ですか?クロム絶頂ですわ。お願いします。階層はアル様にお任せしますわ。」
「シルフィーはどうする?素材は?何か欲しい物がある?」
「ウチもそろそろ体が鈍くなる頃だから、行くぞ!!階層はアルに任せるよ。」
作者より
廼技龍
ブレイドの部分がノコギリ状になっている剣。
魔力が0になるが削った分だけ相手の寿命を削る。
寿命を削る?って感じだと思いますのでイメージとしてRPGなどゲームによくあるHPの分母を減らす感じです。
例えば フレイム・ソードで攻撃。
→敵のHP100/100→80/100になると思います。
廼技龍を装備したフレイムソードで攻撃。
→敵のHP100/100→80/80になる感じです。




