2人
「もしもーし、シルフィーおはよう。」
「おはよう。どうしたんだ?こんな朝っぱらから電話してきて。」
「いや、今日も工房に行く予定だったけど、ちょっと予定変更してダンジョンに行くから、その電話だよ。それと、シルフィーに今日は会えないから直接感謝を伝えようと思ってさ、ありがとうね。」
「何だ?急に(笑)でも、感謝してるのはウチもだよ。本当にありがとうな。アルのお陰で鍛治士として一皮剥けそうだわ(笑)ダンジョンの件はわかった、気を付けろよ。また、来る予定の時に連絡は…いや、親父達が心配するから今日みたいに来ない日に連絡をくれ。」
「わかった一応、明後日は行く予定だから宜しくね。」
「はいよ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
35Fと44Fの道中で湧いてるスカル達アンデッドの素材を集めてとっとと帰りたいな。
今から潜れば13時か14時くらには帰れるかな?
「あっち行けよっ!!」
「いいじゃねぇかよ!!」
「そうだよ、どうせ暇だろっ!!」
「へへへ、生意気な女だな。」
「暇じゃねぇから、あっち行けよ!!」
「うるせー女だな!」
「だな。コイツより俺はそっちの連れ狙いだからやっても良いか?」
「いや、俺はこういう生意気な奴を手駒にするのに快感を得るんだよなー。へへへ。」
ダンジョンの入り口で何を騒いでんだよ。
男の冒険者が女の子の冒険者にちょっかい掛けて、何が楽しいのか?本当に情けないと言うか…こういうのまだ有るんだな。
キショイな反吐が出る。
「ねぇアル?」
「わかってるよ。」
「おいっ!!何だよお前っ!!」
「誰だ、お前は?それに何だよ?そのゴーグル。それがお前のお洒落かよ?プッ…プハハハハ。」
「ん?まぁその娘達の連れだよ。だから退いてくれないか?死にたくないならな。」
「やんのか?」
「殺すぞ、このヤロー。ダセェ奴は黙ってろよ!」
「脅しか?それとも本心か?別にどっちでも良いけど、やるなら先に手を出してくれないか?じゃないと正当防衛にならないからな。」
ゴーグルを外しながら口を開くアルベール。
「おい、コイツって…死神だろ?」
「死神?何だよソレ?」
「確かに死神だ…お前、知らないのか?元勇者パーティーに居た奴だよ。」
「早くしてくれよ。こっちも予定が詰まってるんだよ。」
「おい、一旦引くぞ!!」
「はぁ?何でだよ!!やっちまおうぜ!!!」
「あぁ、引くぞ!コイツはヤベー奴だ。お前も後でロムを見ろ!!」
タタッタタタタッタタッタッタタッタタタタタッ
ダダダダッダダダダダダダダッダッダッダダッダ
タタタッタッタッタタッタッタタッタタッタタッ
足早にその場を後にする冒険者達3人。
「大丈夫か?見た所、怪我とかは特にしてる様には見えないけど…?」
「はい。怪我とかは大丈夫です。それと、ありがとうございます。本当に助かりました。」
「ありがとう…」
「いや、俺も目に入った瞬間にキショイなって思ってたからさ。でも、アイツらみたいなのって未だに居るんだね?これからは気を付けなね。」
「はい、本当にありがとうございます。」
「気を付ける…」
◇◇◇◇◇◇◇◇
スパンッ!!
「ヒャハハハハハハ!!」
骨で出来た体に魔石を埋め込み剣を片手に持つスカルソルジャーに槍を片手に持つスカルナイト、魔法杖を片手に持つスカルマジシャンに本当に35Fは俺にとって天国だな。
このフロアである程度、採集出来たら次は44Fでスカルキング、スカルクイーン、スカルジャックの素材を集めて今日は終わりだな。
「ヒャハハハハハハ!!さっさと素材を置いていけ!!魔石も骨も俺が再利用してやるからよっ!」
骨で外枠を作って、魔石は錬金術で核にする。
使わないで捨てる素材は無い、俺ほどアンデッドと言われる魔物達を上手く活かせる冒険者はいるのだろうか?
「ねぇアル?」
「ターニアどうしたの?」
「さっきはごめんね。色々と考えてたんだけど、前にさ貴方は自分から巻き込まれに行ってるって言ったでしょ?」
「ん?あぁ言ってたね。」
「それなのに、あの娘達の事をお願いしちゃって。私…言ってる事と言ってる事が日によって矛盾してるわよね?だから、ごめんね。アルを危険に巻き込んで。」
「ハハハ(笑)そんな事を気にしてさっきまで無口だったの?なんか考え事でもしてるのかなって思ってたけど(笑)」
「私は真剣なのよ。」
「ずっと考え込んでたもんね♪」
「何よペルまで。」
「別に気にしてないよ?それよりさ、俺1人だから2人からの会話がないと喋る相手がいないから考えるのも大切だけど、これからは3人で考えない?」
「私はアルさんの意見に賛成です。その方が考える力も3つになるから色んな意見が出ると思いますし。私はそこまで戦力にはならないと思いますけど。」
「いや、考えて提案する事に意味があるんじゃない?ペルが提案した事の良し悪しよりも俺はペルの意見も聞いてみたい。ペルがどういう考え方をするのか、とかさ。」
「アルさん…私、頑張ります!!」
「うん、その意気だよ。でも、頑張り過ぎないでね。ターニアは?」
「私はアルが言うなら…」
「俺は再会してからターニアに日々助けられてるよ?ありがとう。俺1人じゃ活路が無くてもターニアが居てくれた事で道が拓けたと思うんだよね、ペルとかそれの具体例じゃない?俺1人じゃペルには出会え無かったと思うし。これからもターニアに頼りたいんだよね?あまりターニアの負担にならない様に俺も気を付けるからさ、ダメかな?」
「うん、大丈夫よ。それと、今の言葉が100%本心ならもっともっと頼りなさい。私とペルは一生、貴方の側に居るんだから。」
「ハハハ(笑)頼もしいね♪ありがとう2人共。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ふぅー。
いい感じで揃ったかな?
スカルキング、スカルクイーン、スカルジャックとあれから44Fに移動してアンデッド達を駆逐して駆逐してを繰り返して、気が付けば予定数よりも多く集まったんじゃないかな?
素材を回収しては収納バッグへ、別に細かく数を設定して採集しに来た訳じゃないから感覚だよ感覚。
だから、実際に素材を使う時に足りなくなるのが1番嫌なんだよな。採集数が実際に使う数よりも多ければ収納バッグに入れとけば素材は腐らないし、場所もとらないから良いけど。
長年の冒険者として生きてきた俺の感がこれくらい採集してれば大丈夫って言ってる(笑)
だから、帰る。
帰ってアンデッド達の魔石を錬金術で核にするまで今日やらないと、明日シルフィーの所に行けないんだよな。
折角だから、宿に帰る途中でハンバーガーでも買って帰るか…
何にしようかな?
◇◇◇◇◇◇◇◇
あれ?
あの娘達も今、帰りかな?
「あれ?お兄さん!!」
「朝ぶり?だね(笑)」
「そうだね。お兄さんも今上がり?」
「そう、欲しかった素材も採集出来たからね。」
「アイツらも言ってたけどお兄さん強いんでしょ?何階に行ってたんだ?」
「強いかどうかは人其々の基準があるから知らないけど、今日は35と44。」
「へぇ、やっぱり強いんだな。35ならまだしも44か…」
「凄いね…私達も頑張ろう…」
「そうだな。」
「2人は最高到達フロアは幾つなの?」
「私達は33Fだよ。まだまだ駆け出しなんだ。」
「命…最優先だから…」
「それが1番だよ。俺なんかが言うのも変だけど、みんな勘違いしてるんだよね、みんな攻略を最優先に考えて行動してるけど、ダンジョンで最も優先しないといけないのは生きて帰って来る事だよ。だから君達の考えは良いと思うよ。俺は好きだな、その考え。」
「ありがとう。そう言えば、自己紹介がまだだったよね?私はリリアだ。宜しくね。」
「私はリジェロ…よろしく…」
茶髪でアフロの娘がリリアで水色でショートカットの娘がリジェロね。
「俺はアルベール。少し前に勇者パーティーを追放された冒険者だ。よろしく。」
「あぁ、黄金の輝きのディフェンダーか?」
「そうそう、ディフェンダー。でも、今は1人だから特にディフェンダーとかサポーターとか決めてないけどね。1人でディフェンダーとか名乗ってたら頭おかしいでしょ?ヒャハハハハハハ(笑)」
「まぁ…そうだね。」
「でも、強い…私、ロムで見た事ある…」
「えっ!?そうなのか?」
「うん…凄く強かった…あの例の特殊個体を倒してた…」
「えっ!?この人なのか!?その91Fの特殊個体を1人で倒したって冒険者はっ!!!」
「うん…だから凄く強いよ…」
「いや、あの赤い奴はもう1人居たから、俺1人じゃないよ?後、そんなに目をキラキラさせても何も無いよ?」
「おっお兄さんっ!!ぜひ話を聞かせてくれないか?私、強い冒険者の人の思考回路とか凄く凄く気になるんだ!!!だから、お願いします。話を聞かせてください。」
うわっ!!
面倒な事になりそうだな…
退散、退散、直ぐに退散ー!!!
話って何を話すのよ、この娘達が喜ぶ様な話を俺は持っていない…
「いやいや、俺は強くないから。期待には答えられ無いよ。ごめんね。」
「そこを、なんとか!!!お願いします。」
「アルベールさん…私も聞きたい…」
「いや~。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「それでそれで、お兄さんはわざと隙を作って赤鎧を倒したと?」
「まぁそうなるね。魔法を発動出来るタイミングが無かったし、なんか俺を凄く狙ってたしさ。」
「やっぱり強い…普通の冒険者なら、とっくに死んでる…」
「だよなだよな~。くぅ~、やっぱり強い冒険者の話を聞くと食欲が止まらないわね!!!」
「美味しい…」
あの後、街に戻る帰路でもずっと懇願されて結局、この娘達の押しに負けて一緒に食事をする事になったけど時間が13:30だっから満豚屋も満席だったからハンバーガーにしようってなって来たのは良いけど…何個食べるの?マジで茶髪でアフロの娘、リリアが何個も何個も何個もハンバーガーを追加注文してるんだけど…
またこのパターン?
お会計…俺でしょ?
1個650円のハンバーガーをコイツは何個食べてるんだ?ちなみに1回も奢るなんて言ってないぞ俺は。
さっきからリジェロと俺はポテトをつまんでるよ。
最初に各々がセットを注文して単品でナゲット…充分だろ?
マジでコイツ何人分食べてんだよっ!!!
もうー嫌だっ!!!
クロム2世じゃん!!!
「ねぇリジェロ?」
「ん?…どうしたの?…」
「シェイク飲まない?ポテト食べ終わったし。」
「うん…飲みたい…」
「じゃあ注文してくるか…」
「良いわよ。私が注文してくるわ。」
「そう?じゃあ、頼むわ。俺はチョコで。リジェロは?」
「私もチョコ…」
「わかったわ。じゃあ行ってくるね♪」
スタスタスタ。
「ねぇ?」
「ん?…どうしたの?…」
「アイツっていつもあんなに食べるの?それとも今日だけ?」
「毎日食べてる…だから、ダンジョンで稼いだお金は殆んど食費に消えてる…」
「マジかよ…」
「安心して…お会計は私達が払うから…」
「ん?う~ん。」
どうしようか?
クロムはまだ大手のクランに所属してるし、Sランクだから食費とかはあの総帥が頭を抱える程度で済むけど、この娘達はSランクどころかAランクでもない、きっと色々と切り詰めてるんだろうな。
「あのさ、2人は何処に住んでるんだ?アパート?それとも宿?」
「宿だよ…この辺りだと1番安い宿…私達はここの出身じゃないから…」
「そうなんだ。」
33Fが最高到達なら、ダンジョンで稼いだお金は主にリリアの食費で消えて他に回すお金なんて無いだろうな…
なんか、聞けば聞くほどなんとかしてあげたいって気持ちが強くなるな…
どうしたもんかね…
でも、朝の件もあるし、せめて泊まる宿くらいは安全な所にして欲しいかな。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ふぅー。食べた♪食べた♪」
「美味しかった♪…」
「そうだな、久し振りに食べたけど美味いな。」
「でも、良かったのか?全部奢ってもらって、私達も、それなりに稼いでるんだぞ?」
「余計なお世話だけど、それなりに稼いでるなら、朝の件もあるから安全な所に泊まって欲しいかな。」
「それを言われると痛いな…」
「リリアのお腹の中に消える…」
「ごめんなリジェロ…」
「大丈夫…もう慣れたから…」
「だから、今日から俺が泊まってる所に来なよ。勿論、お金は俺が出すから。どうかな?」
「いやいや、そんな事までしてもらう訳にはいかねぇーよ!!」
「うん…」
「部屋は2人部屋を取るから俺とは別の部屋だし、なんなら俺は1人部屋だからフロアも違うし、これも何かの縁だし、どう?」
「う~ん。でも悪いしな~」
「どうしてそこまでしてくれるの?…」
「それを言われると2人が納得する答えを答えられる訳じゃ…ない。何だろうね?上手く言えないけど、このまま2人を返しちゃいけない気がするんだよね。なんか、おかしいよね?まぁ朝の事もあるし、心配なのかもしれないな。」
「「…」」
「まぁ元々の俺の噂で、どうしても信用出来ないなら、今のは聞かなかった事にして。只、俺はそう思っただけだから。ハンバーガー食べながら、2人を見てたら駆け出しの頃を思い出したりもしたしさ。」
「本当に…良いのか?」
「迷惑じゃないなら…お願い…」
「フフフ、迷惑なら言わないよ。」
「じょあリジェロ、甘えよっか?」
「うん…」
「甘えなさい。もっともっと甘えなさい(笑)リリアには一応、言っとくけど宿で3食出るけどバイキングじゃないからね?どうしても今日みたいに食べたいなら、また俺に声を掛けて。どこか連れていくよ。」
「良いのか?私、今日みたいに凄い食べるよ?」
「まぁ毎日はあれだけど3日に1回なら、時間は作れるから別に構わないよ。後でフォンに俺の連絡先を入れといて。腹が減ったら連絡しろよ?」
「うん!!ありがとう♪」
「ありがとう♪」
作者より
巻き込み巻き込まれ(笑)




