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神だろうと人だろうと家族は家族だ

「連れて行くのはルルドとフランだな。あとはロードとエルヴィス。ルルドには情報収集をしてもらう。暇そうなメイドと執事たちもこれに加わってもらう。フランは領主との交渉だな。何人かのエルフたちもそこに入れるつもりだ」

「あれ?ノア様が一人になってしまいますよ?」


 ノアの振り分けに疑問視をするラウラ。

 それに賛同するマルマとメルメ。

 よほど街に行きたいらしい。


「俺は一人でも……」


 せっかくの旅だから一人でのんびりしようとしていたノアだったが、四方からだけでなく、多方から視線を浴びることになった。


「わかったわかった。ヒルデとルルドをそばに置いとく。これでいいだろ?」


 そう発言したことでノアへの視線が四方に減った。


「議題はこれで終わりだな?」


 ノアの終わりの宣言に対して挙手をする一人の男がいた。


「なんだ、ユノン。まだあるのか?」

「ノア様の護衛には似合わないものがいます」

「あぁ?そんなやついたか?」

「ええ、いますとも。怠け者はノア様の邪魔になりかねません。少々稽古をつけてもよろしいですか?」

「んー?出発は三日後にするから、その間ならいいぞ」

「ありがとうございます」

「では、解散。それぞれの仕事場に戻ってくれ。俺は寝る」


 そう言って退出するノア。

 それに伴い、着いて行こうとする二人にユノンは声をかけた。


「どこに行こうとしているのですか?ロード?エルヴィス?」


 怠け者とはロードとエルヴィスのことだった。

 二人は未だに進化をしていないのだ。

 ユノンの後ろにはファングウルフ達だけでなく、二回進化したブラックリザード達もいた。


「ギャ、ギャウッ……」

「クゥーン……」


 縋り付くようにノアに擦り寄る二人だったが、ノアは振り返って言ったのは、「がんばれ」の一言だった。

 絶望した顔をする二人に、残念ながら助け舟をだすほどノアは甘くはなかった。


 悲痛の叫びを背中に浴びながら、一人家へと向かうノア。

 背後には街に絶対に行きたい四人組がこそこそと着いてきていた。

 家に入ったノアに、甘えようとする四人は堂々と扉から入った。

 しかし、そこにはノアの姿はなかった。


「あれ?ノア様は?」

「いないね?」

「どこ行っちゃったんだろ?」


 その日、ノアを再び見かけることになったのは、夜のことであった。


 扉を閉じてさっさと惰眠を貪ろうとしていたノアは、目の前の光景に困惑していた。


「え?なんでまたここに?」


 そこはあの世界に行く前に来たことがある神殿だった。

 よくわからず、とりあえず奥まで進んでいくと、そこには目を疑うほど美しい女神の姿があった。


「よく来ましたね。ノアくん」

「はぁ……」

「またボクに会えて嬉しいでしょ?」

「いや、まぁ嬉しくはないわけじゃないけど、俺は何をしようとしていたかわかりますか?」

「昼寝よね。でもだめだよ。ボクはもっと刺激的なことを頼んだ筈だよ」

「殺戮ですね!」


 ノアの過激発言に女神は「それよ!」と賛同した。


「それよそれ。あれから一週間以上は経ったっていうのに、全然進展がないじゃない」

「そうですか?戦力を整えて今から冒険の旅に出かけようとしていたじゃないですか」

「全然よ。ワイバーンを街に送り込むぐらいしないと」

「ポイントないんで、そういうのやめてもらっていいですか?」

「それもそうね……あなた貧乏ですものね」

「そうなんですよ。貧乏なんで、娯楽もお昼寝ぐらいしかないんですよ」

「それとこれは違う。けど、少しでも進んでるならいいや。帰っていいよ」


 手をひらひらと振る女神。

 そして神殿のソファに埋まるように座った。

 ノアもまた極上のソファに埋まり、眠る姿勢に入った。


「ちょっとなにしてるの?」

「なにって女神様と一緒です。昼寝しようかと思って」

「なんでここで寝るのよ。帰ったらキングサイズのベッドに美少女を侍らせて寝れるじゃない」

「それはそれ、これはこれですよ。ふぅ……このソファ持って帰れませんか?」


 ノアは至福の表情を浮かべながら目を閉じた。

「無理よ」と返事をする女神だったが、ノアの返答はなかった。


「ちょっと本当に寝ないでよ。まったく……変わってないな」


 女神は慈悲深い表情を浮かべたあと、その場をゆっくりと離れていった。


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