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どの世界線でも数の暴力の前では抵抗は無意味に等しい

「さて、こいつらの始末をつけるか」


 ゴブリンたちに軽くあしらわれたエルフたちにノアは絶望を伝えた。

 ノアが始末の方法を考えていると、ユウトが助言をする。


「ノア様、ゴブリンに倒させて強くしよう」

「それもいいけど、もっと弱いやつを強くしたほうがいいんじゃないか?たとえば、蜥蜴とか」


 ノアは肩で眠りこけているエルヴィスを指差した。


「エルヴィス以外は強くなってる」

「え?そうなの?」


 ユウトが言うには、野に放った蜥蜴たちは各々自分達に合った相手を倒して、今では2回ほど進化をしているそうだ。

 なお、マルマやメルメ、ワイドの蜥蜴たちもなにげに訓練されてレベルが上がっている。

 それに比べてエルヴィスは食って寝てをしているだけだ。


「じゃあエルヴィス……?いや、もったいねぇな。もっと別の者にさせるか。思いつかんし、ゴブリンたちでいいや。任せた」

「グギャッギャ!」

「ウォンッ!」


 ノアの指示に従い、ゴブリンとウルフが瀕死の男達に迫る。

 逃げようとするものはいたが、這いつくばることしかできない。

 なぜなら彼らには歩くための足がないからだ。

 再び叫び声が森に響く。

 慈悲のない殺戮。

 叫ぶ者がいなくなれば、今度は進化の雄叫びが木霊する。


 ハイゴブリンがホブゴブリンに、ウルフがファングウルフに進化した。

 ホブゴブリンは長身のゴブリンで成人男性の平均くらいの身長があり、知能が高い。

 もし、見つけた場合はゴブリンキングがいる可能が高く、街では警戒網が敷かれ、兵士を集めて討伐されるほど、人々の間では恐れられている。

 そんな存在が軽々しくも生まれていく。


 ファングウルフもまた、人々の間では恐れられている存在だ。

 鋭い牙は鉄製の鎧すらも食い破り、村に襲撃でもされた日には最悪の場合、村が滅びてしまうほど、凶暴である。


 ただし、ノアの配下の中では弱い部類に入る。


「強くなったみたいだな」


 ノアは感銘し、ファングウルフ達の頭を順に撫でていった。

 いつの間にか列を作っていたが、ノアは快くなで続けた。

 その列にマルマとメルメも並んでいたが、そわそわしていたので、ノアはついでに撫でた。


 男エルフの始末が終わり、他に特別なことがなくなると、それぞれの持ち場に帰っていった。

 ノアは宣言通り、昼寝をするために帰宅した。

 ノアが帰宅するとヒルデが付き添い、マルマとメルメは暇だからとついてきた。


 ヒルデをソファに座らせ、膝の上に頭を置くノア。

 それをじーっとソファの裾で眺めるマルマとメルメ。


「……なんだよ」


 居心地の悪さにマルマとメルメに問うと、マルマとメルメは同時に話し出した。


「「わたしたちの寝る場所は?」」


 ついてきたのだから目的は同じ。

 昼寝をするスペースはソファに残されていない。


「自分の家で寝ろ……と言いたいところだが、マルマには感謝してるしなぁ……ソファをもうひとつ出してやるからそれでね……」

「「ノア様と寝る!!」」

「???……なんでだよ。広いほうがいいだろ?」

「一緒がいいよね、メルメ」

「ノア様と寝たいよね、マルマ」


 瓜二つの容姿を持つマルマとメルメは互いにノアと寝ることを主張した。

 これには、さすがのノアも困り果てる。


「仲良しですね」


 ひとりだけ楽しそうに笑うヒルデ。


「仲良しは仲良しでも一緒に寝るのはおかしくないか?」

「良いではないですか。お三方ともまだ子供なんですから……」

「俺は大人だが?」

「おかしなノア様」

「ノア様はこども」


 否定的なノアに対して肯定的な三人。

 多数決で負けるノアに味方はいないのだろうか?


「まだだ!まだエルヴィスとチロ、ミューズがいる!」

「「「ギャウッ」」」

「ぐわーっ。ろくたいいちぃ!?」


 完全敗北のノアの肩にマルマとメルメが手を置いて首を振った。


「一緒に寝よ、ノア様」

「はじめては優しくしてね……ノア様」

「昼寝だよ!?これはお昼寝なんだよ!?そんなやましい事するわけない……だ……ろ?」

「やだ、ノア様のえっち」

「えっちなノア様もすき」

「あらあら、いきなり三人をお相手に……」


 さらりと自分も含めるヒルデ。


「あーもう、わかったよ。ベッド出すからそこで寝よう」


 そう言ってノアは自室へ向かった。

 一人用のベッドを売り払い、四人で寝ても広々と使えるキングサイズのベッドを召喚した。


「俺は寝る。一緒に寝てもいいが、邪魔だけはしないように!以上、おやすみ!」


 そう言って、お布団をかぶぅて眠りにつく。

 自由にしろと言われたマルマとメルメはノアの両腕に抱きついた。

 身動きの取れなくなったノアは無心で眠ろうとする。

 ノアをじーっとみつめるマルマとメルメ。


「………おい、見ずに寝ろよ」

「寝てる寝てる」

「ノア様こそ寝たら?」


 ノアに対してブーメランを返す。

 三人はお互いに眠れと主張するが、話せば話すほど目は冴えていった。

 三人が話していると隣から「す~」という呼吸音が聞こえた。

 そちらを見ると気持ち良さそうに眠るヒルデの姿があった。


(………寝るか)

(寝よ、ノア様)

(おやすみ、ノア様)


 ヒルデに気をつかい小声で話すと、三人は眠りについた。


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