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エルフの最新ファッションは全身スライムタイツ、時間とともに身体が溶け出す優れものだ

 次の日、お腹を空かせたノアが畑に行くと、そこにはすでに実をつけた野菜の数々があった。


「え、はやくね?」

「当たり前じゃろ?神の種は成長がはやい。ほれ、真紅の実じゃ」


 ノアの一言にドライアドが瞬時に答え、真紅の実を渡した。


「トマトか。さんきゅー」


 ノアは受け取ったトマトにかじりつくと、言葉を失った。


「……うますぎる!」

「そうじゃろう、そうじゃろう!」


 一心不乱にトマトに頬張ると、トマトはすぐになくなってしまったが、ドライアドは気が良く、すぐに次のトマトを渡した。

 お腹いっぱいにトマトを食べたノアはドライアドを褒め称えた。


「やるじゃねえか、ドライアド!」

「そうじゃろう!ワシはやるときはやるんじゃ!」


 ドライアドが胸を張ると、またノアは褒めた。


「いやぁ、これで食料事情も解決かな?」

「うーむ、賛成と言いたいところじゃが、人手が足らんのでな。収穫にもそれなりに技量がいる。お主のところにゴブリン共がたくさんおるのを知っておるが、な……」

「確かにあいつ等不器用だしな。任せられんな……」

「どうしたものか、ちょっと考えてみるわ」

「うむ、任せた」


 ノアはドライアドに別れを告げると、檻に来ていた。

 そこにはスライムに全身を包まれたエルフたちの姿があった。


「……なにしてるの?」

「……気がついたらこうなっていた。お前の指示ではないのか?」


 戸惑う男エルフにノアは満腹のため、親身になって答える。


「うーん、そんな指示はしたことないけど、あ」

「なにかわかったか?」


 男エルフの姿が面白いのは置いておいて、原因を探る。

 スライムの特性を考え、答えを導きだした。


「お前ら、風呂入ってないだろ。装備も臭かったし、スライムに食べ物判定されたんだろ、ははは」

「笑い事か!?」


 ノアは笑いをこらえきれず、指をさして笑った。


「だって、お前らの姿見てみろよ」

「姿って……」


 男エルフたちは互いの姿を認識すると、笑いが込み上げてくる。

 しかし、その笑いもすぐに絶望に変わる。


「まぁそのままにしてると全身溶けるだけだから」

「へ?」

「処刑される前に身体がなくなると思うけど、それまでせいぜい笑い合ってるといいさ」


 ノアは立ち上がりながら言うと、その場から去っていった。

 一時期、どっと笑って騒いでいた檻が静かになると、気になった住人たちが集まった。

 ノアから説明を聞き、興味が出た者が見に行くと、また笑いに包まれた。


 一日経って落ち着きを取り戻したと聞いたノアは女エルフのもとへ訪れていた。

 メイド達がひとりひとりに寄り添い、相談を聞いて心をケアしたことで、持ち直したエルフにノアは遠くから話を聞くことにした。


「元気になれてよかったよ」


 ノアが女エルフ達に話しかけると、反応はなかった。


「あれ?もしかして無視されてる?」

「あの、ノア様、遠すぎます」


 ヒルデはノアに反論する。

 ノアがいるのは診療所として使っていた家の外。

 声が聞き取れるわけがない。


「そうか?でも男恐いじゃん。泣かれたらどうするん?」

「大丈夫です。ノア様は子供ですから、近くにいても恐がりません」


 ノアは「ほんとう?ぜったい?ねぇねぇ、ぜったい泣かない?」とヒルデに質問責めしつつ、診療所に入っていった。

 部屋に入ると顔をこわばらせた女エルフ。


「だめじゃない?」

「いえ、大人だったらもっと拒否反応を見せてます」


 ヒルデの言葉に「ほんとかなぁ?」という顔をするノア。

 ヒルデもまた「ほんとうです」という顔で返した。


「これ以上近付くと泣きそうだし、代表者から話を聞こうか」


 代表者はエルフの集落で族長の娘だった者だ。

 別室にメイドたちを引き連れて行く。

 そこで対面で座って話を聞いたのだが。


「はじめまして……」


 ノアの言葉に顔をひきつらせたままのエルフ。

 会話が成り立たないとわかったノアは後ろから密かについてきていたマルマを引っ張り出した。


「いいか、マルマ。俺が質問したいことを言うから、それを聞いてきてくれ」

「……えぅ?」


 マルマは首を傾けて「わかんなぁい」と惚けた。


「……やるな、マルマもそういう手を使うようになったか。報酬はこのドライフルーツだ」


 ノアはドライフルーツが入った容器を取り出して見せた。

 マルマは手を出してこう言った。


「……前払い」

「……まぁいいだろう」


 マルマの策にのったノアはマルマの口にパイナップルのドライフルーツを差し入れた。

 ぱくっと口にしたマルマは頬を緩ませて「むふふふふ」と笑った。


「まず一つ目だ。どうしてゴブリン達に捕らえられていたかだ」

「わかった」


 マルマはとてとてと歩いて族長の娘に近付くと、椅子を持ってきて隣に座った。

 マルマが近付いても族長の娘は平気な顔をして、話を聞き、その答えを言った。

 するとマルマは驚いてまた質問をした。

 その声はなぜかノアには届かなかった。


「なんで聞こえないの?」


 ノアの疑問にヒルデがこっそりと呟く。


「おそらく風魔法で防音にしているのでしょう」

「魔法って便利なんだな」

「私はノア様の能力の方がよっぽど便利だと思います」

「ないものねだりってやつだな」


 ヒルデはそれにクスッと笑い、ノアもまた笑う。

 そんなことをしている間に、マルマと族長の娘の話は終わった。

 お手手を振ってバイバイをすると、マルマはノアのもとに戻ってきた。


「どうだった?」

「んー、男エルフがわるい」

「そうか。処刑でいいか聞いてきてくれ」

「うん、わかった」


 再び、マルマはとてとてと歩いて族長の娘のもとへと向かった。

 話を聞いていたヒルデはノアに質問をした。


「今のでわかったのですか?」

「ん?あぁ、マルマは端的に話をまとめるからな。男エルフが悪いならそれでいいだろ」

「そうですか。間違いがあったらどうするのですか?」

「その時はその時だろ。別に俺達が責任をとるようなことでもないだろ」

「そうですかね?」

「そういうもんさ」


 またマルマが帰ってきた。


「処刑で」

「おっけー」


 簡潔に述べられた言葉にノアは人差し指と親指で丸をつくった。


「さてと、処刑しますか」

「ずいぶんすんなり事が運びますね」

「そういうこともある。えーっと、族長の娘さんだっけ?マルマが言っていた通り、男エルフ達全員を処刑するけど、いいよな?」


 ノアの問いに族長の娘は頷きで返す。


「見学はする?」


 ノアの問いに族長の娘は首を振って応えた。


「そうか。なら、俺達の自由にさせてもらう」


 ノアは立ち上がると、療養所から出ていった。

 残された族長の娘は出ていくノアに頭を下げていた。

 ノアにマルマはついてきたが、途中で足を止めたノアはマルマに族長の娘につくようにいった。


「んぇ?」

「はい、ドライフルーツ」

「さすが」


 惚けたマルマにドライフルーツを渡して即座に交渉成立。

 マルマは族長の娘のもとへと向かった。


「俺は檻に向かうから、ヒルデはゴブリン達に檻の前に『狩りの時間』と伝えて集まるように言ってくれ」

「……はい?」

「ウルフ達も一緒にね」


 ヒルデにお使いを頼んだノアは、再び檻の前に訪れた。

 笑い者にされた男エルフ達は檻の鉄棒にしがみついてノアのことを睨み付ける。


「よかったじゃない。最後に人を笑わせることができて」

「てめぇ!」


 ノアに噛みつく男エルフ。


「これから死んでいく者達には最高の最後じゃないか」

「……!?なにを言って!?」


 ノアの言葉に動揺が隠せない男エルフ。


「族長の娘から話を聞いた。概要は知らんが処刑で良いそうだ」


 ノアの宣言に男エルフ達は絶望し、ノアを攻め立てる。


「そんな!?アルフェがそんなことを言うはず!?」

「俺達がどれだけ……」

「て、てめぇが唆したんだろ!」


 男エルフ達の暴言にノアはしーっと黙らせる。


「逃げるチャンスをやろう」

「本当か!?」

「あぁ、本当だとも、ただし俺の配下のハイゴブリンから逃げられたらな?」


 ノアの後ろに続々と集まるハイゴブリン達。

 その手には磨かれた鉄の剣。

 追随するウルフの群れ。


「さぁて、狩りの始まりだ。檻を開けろ!」


 ノアが指を鳴らすと同時に開かれる牢屋の扉。

 開かれた扉から飛び出していく男エルフ達。


「3分だけ待ってやる。さぁて、何人逃げ延びることができるかな?」


 森へと逃げる男エルフ達。

 獲物の姿を観察するハイゴブリン。


「瀕死で捕らえろ。無理なら殺して構わない。さぁ、行け。恐怖と絶望の淵に落とせ!」


 ノアは高らかに笑いながら開始の火蓋を切った。


 ボロ服28(28)檻の柱100本(1万)調理器具30(6万)屋敷一式(10万)

 蜥蜴1(1000)野菜の種100種(1万)追加分100種(1万)

 魔物素材(+5万)エルフ装備(+20万)

 残り約45万ポイント

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