表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロードオブダーク  作者: 逆立ちハムスター


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/30

26

ドワーフの女性は横たわっているエルフに包帯を巻いていた。

咳払いをする。

「だ、誰!?」

「大丈夫、助けに来たんだよ」

「あなたは……アークディラ!? う、嘘……私……幻覚を見るようになってしまったの?」

「落ち着いて、僕は本物だよ。ローランドに会って、これを貰った」

腕輪を見せる。

「大佐と? それは、ヴァンガードの腕輪」

「そうだよ。それより治癒魔法は出来ないの?」

「出来るわ。でも彼の体を見て、半端な治癒魔法じゃ無理よ。かといって動かすと危険」

〘⇄〙

「僕が見てみるよ」片方の腕が肩から切り落とされている。傷口はとても綺麗に切断されている「治療の為に切ったの?」

「いいえ、襲われた時に」

「剣で?」

「分からない。薄暗くてあまり見えなかったの」

「どうして君だけ助かったの?」

「襲われた時、一緒にいた他の仲間が助けてくれたの」

「そのもう一人のドワーフ?」

「いいえ、彼も襲われた時に負傷したの。彼らは襲った相手を追って奥に向かっていったわ。私は衛生兵だから、ここで負傷者の手当てをしていたの」

「腕はある?」

「ええ」

衛生兵のドワーフが布に丁寧に包んでいた腕を出す。

「それをここに」

「こう?」

「そう」

「なにか咥えられる者はある?」

「あぁん……ガーゼは?」

「それでいいよ。しっかり体を押さえていてね」

「分かったわ」

厚みのあるガーゼを腕が切り落とされた兵士の口に咥えさせる。

そしてリザレクションを放つ。

「うぅぅぅぅん゛!!!!」激しく暴れるのを二人で必死に押さえ、途切れないようにリザレクションを放ち続ける「うぅぅん゛!! うぅぅん゛!!」

上手く腕は結合した。

「凄いわ....」

「応急処置が良かったからだよ」

「はぁ〜」安堵したのか笑みが溢れる「ンフフ、良かった」

「もう大丈夫だね」

兵士が目を開ける「ああっ…….寒気も、痛みも、なくなった」

「彼が助けてくれたの……えっと……」

「ベルだよ」

「有難うベル。君は命の恩人だ」

「彼女もね」

「ありがとうソフィア」

「あなたが私を庇ってくれたから、感謝してる」

「モーは?」

「大丈夫、寝ているだけ」

「ここは危険だから早く出た方がいい」

「そうね。でもどの道が合っているのか……」

「来た時はずっと左に進んできたんじゃないの?」

「いいえ」

「ここからずっと右に行けば出られるよ」

「感謝する」

「ありがとう」

「じゃあ僕は行くね」

「一緒に出ないの?」

「僕はその襲撃者を探しているから」

「そう……気を付けてね。できれば追っていった私達の仲間も……」

「分かってる」

「万が一の時は……彼らのシグナキュラムを回収してきて欲しいの」

「覚えておく。じゃあね」


更に坑道の奥へ進む。

繋がっている道もあったのか。

これは迷うな〜。


先で何かが地面に落ちていた。

近付くと死体だった。

この鎧はさっきの兵士達と同じ物。


詳しく死体を調べる。

かなり鎧に損傷がある。剣というより爪痕に近い。

片目がくり抜かれ、後頭部まで穴が空いている。

恐らくこれが致命傷になり、突き刺されて死んだんだろう。


側に落ちている剣には変わった物は何も付着していない。

剣の攻撃は相手に当たっていないのだろう。

片方の手が焦げ臭い。

恐らく炎術を相当放ったのかも。


もう一体の死体を調べる。

頭部と右足のない死体、頭部が地面に転がっている。

首から切断され、切断面は処刑人の斧で切れられたように綺麗な断面になっていた。

武器じゃないとすると厄介な怪物かもしれない。


不思議と恐怖より興味が湧いてくる。


先の方からうめき声が聞こえてくる。

警戒しつつ先を急ぐ。


開けた空間へと出た。

道はどれもここへ続いていたのかもしれない。

通路が複数ここへ繋がっていた。

あれはザリアス?

ザリアスの元へ向かう。


ザリアスの部下達がこっちに気がつく。

「何か来るぞ!」

「後続部隊か?」

ザリアスがこっちに気が付く。

「あんたはさっきの」

「大丈夫?」

「大丈夫に見えるか? 部下の殆どをやられた」

ザリアスも軽傷を負っているみたい。

「ここで何をしているの?」

「生き残った部下とともに、負傷者の手当てと防御ラインの構築をしている。遅かれ早かれ誰かが防御ラインを築かねばならんからな」

「相手はどんなやつか分かった?」

「ああ、怪物だ。それも恐ろしく素早い。オートマトンじゃないのが唯一の救いだがな。奴らに街の場所を知られたらおしまいだ」

「この先は行き止まりなの?」

「ああ、地図ではな」

「他に生存者はいた?」

「残念だが誰もいなかった」

「死んでたの?」

「いいや、遺体は見つかっていない。おそらくこの先にいるのだろうが、奴と一緒で生存者がいるとは思えんからな」

「でも確認してみないと分からないよ」

「そんな事は分かっているさ。だが俺の任務は部下を出来るだけ多く生かし、この鉱山の安全を確保する事だ。鉱夫の救出は含まれていない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ