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〘⇄〙
「何て言えばいいの?」
「簡単です。この私の店を気に入っていると言って頂ければ」
「オッケー。僕はベル。アークディラとしてこの時代に蘇った。そしてこの世界で初めて気にいった店が、このヴォルガの店」
「いや〜どうも。お約束通り割引致しますので、いつでもお越し下さい」
ヴォルガの元を離れ、再び街へ向かう。
向かう道中。
ドワーフの男性とエルフの女性が立ち話をしている。
「まさかあの仕事を引き受けたんじゃないでしょうね?」
「だったら何なんだ?」
「もう剣は持たないって約束したでしょ?」
「もううんざりなんだよ。この俺があんな狭い洞窟で毎日毎日、ツルハシで岩を掘るなんて耐えられる訳がないだろ!」
「私とロナはどうなるの?」
「どうにもならないさ。俺は生きて帰るんだからな」
「兵士達もみな、そう言ってた。でも日に日に減ってきているわ……」
「俺は大丈夫だ」
「はぁ〜。もう、気を付けてよね。あなたに万が一の事があったら私……私……」
「分かってる。愛してるよ。フローネ」
「私も愛してる」
「ロナにも伝えておいてくれ」
「ええ、分かった」
人間男性とドワーフの男性が立ち話をしている。
「じゃあそのまま返って来たのか?」
「そうだ」
「勿体ない。ん!?」
「どうした?」
「なあ、あんた!」
手を上げ僕を呼んでいる。
近くにいく。
「やっぱりな。あんたが噂のアークディラだろ?」
「まあね」
「良かったらこれを貰ってくれ」
人間の男から銀貨を1枚貰った。
「ありがとう。でもどうして?」
「俺は早く地下の生活から抜け出したいんだ。アークディラのあんたが俺達に協力してくれるんなら、その夢も早く叶うと思ってな。少ないが、それはせめてもの希望の証なんだ」
「大丈夫。できる限り協力するよ」
腕を組んだドワーフの男性が髭を手でとく「まあ俺は、今のままでいいと思うがな」
「俺は故郷は地上なんだ。お前とは違う」
「俺ドワーフだからって地下の生活が好きって訳じゃない。この間言った……」
会話を続ける2人の元を離れ、街へ向かう。
数人集まっている子供達が僕をじっと見てくる。
「本物だ〜」
「狐さんだ」
「あれはアークディラって言うんだよ。バーカ」
「知ってたもん。それに私バカじゃない!」
「アークディラって、僕達のご先祖を食べてたって聞いた」
「そんなの嘘に決まってるじゃん」
「嘘じゃないよ」
・鉱山問題
先の方に人集りができ、騒がしい。
集まっている人集りの方に行き、ドワーフの男性に話し掛ける。
「何かあったの?」
「事故があったみたいなんだ。ん!?あんた……」
別のドワーフの男性に声を掛ける
「みんな何を見ているの?」
「ああ、どうやら殺しがあったとか。オートマトンが入り込んでいるって聞いたな」
ドワーフの男性はこっちを向くことなく、夢中で伺い続けている。
エルフの女性に声を掛ける。
「どうかしたの?」
「道で事故があったんですって。怖いわ」
エルフの女性はこっちを向く事なく、心配そうに伺い続けている。
人集りを掻き分け、人集りの視線の先へと進む。
兵士達とは異なる格好をした種族達が武器を持ち、行き先を塞いでいる。
正面の武装した人間の男性に声を掛ける。
「何かあったの?」
「任務の邪魔だ」
気になるじゃん。
〘⇄〙
「んと、これで通してくれたりする?」
ローランドから貰った腕輪を見せる。
「これは失礼。どうぞ」
横に退き、張られた茶色いロープを上げてくれた。
ロープを潜り抜け、先へと進む。
多くの武装した種族達が立ち話をしたり、装備を整えていた。
結構物々しい雰囲気。
張られた青いテントへと向かう。
この場に似つかない豪華な服装をしたドワーフの男性が、全身銀のフルアーマーに身を包み、ヘルメットだけを外した屈強な人間の男性とテーブル越しに立ち話をしていた。
「送った部隊からは勿論、衛兵部隊からも何の連絡もありません」
「まったく、一体どうなっているんだ。本当にオートマトンだと思うか?」
「可能性はあります。それにご心配なく、の部隊の準備が整い次第、坑道へ向かいます」
「頼んだぞ」
「それでは」
人間の男性がテントを去っていく。
ドワーフの男性の元へ行く。
「どうも」
「いま忙し……なんと!? アークディラ!? 本物か?」
これからもこの反応と付き合っていかなきゃいけないのか……。




