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「見た限り、さっきの第一世代のオートマトンだけだね」
「ですが見慣れない装置が沢山ありますね」
「我が先陣を切る。ベル、我の我が儘に付き合ってくれるか?」
「勿論、援護するよ。必要なんでしょ?」
「助かる」
「私達も援護するわよ」
イセリアとセタンが荷物を下ろし、武器の確認していた。
「どうせ倒さないといけない敵なら、いつやっても同じだしな」
ルーデンが木々に隠れながら、オートマトン達の側面に向かっていった。
「何かの衝動や、遺恨だと思うか?」セタンが木に片手を突き、オートマトン達を眺めながら側にいるイセリアに話し掛けていた。
「違うでしょ。そういうタイプには見えない」
「だよな」
「寧ろ切れる方よ」
「お前は何だと思う?」
「たぶん、同族を探しているんじゃない? それか、ただの知り合い」
「なるほどな。もうすぐだ。こっちも行こう」
「ええ」
セタンとイセリアがオートマトン達に向かっていく。
「タリ、二人の荷物を見張っててね」
「はい。ですが出来るだけ早く戻って下さいね。ここは落ち着きません」
「うん」
「お気を付けて。いえ、シーラセライ」
聞き覚えが。
「シーラセライ」
セタンとイセリアの後を追う。
向かう途中、ルーデンが側面からオートマトン達に攻撃を開始した。
周囲は明るいのに眩しい。
ルーデンの口から放たれたブレスは紫の稲妻が走っていて、オートマトン達に直撃した。
「アァァ!! ナンテ事ダ!!」
「部隊ノ半分ガ殺ラレタ。今直グキネティックバリアヲ張レ」
「了解! オイ、急ゲ!」
「完了。デモコンナノデ、アンナデカイ奴ヲ止メラレルノカ?」
「サア、命令二従ウダケダ」
「イツモソレダナ」
「オイ! お前等、無駄話は止メテ、対処シロ」
「「了解」」
「アア!! 前カラモ来タ」
「行ケ行ケ!」
向かってくるオートマトンに黒い火球を放ち燃やしていく。
「クソ! 耐火ガ弱イ」
「コッチモダ」
ルーデンが装置から出ているバリアを数回の攻撃で破壊した。バリアが壊れると、回転していた装置が煙を上げながら爆発していく。
セタンも剣や盾でオートマトン達を次々破壊していく。
「軍曹、援軍ガ必要デス。軍曹?」
イセリアがオートマトンの頭を一つ転がす。
「軍曹ならもう真っ二つよ」
「アア……ソンナ」
次の瞬間、呆然と立っていたオートマトンが蔓で複数箇所貫かれ、機械音を立てながら前へと倒れた。
「味方ガズタズタニサレテイル。退却、 退ッ……」
ルーデンが尾で数十体のオートマトンを薙ぎ払い一掃する。
「「「「ウワァァ!!」」」」
オートマトン達はバラバラになり吹き飛んでいく。
「弱すぎる。話にならん」
目の前の最後の一体を念動で浮かせ、地面に叩きつけ壊す。
「ルーデン、調子戻ってきたみたいだね」
「ベルこそ」
「ンフフ、まあね」
「はぁ~、片付いたわね」
「こんな連中でも数が揃うと一苦労だな」
「私とセタンだけじゃ無理だったわ。二人ともありがとう」
「ふむ」
「協力できて良かった」
「まあ、罠にはめた方が楽だったがな」
「セタン」
「もちろん感謝してるさ」
「確かに数が揃うと厄介かもしれないけど、このオートマトンを作る意味ってあるのかな?」
「気持ちは分かる。私達も最初、同じ事を思ったもん」
「それで?」
「俺達の仲間に、オートマトンに詳しいガルフってドワーフがいるんだが、ガルフの話じゃ、この第一世代のオートマトンは全部、廃パーツで作られているらしんだ」
「ふむ、捨てるぐらいなら利用か」
「そういう事だ。だから、う~ん、こいつらと戦うのは、不毛で嫌になるんだ」
「倒しても倒しても、向こうには殆んどダメージがないからね」
「乗り気じゃなかった訳だな」
「だからこのオートマトンのパーツは回収しないんだね」
「ええ、でも本当は回収した方が良いの。生きてるパーツを減らすに越した事はないから」
この光景でさえ大変そう。
「骨が折れるね」
「ンフフ」苦笑いを浮かべているイセリア。
「まあ、そういう事だ。さあ援軍が来る前にこの場を離れよう」
こうしてその後、木が生い茂る深い森の中を進んでいった。




