第一章第二部 異世界の村2
今話もどうぞよろしくお願いいたします。
ご指摘ご講評賜れますと幸いです。
それから村全体を見て回った。
話をしているうちにアルとリルの性格も分かってきた。
アルは明るくショートカットが似合う凹凸のはっきりした体形の18くらいの女の子だ。
色が白くてむちっとした見た目で女性らしい見た目が目を引く。
そして頭がよく気遣いがよくできるタイプだ。
対して俺の世話役のリルは長めの髪と切れ長の瞳が印象的な背の高い女性だ。
出るところは出ているが、とにかくウエストが細い。
女性からの人気が高そうなタイプで、言葉は冷たいが根はとても優しいタイプなので頼まれると断れない姉御肌のようだった。
二人と楽しくお喋りをしながら回る村見学は下心男子には愉悦だった。
村見学を一通り終えて広場に戻って来ると大きな宴会場が用意されていて、我々の歓迎会が催されていた。
すでに会場では運営スタッフと村人たちが準備をしており、俺たちの到着を待っている様子だった。
「村の様子はどうだったね?」
村長のエギンが彼に尋ねた。
「いい村でしたよ。
後半になるにつれて段々人が少なくなっていったのはこのためだったんですね」
彼が宴会会場を見渡すと村人たちが「待ってたぞー!」と口々に歓迎の言葉をかけてくれた。
遠くの方でカインがぴょこぴょこと跳ねて手を振っている。
「役者も揃ったことだ。歓迎会を始めよう」
エギンがそう言うと、いつものことといった様子で若い司会者が食事の前の祈りを始めた。
俺たちも自分の席に座らされ、途中から見よう見まねで祈りを捧げた。
歓迎会というからにはご馳走が出るに違いないと思っていた俺たちの前には肉、魚、野菜、果物、といった素材がよく分かるものばかりが並んだ。
「やっぱり調理という点においては異世界なんだな」
彼が言った。
「お二人がいた世界ではもっと複雑な料理がたくさんあったんですか?」
アルが彼に尋ねた。
「そうだね。プリンとか、マシュマロとか…」
「あとはスイカとかメロンとかな!」
彼が言い終わらないうちにカインがやってきて口を挟んだ。
アルが二人の鼻の下を見て「やらしー」と言っていた。
敬語が抜けてずいぶん親しげに話す彼らを見て俺はどこか安心していた。
そんなこんなで宴会は進み、子どもたちは家に帰されて酒がどんどん出てくる時間になった。
「あなたは大はしゃぎしないのね」
不意にリルが隣から話しかけてきた。
「お酒を飲んだからって大騒ぎするのはちょっとな」
「あなたの方が彼より大人なんですね。そういう人、私は好きです」
俺の中のおじさんがイカレそうだった。
それから落ち着かなくなって酒精の強い酒を大量に飲んでいたら段々楽しくなってきてしまった。
「リルサン ワタシ トテモ ヨッタ カエル」
「先ほどの言葉は撤回します」
リルに案内されて自分の寝床のある小屋に連行される。
彼はまだ飲んでいるだろう。
村人が全員帰るまで付き合いきるだろう。
昔からそういう奴だった。
大学生の頃。
サークルの新歓コンパでバカ騒ぎする同学年に嫌気がさして居酒屋の外の喫煙所でタバコを吸っていた。
そこへ彼がやってきて
「だりいな今日の同級生」
笑いながら俺が差し出したライターの火にタバコをあてる。
無骨で筋肉質な俺とは対照的に手が華奢で品の良い服を着ていたから、どこかのボンボンかと思っていたが一概にもそうとは言い切れないみたいだとこの時に思った。
「明日何限授業?」
「2、3限だけ」
「どっか出かけようぜ」
それだけ言ってあとはタバコを吸っていた。
吸い終わってから彼は宴会場に戻り、何次会かすらわからない最後の方まで付き合ったんだそうだ。
それが彼との最初の記憶だ。
なのに名前も思い出せなくなるとは。
異世界転移というのもなかなか寂しいものだ。
しばらく俺が用意された小屋の中で横になっていると彼が宴会から帰ってきた。
そのまま何も言わず横になってしばらくした頃、彼が唐突にとつぶやいた。
「これから俺たちはここで生きていくわけか…」
「アルさんの乳ばかり見ていた男の発言とは到底思えない」
「馬鹿が。乳を見て言ってるんだよ」
「不服だったのかね?」
「そりゃあお前、最高だったに決まってるだろ」
とんでもない阿呆だった。
酔いも回っていたので俺はそのまま眠りに落ちた。
ありがとうございました!
ここまで読んでくださったということはやっぱり結末まで読んでくだ・・・さる?
なんて。
どうぞお時間がございましたら読んでいってください。
ここからは一気にアップします。




