第一章第九部 オパールのふわふわ
読んでくれた人が評価をくれました。
すごく高評価でちょっと感動してしまいました。
ありがとうございます。
励みになります。
夢をみた。
大きな鳥が羽ばたく夢。
オパールという宝石に似た色の翼が美しい鳥だった。
「お前は死にたくないのか?」
鳥が言った。
「うん。死にたくない」
夢だと思って適当に答えた。
「そうか。
私は死にたい。
どうやったら死ねるかお前は教えてくれるか?」
鳥の羽根がふわふわで美しかった。
動くたびに星屑の擦れるシャリシャリした音が聞こえる。
「死に方なんて考えうる限りあるんだから全部試せばいいんじゃないか?」
そう答えると、
「痛いのも苦しいのもいやだ」
「我が儘だねえ。もう好きにしろよ」
「待ってくれ。分かった。ならば死に方を教えてくれ」
「しょーがないなあ。起きたら教えてやるって」
「それでは困る。今教えてくれ」
本当にしょうもない鳥だった。
死ぬ方法も分からないなんてとんだ鳥頭だ。
面倒になって鳥を放置して別の夢を見ようとしたが、どうも夢の中の強制イベントのようで意識が覚醒しているみたいに眠ることができなかった。
「えーっと、お前は死ねないんだろ?そしたらそれが死んでるってことだ。
人間は死ぬと地獄ってところに落ちるんだ。
地獄は苦しいところで早く殺してくれ~~~ってみんな叫びながら苦しむんだよ。
ってことはお前は今お前にとっての地獄にいるんだろ?
じゃあ死んでるじゃん」
鳥はニコッと笑った。
実際には笑っていないが微笑みを感じた。
まるで美女の微笑みだ。
「死んでるお前と死にたくない俺はこの夢の中の牢獄に囚われて永遠に生きるわけだな。
それもまた一興か」
いっそのことこのまま現実世界の俺を殺してくれ。
今なら楽に死ねる。
「私とともに生き続けてくれるのか?」
「ああ。もうそれでいいよ。俺はもうどこにもいけないんだから」
「そうか。ならば…」
そう聞こえた時に目の前が激烈な眩しさで見えなくなった。
ふわふわの羽毛が俺を包んで暖かい。
もう夢から覚めてもいいかなというくらいに心地良かった。
そうして目が覚めた。
背中の骨が石に当たって痛い。




