幕間2 リンちゃんとしちゃった【side 東山雫】
リンちゃんとキスした。
ほっぺたとか首とかじゃなくて、ちゃんと口と口で。
思い出すだけでも、そわそわしてきて落ち着かない。あの時だって、ドキドキしすぎて朝まで眠れなかった。一緒に寝てるだけなのに、熱にうなされてるような、そんな感じ。
なのにリンちゃんと来たら、やることやってすぐに寝ちゃった。
冗談とか、からかってるわけじゃなくて本気の本気で。幸せそうに寝言なんて漏らして、何度か「雫ぅ……」だなんて人の名前を呼んだりもしていた。
寸止めじゃないけど、寸止めされた気分。もうちょっと近づきたい、ぎゅってしてもらいたい。
わかってる、こっちから言えばよかったんだって。でも難しかった。胸が一杯で、声を出すのも苦しかった。仕方ない、あんな雰囲気は慣れないもん。
ああもうなんだろう、変なこと想像してる。あれ以上だなんて、なに考えてんだろう。別に別に悪いことじゃないけど、なんかまだ違う気がする。早いっていうか、なんかそういうんじゃないみたいな。
とにかく、とにかく、あの夜は大変だった。じんじんじわじわ身体が熱いのに、布団も除けられなくて大変だった。パジャマもベッドシーツも、きっと汗まみれだった。
そんなふうにさせておいて、本人はすやすやだなんて、ひどい、やり場がない、謝ってもらいたい。
もらいたい、もらいたいけど、でも、言えない。だって、寝てねってお願いしたのに、今度は起きろなんて言ったら、リンちゃんがっかりするかもしれないから、そういうことはしたくない。
だから、だからまだここまで。向こうが欲しがってくるまでは、あの幸せだけあれば、それでいい。
今も、胸の内側が熱っぽい。キスの感触を思い出すだけでも震える。
唇に触ると、いつもよりお肉がやわらかい気がする。指でぐりぐりってしてみるけど、どこか違う。自分で弄っても、ぽわぽわしない。
次はいつだろう。明日かな、明後日かな。学校かな、公園かな、家かな、もう一度ベッドの上かな。
欲しいな、また。
リンちゃんはずっと隣にいてくれるかな。
なかったことになんて、ならないといいな。




