表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凄腕忍者、TS魔法少女にされる 〜護衛対象に溺愛されても、某は百合には落ちぬ〜  作者:
六章 乙女心や芽生えし夏の月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

110/134

第106話 本気の戦いなどいつ以来だろうか

 正面のアリスは、片手剣の切っ先をこちらへと向けた。


「武器の使用は自由、そう思っていいですね」

「もちろんだ。手抜きでは鍛錬の意味がない」


 そのうえ、遊びでは感じることも少なくなるだろう。


 リンも腰を落として短刀を構えた。間を置かず、アリスが地面を蹴った。


「オッケイ、命を取らない程度に本気で行きますっ」


 上段に剣を構えて、アリスは突っ込んできた。

 一瞬のうちに間合いに入ると、愚直に剣は振り下ろされた。後退するか、身を躱すか――いや、一太刀目は貰い受ける。


「ぬぅっ」


 短刀で、アリスの一撃を受け止めた。衝撃が骨の髄まで響く。左腕に魔力を固め、手首と腕の筋力を強化する。

 腰を入れ、踏ん張り、膝を曲げ、刀身が鼻先に掠るほど押されながら、しかし拮抗へと持ち込んだ。


「相変わらずの馬鹿力、怪力が貴様の特色か」

「それを止める方も、並ではありませんよ」


 アリスは、面白そうに口元を歪めた。なかなかどうして、それを見ていると釣られて頬が上向いた。


「もうひとつわかったことがある。貴様の刃には迷いがない、討つと決めたら討つ、抜くと決めたら徹底的に抜く、そういう人間の剣だ」

「なぜわかりますか、これくらいでっ」

「手加減という気配でもなかったものでな」


 膝を抜いて、わずかに腕の力を緩める。押し合う刃を滑らせ、アリスの懐へと潜り込んだ。

 右手に生成したクナイで、無防備な首を狙う。


「取った!」

「そうはいきませんのでっ」


 アリスは手首を返し、切腹でもするかのように自らの身体側に剣を振るった。

 リンは攻撃を中断、地面に片手をついて飛び退いた。剣先に触れられた肩口の布が、ビリリと音を立てた。


 アリスは横薙ぎに剣を振った。


「お覚悟!」

「そうはいかんのはこちらもだ」


 短刀を捨て、今度は両手で地面についた。反動を利用して、飛び蹴りを繰り出した。

 勢いをつけて、弾力のありそうなデカい胸を狙った。


「ワオッ、プロレス技っ」

「忍術だ」


 アリスの攻撃は、空を切った。リンの攻撃は、直撃寸前だった。


「ノーっ、うぐぅ……」


 剣を捨てず、アリスは片手一本で飛び蹴りを防御した。騎士であることは誇りか、見た目だけのものではないようだ。


 よろめくアリスから三歩ほど離れたところに、リンは着地した。即座に短刀を拾い直し、追撃に移った。


 一気に間合いを詰める。短刀を低く構える。今度こそ、首を狙う。

 アリスの顔に、初めて焦りの色が浮かんだ。そしてその視線はこちらの足元に向いた――三十センチだけの跳躍でリンは足払いを回避した。


「その手は二度と効かん!」

「読まれてましたかっ、こうなったら――」


 アリスは腕を畳んで、十文字の連撃を繰り出した。しかし、身を捩り、胸へのその攻撃を紙一重で回避する。忍び装束の表面を切り裂かれるが、実害はない。


 最後の一歩を詰め――寸止めなれど――短刀で首を狙った。障害はない、防御も回避もない、間違いなく届く。


「これで決着だ、アリスッ」

「それはどうでしょうか。リンさんの弱点、ワタシは知ってます」


 アリスの顔に、また笑みが浮かんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ