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悪役令嬢?ヒロインの選択肢次第の未来に毎日が不安です……  作者: みつあみ
強制悪役令嬢!?ヒロインの選択次第の未来に毎日が不安です
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27. 悪役令嬢、ダンジョン攻略しました

 今日のお茶会でお母様から仕入れた情報は予想の範囲内のものもあったけど、ショッキングなこともあった。

 う~ん、中世、成人が十五歳、ロリコンが普通に罷り通ってた時代背景ってあったよね。

 皇帝がヤバいのかー、皇太子殿下は普通なんだねー、ただ私の好みじゃ無いってことと、恋に溺れるとまともな判断力が無くなるってことくらいで。いや、帝国の未来を背負って立つ人としては、惚れた女の言い成りになるちょろい男ってどうなの?俺様のくせになんなの?やっぱ病気だってことだね、但し恋の。


 明日はどこかのダンジョン攻略してみたいなぁ!まだ野外活動はムリだと思うんだよね。ダンジョンで魔物を仕留めるのに慣れてから、徐々に依頼内容のハードル上げて行こう。


 「普通は資格取ったギルドでしばらく活動するんだろうけど、おっさんパーティーはともかく、攻略対象者が2名も居るのは危険だなぁ」


 そう、変装するにはまだ制限がある。

 髪を染めるのも1日で落とせる髪染めがあれば良いけど、水で流れる程度では使い物にならない、髪をバッサリと切るわけにはいかない。

 良く手入れされた長い髪は貴族令嬢の矜持(プライド)でありステータスでもある。切った髪でカツラを作る手もあるけど、学園在学中はやめておいた方が良いよね。ドジっ子ヒロイン秘伝の転けに巻き添え食らって取れる未来が見える様で怖い。


 一番の問題はこの皇族特有の瞳の色。今日は完全に隠したけど、フード取ったら怪しさ満点だよね、幅広の布で目元を耳ごと覆ってしまうよりメガネの方が目立たない?コンタクトレンズに変わるものって無いのかな?若しくは目の色を変える魔法、いや、魔法は解かれるリスクがあるからダメ。姿を変える魔法道具にしても、性能次第でどのランクまで有効か不安だし。瞳だけじゃなく耳も隠したいんだよね。

 いっそのこと覆面プロレスラーみたいに覆面で顔全体隠しちゃう?著しく視界が狭くなるし、余計に恥ずかしいかも。でも顔に傷があるから隠してる風に見えるかな?でも夏暑いなぁ。

 どうせなら冒険者ファッションを楽しみたいのでコスプレの範囲内でやりたいなぁ~。


 う~ん、ダンジョン攻略ならギルドに寄って依頼を受ける必要は無い。収穫があった時だけギルドに報告して、魔石分の報酬をもらえばいいから他人との交流が最低限で済みそう。

 試験で行ったナナバ回廊ダンジョンって、3階層までが初心者用って言ってたよね。ダンジョンの情報って事前に調べられたはずだけど、最新情報となるとやっぱり管轄ギルドだよね。ダンジョンの位置情報や大まかな特徴は、大き目の図書館で調べられたはずだけど、それで挑むのは無謀かな?


 「詳しい攻略本が欲しいなぁ、でもなければウィキが欲しい」


 ソロ活動は仲間内トラブルも無く気が楽だけど、知識の共有や欠けている部分を補い合うことも出来ないのが不便というか寂しいところかな。




▽▲▽▲▽



 やはり来ました、ナナバ回廊ダンジョン。

 周囲にはまだ人影無し、バーにはまだ馬が1頭も繋げられていない。


 「今日の試験者はまだ規定講習中かな。 うちの書庫で調べて分かった事は5階層まではフロアボス居ない、20階層まで、Cランク相当でクリア可能って事くらいなんだよね。 最終フロア到達は考えずに、限界感じたら戻ろう。まだEレベルだものね」


 色々疑問は残るものの、人が来る前に入ることにした。どのみちダンジョン内で他のパーティーに出会う確率はほとんど無いそう。不思議だよね。入る瞬間に一種の亜空間魔法が発動する感じがする。とても高度で精密な魔法、ダンジョンは本当に不思議な空間だなぁと思う。

 でもまぁ、今回は1人なので魔法も遠慮なく使わせていただきます。


 「なんだろなー、3階層までエンカウント無しって、散歩に来たみたいだね」


 試験の時は豚蝙蝠の群れを一塊り剣圧で仕留めて終了だったので、他に何がいるか分かってない。

 1階層に1種族しか出ないなんて聞いたことがない、数種類はいるはずなんだけどどうなっているのか。やはりここは索敵でフロア全体を探って視るかな。

 昨日同様、豚蝙蝠らしき群れが3つ、他にも地面に潜っているっぽい反応の魔物が5匹点在してる。


 「こんなもん?」


 試験用に使うくらいだから冒険初心者が1人で対応出来るレベルのフロアだとこのくらいになるのか。次行こう。次。

 足早に進み、6階層まで来た。それまで魔物にエンカウントすること無し。ここからはフロアボスが居るから必ず1匹は倒すことになるハズだ。


 「フロアボスって低確率でアイテムドロップするけど、ここは期待出来るのかなぁ」


 アイテムドロップはフロアボスに限ったことでは無いのだけど、アイテムの価値が野良の魔物とは段違いなのね。それを求めて同じダンジョンを何周もする冒険者もいるくらい貴重なものが手に入ることがある。

 さて、ここは上階層は初心者向けだけど、ダンジョンクラスとしてはCランク。このダンジョンのランクとかクラスっていうのは、単独クリアが基準になっているわけでは無くて、基本的にバランスの取れた4人パーティーで挑む想定で格付けされているから、おひとりさまで何処まで行けるかは想定外なのね。やってみるしか無い。


 すかさず【フロア内索敵】ボスが居る場所まで分かっちゃうって、私の索敵中々の腕前かしら?もっと頑張って個体情報も覗けるようになりたいな。大体の魔力量は察知出来てるんだけど。

 ここからは索敵に引っかかった魔物一掃で魔石ザクザク稼ごうかな?魔石は弱い魔物から得られるものでも、色合いによってはアクセサリーの素材として好まれる。それに魔法付与も普通の宝石より魔石の方が込め易いので、お守りとしても人気だ。パワーストーンみたいな感覚ね。低レベルの付与師の貴重な収入源にもなっている。


 ダッシュして視界に入った魔物一掃、フロアボスを倒す。を繰り返すこと14回、いよいよ最終フロア手前の階段で休憩を取ることにした。なんだか拍子抜けだった。ボスはほとんどが水攻めか氷の槍を降らせて終了した。フロアボス以外でアイテムドロップしたのはビギナーズラックなのか何らかの加護なのか。どんなアイテムなのかはダンジョンを出てからじっくり鑑定することにする。家に有った書物には出現する魔物やドロップアイテムの情報が載ってなかったのね。分かっていれば即使える利点もあるのに。

 精神力温存しないと集中も思考力も低下するから、気になっても今は我慢。


 チョコレートソースたっぷりのチョコバナナクレープをがぶり、で、もう幸せいっぱい。お腹も空いてきたけど先ず甘いもので心身を癒したい。その後早めのランチをゆっくり取って休憩を終える。さあ、最終フロア散策開始。


 先ずは【索敵】。これはこれは……最終フロアはボスしか居ないワンフロア仕様になってた。階段を出る扉の向こうはもうボスフロア。魔物の強さとか何か情報を得られないか、扉に手を当てて。


 「【遠見鏡・ステータス鑑定】」


 扉を隔てているけど、脳内に魔物の姿やステータスの一部が情報として入って来た。キングゴーレム/Lv.30/属性岩……HPと物理防御力が高い。


 「Lv.表示なの?」


 自分のステータス画面を出して見る。やはりステータス全体のLv.表示は無く、身体能力系は数値化、魔法は属性毎にランク表示されているだけだ。これはもっと勉強しなければ。


 「うーん、ここで引き下がるわけには行かないよね!ゴーレムの上位種ってことは、やっぱ魔法攻撃で行くかな」


 扉を開けて中に入ると、待ち構えていたように対峙した。これまでのフロアボスとは段違いの圧を感じる。不思議と恐怖心は湧かなかったけど。

 先手必勝!


 「【雷の豪雨(サンダープルリット)【水散弾(ウォーターショット)【暴風絶対零度ハリケーンアブソリュートテンパーチャー】」


 こんな魔法有りかってくらいめちゃくちゃのイメージで連発した。無数の雷で罅を入れ穴を開け、その隙間に水を入り込ませ瞬間冷凍、そして呆気なくキングゴーレムは粉々になった。再生する前に核なるものを探したが、それはすでに割れていた。あらら、オーバーキルかな?

 スーーッと大量の砂が消えて行き、魔石と腕輪が残った。腕輪の簡易チェックをすると、呪われてはいなそうだった。私が装着する場合は上腕部になるかな?そんな事を考えた。魔石の色が意外と透き通っていて綺麗そうだ、明るいところで見てみよう。





▽▲▽▲▽



 魔石2cm以下が164個、この辺はビーズに加工して道具屋とかに売った方が良さそうかな、クラック入ってても虹が見えるのとかは加工次第でそこそこ良い値付きそう。

 5cm以下12個、これは多分Cクラス相当の魔物だからギルドで売ってしまおう。

 9cm以下6個、低階層のフロアボスでもこの大きさは4個だったけど、2個は野良だったかな。そんなに強いの居たっけ?鑑定して見たら稀に出現する進化した魔物で、レアで買取額も良いし、これまで未確認の個体であれば情報量も付くし、ドロップアイテムも付いてたやつだった。それは遺跡装備(アンティクメント)とか古代装身具(アーティファクト)と言われる、およそ人間の技では作れない貴重なアイテム。最終フロアのボスを倒した時の腕輪もその一種。2つ共呪いの類はついていないみたい。あとは性能で手元に残すか売るかを考えなくちゃ、ギルドでも報告がてら鑑定してもらって売るか決めるけど、自分でも鑑定して精度を上げて行こう。出来て損な事は無いスキルだし。

 15cm1個、これは最終フロアボスの魔石。宝石として鑑別するなら品質はF、最高ね!澄んだ空色はジル様の瞳の色だし、これは売らないことにしよ~っと!何に使おうかな。この大きさなら加工後もかなり魔力を込められるだろうから高い効果を複数付与出来るよね。


 最終フロアボス/金剛の腕輪/ミスリル製で精緻な彫文様、大きな空色の魔石1つ、ブルームーンストーンに似た小さな魔石が上下に一周付けられていて、ギリシャ神話系のコスプレに使えそうな素敵な宝飾品。性能はダンジョンの難易度に対してお得な魔法攻撃反射効果。

 これは凄いんじゃないの?魔法攻撃無効にするだけじゃなくてお返ししちゃうんだよ。対象が攻撃魔法だけなら強化系と回復系は大丈夫なのかな?実験しなくちゃ!ギルドで鑑定したら分かるかな?


 15階層炎兎/紅蓮の涙/黄金のサークレットで草が蔓のように絡まり合う繊細なデザインに、中央には大きめのドロップ型の赤い魔石がはめ込まれている。これもデザイン製が良い。性能は炎魔法中級、炎纏。

 中級って威力が曖昧だけど、炎を纏うって漫画的に身体中から炎の気迫が漲ってる絵面を思い浮かべてしまった。うーん、単純に宝飾品として綺麗だなぁ~


 18階層巨蜘蛛/(キングスパイダー)(あざみ)の手甲/肘の先から手の甲まで覆う防具だけど拳を作った辺りにトゲトゲがあるのは肉弾戦想定ですかね。体術は多少出来るけど近距離戦闘はあまり好まないし、私の殴る威力は身体強化しても大したことないと思う。見た目はまぁヘヴィメタルな感じかな。性能は物理防御2倍。

 うん、これは売りだな。




▽▲▽▲▽

 

 

 鑑定してもらうために冒険者ギルド・ラーン支部に行く。もちろん座標移動(テレポート)には到着地の周囲に人の気配がないことを制限にかけた。ギルド前に飛べたら楽なんだけど人通りあるからね。冒険者ランク上位の人なら驚かれるだけで済みそうだけど、剣士として登録している新人がやって良いことじゃないよね。ここは空気読まねば変に目立ってしまう。


 少し歩いて出入り口のスイングドアを押して入る。午後3時とあって中々の混み具合だった。今日はまだバーカウンター側の席にも酔っ払いは居ない。良かった。

 受付には2組のパーティーが並んでいたので、その後ろに並ぶ。

 後ろのスイングドアが開いて数人入って来たみたい。


 「あれ、また会ったね」


 いやぁ、私は会いたく無かったよ。振り向き「昨日(さくじつ)振りですね、その節はお世話になりました」と言いながらぺこりと頭を下げて挨拶する。

 声をかけて来たのはヘルムルトだ。夏休みなんだからバカンスにでも行ってろ!と心の中で悪態を吐いておく。今日はジル様とは別行動らしい。他にパーティーメンバーらしき4人と連れ立っていたから助っ人で入ったんだろう。


 「知り合い?」


 パーティーメンバーの中で長いブルーのローブを纏ってフードを被った灰色の髪の男性が話した。


 「ああ、昨日試験の付添いしたんだ」

 「新人か、意欲的だな。 魔法使い? 帯剣しているから剣士? ソロ活動なんて珍しいね」


 ヘルムルトが答えた後、別の長い白いローブを被った胸元まで届く茶髪の細っそりした男性が聞いて来た。おいおい、初対面の淑女(レディー)に過度の詮索は失礼ですよ。でもまぁ、だんまりは余計なトラブルの元かなと思って適当に話を合わせておくことにした。


 「あ、そうです、剣士です」

 「へー、小さいのに頑張るね」

 「はぁ、まあ生活があるので」


 いや、そこに居る脳筋と一つしか違いませんがね。パーティー全体が十代後半ってところだから、十二歳じゃ子供扱いされてもしょうがないんだけど。


 「こんにちは、マリナさん」


 と、前のパーティーの用件が済んで順番が回って来た、助かったー!


 「こんにちは、ナンシーさん。ダンジョン行って来たので鑑定、よろしくお願いします」


 冒険者バッグから今日の成果物と、昨日の残りをカウンターに出した。


 「うわー、頑張りましたね!ナナバ回廊ダンジョン踏破ですね。 えーと、……カードに踏破記録付けますね。 この腕輪とサークレットは初めて見ますね、情報の記録取らせて貰いますね。 魔石の中に5個フロア(コア)が入ってますね、フロア核は一定の条件を満たさないと得られないので高く買い取れますよ。」


 買い取って欲しい魔石とアイテムだけカウンターに残して、あとはバッグに仕舞ってから買取査定をお願いした。


 「最終フロアの核売らないんですか?超超レアなので高いんですよ」

 「加工に使えそうなので」

 「ああ、それも良いですね、何にでも合いますよ」


 核とレア出現の魔石とドロップ品の手甲も意外と高かったらしく、情報提供料も込みで金貨47枚小金貨4枚銀貨6枚になった。Cランクダンジョン踏破でこの金額はスゴイんじゃないかな?後ろから「ソロで?」「普通の新人じゃねぇよ」とかなんとか聞こえたけど気にしなーい!

 ナンシーさんにお礼を言った後、一応去り際にヘルムルトにも挨拶して、さっさとその場を去った。ひょっとしたらジル様も助っ人してるのかなぁとちらっと思ったけど欲をかいてはいけない。

 ここに長居は禁物だ!

稀に出現する進化した魔物は色違いポ○モンみたいな出現率ですかね。

強さは通常出現するレベル帯の倍以上ってことでランダム設定です。運が悪いと逃げないといかんくらいのが出て来ます。今回の買取額的に割とヤバいのが混ざっていたんでしょうね。

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