第320話 王都からの通知
正式な文書は。
時に、噂よりも、重い。
――なぜなら。
そこには、後戻りのできない、意志が、記されているからだ。
数日後。
王都から、正式な、通知が、届いた。
バルドが、封蝋を、慎重に、開く。
評議会全員が、その手元を、見つめていた。
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「弾劾請求」
バルドが、読み上げる。
「正式に、受理された、とのことです」
「審議は」
「今後、王都にて、行われます」
「フォルテス卿には」
「弁明の、機会が、与えられる」
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ドガンが、腕を、組んだ。
「受理は、されたが」
「まだ、決定ではない」
「弁明の、機会がある、ということは」
「王都側も」
「即断は、していない、ということだ」
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バルドが、続けて、通知書に、目を通す。
「審議の、日程は」
「まだ、確定していません」
「ですが」
「早ければ、雷鳴月には」
「結果が、出る見込みです」
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ミルヴァが、口を、開いた。
「ハイム子爵の、動向は」
「まだ、何も」
バルドが、首を、横に振った。
「今のところ」
「表立った、動きは、ありません」
「ですが」
バルドは、少し、間を置いた。
「弾劾の、審議に」
「ハイム子爵も」
「名を、連ねています」
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評議会が、静かになった。
ドガンが、鼻を、鳴らす。
「あの人が」
「審議側に、いるのか」
「これは」
「悪い話とは、限らない」
ミルヴァも、頷いた。
「あの人は」
「少なくとも」
「感情で、動く人間じゃない」
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ヒコは、しばらく、考えていた。
「ハイム子爵が」
「審議に、加わるということは」
「公平な、判断が」
「期待できる、ということでしょうか」
「そう、願いたいところだ」
ドガンが、答えた。
「だが」
「あの人が、何を、考えているかは」
「誰にも、分からん」
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バルドが、資料を、まとめながら、言った。
「弁明の、準備を」
「進めましょう」
「産業省への、届け出の、記録」
「南方調査の、目的と、経緯」
「一つ一つ、整理して」
「示す必要が、あります」
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ヒコは、静かに、頷いた。
「ドガンさん」
「証拠の、整理を」
「お願いできますか」
「任せろ」
ドガンは、短く、答えた。
「事実は」
「積み重ねれば」
「揺るがない」
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会議の後。
ヒコは、執務室で、一人、窓の外を、見ていた。
王都の方角に、目を、向ける。
《可視化》で確認した、あの、太い流れ。
その中に、ハイム子爵という、名前が、含まれていることの、意味を。
ヒコは、静かに、考えていた。
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正式な文書には。
後戻りのできない、意志が、記されている。
だが。
その意志が、誰のものなのか。
まだ、全ては、見えていなかった。
第320話 王都からの通知 了
【次回予告】若樹月の収支。
静けさの底で、いくつもの流れが、次の動きを、待っている。
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【領地収支・第320話時点】
・所持金:金貨3955枚(変動なし)
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【発展進捗・第320話時点】
・防衛:122%(変動なし)
・食料:101%(変動なし)
・水 :100%(変動なし)
・住居:90%(変動なし)
・インフラ:105%(変動なし)




