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エルシナスヴァリア〜最強の頂へ〜  作者: 一木
第一章 約束は終わることなく
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第十二話 答え


「オラッ!!」


飛び上がりからの、振り下ろす一撃。



【甘い…】



オレの攻撃に合わせて、またも残像を置いていった。


だからオレはあえて死角に剣を払う。

目で見えない部分に、勘で剣をぶっ刺すんだ。



【’’だから’’甘いのだ…】



死角とは言っても、その範囲は無数だ。


後ろを見れば、元々向いていた方向が死角になる。

何もおかしくない。


これを利用して、こいつは’’死角’’から攻撃してくる。


めんどくさいから、途中からオレは思考を変えた。

避けようとするだけ無駄なんだって。


あえて攻撃を食らう。


どこの部位に打撃が来るかは知らねぇ。

あとは勘だ。直感だ。


何で打撃だと分かるのか、だって?

それはな…


悔しいけど、こいつが舐めプしてるからだ。


さあ来いや!!



【ふん…】



「グッ…ハッ…!!」


視界が回る「オラッ!!」


振り下ろす一撃!!



【甘い…】



オレの攻撃に合わせて、またも残像を置いていった。


オレはあえて死角に剣を払う。



【だから甘いのだ…】



死角とは言っても、幾つもの選択肢がある。


後ろに剣を振るえば、元々向いていた方向が死角になる。

何もおかしくない。


だってこいつもそこから攻撃してきた。


オレは思考を変えた。

避けようとするだけ無駄なんだって。


あえて攻撃を食らう。


どこの部位に打撃が来るかは知らねぇ。

あとは勘だ。


何で打撃だと分かるのか、だって?

それはな…


悔しいけど、こいつが舐めプしてるからだ。


さあ来いや!!



【ふん…】



「グッ…ハッ…!!」


視界が回る……

一発撃たれるだけで死にかける……


策略とか知ったこっちゃねぇよこんなん…!!

全て無に帰すような、無慈悲すぎる一撃だ…


こいつが全て当然の様に思考を理解してるのもムカつくし、

何よりこの死にかける度にかけてくる回復魔法がウザいんだよ!



【来てみるがいい…もう一度だ…】



「あんま舐めんなよ!!」


死にかける度に、回復する。

それはつまり、最短で成長するってことだ!


オレは今この瞬間にも、おまえの首に刃伸ばしてんだよ!!


風を使え!

自分に向けて放て!

自爆だけはするな!


推進力を得るんだ!

無理な体制から、風で押し上げてあり得ない軌道を描け!


この空間は、意外と広い。

その分柱も一本一本デカいから、隠れるも足場にするもお手のもんよ!!


とにかく意表を突け!

こんな野郎正攻法で倒せるわけないからな!!



【実戦経験自体は…少ないと見た…次の策を見せてみろ…】



「ぐっ…ぁあ!!」


余裕ぶっこきやがってよ!

クソ痛えんだぞこっちは!


全身が泣いてんだよ!

治るのは傷だけ、

痛みは余韻が残ってる!


痛え!!


「まだまだ行くぞオラッ!!」


蹴りだせ!!

一歩でも近づいて、一発入れて、終わりだ!!



【根性だけは認めてやろう…だがそれだけだ…】



「グハッ!!」



この白く美しい空間が、

オレの血で赤に染まっていく。



「ぐああぁ!!!」



痛え…気持ち悪い…

死ぬ…いや、もう何回か死んでるか…?



「ああああ!!」



何回目だ…?

どうしてこんな目に…

オレらは…ただ秘宝を求めていただけだ…



「ああ…はは…」



秘宝…もうどうでもいい。

早く解放してくれ。



「はは…ハハハッ!!」



早く…この高揚から…


 


この幸福から!オレを解放してくれ!




最っ高だ!!!

強くなっている!!

確実に余裕が生まれている!


あり得ねぇ!

こんな修行法があったのか!!


見ろ、この血溜まりを!!


この血の数だけ、

オレが強くなったってことだぜ!?


こいつの回復もイカれてんなぁ!!

デメリットなしの全回復!見たことねえよそんなの!!



【…常識から隔絶した狂気……なるほど…】



「何言ってっか知らねぇけど、とっとと次打ってみろや!!」



【…ただの蛮勇は…身を滅ぼすぞ…いや…今は高揚による錯乱か…それともそれが其方の…】



避け──うおっ!!


……マジか、自分の血でスリップした……

そうだな、周りもしっかり見ねーと……


こいつは基本その場から動かない。

台座の前からな。


だから全部試せるんだ。

柱を崩してぶつけてみたり。

これはまあ意味ねぇ。


あえて台座を狙ってみたり。

これはビンゴだった。

結構必死に守ってたぜ?


なんとかその場から動かそうとしてるけど、不動だ。


まあ向こうから来ないから、

一旦距離とって整理できる。ありがたい。



そう、マジでありがたい!!!



こいつは、何でも受けてくれる!

オレの成長を!

努力を!思考を!


誤解してたよ。

英雄改めて…


最高の師匠がよぉ!!!



【…もはや気味が悪くも感じるな…そこが似ているところではあるが……】



喋りながら!背後に回るな!!

そんで背中に打撃食らうのがオチだ!!!



「痛えなぁ、おまえの打撃!どうすりゃそんな威力になんだよ!!」



ただなぁ…

一つムカついてんだわ。


こいつまだ大剣を使ってねぇんだよ。

まだ舐めプしてやがる。


アリが一匹成長したとこで、

象からしたらなんの脅威にもならない。


だったら成ればいい。

それすら脅かす、捕食者に。

食物連鎖の頂点に、届きうる存在に!!



【……いいだろう…最終段階だ…】



…ッ!


やっとか…

大剣を構えやがった。


一旦距離を置こう。

いかんせん挙動が不明すぎる。


死ぬのは構わないが、無駄死にだけはごめんなんだ。



【ではそろそろ…こちらから行くぞ…】



きた!

構え───



瞬間、響く轟音。



飛ぶ。

弾ける。

千切れる。

弄ばれる。

転がされる。




「……ぁ…?」



ない。

腹から下が、ない。


視界が真っ赤だ。

あんなところに足がある。


あれ?離れてたよな?

瞬きしたら、既に体に剣が入ってた。


オレってこんな体してたっけ。

体動かねぇな。


…あれ、立てない。

足…ない。


足がない。

今のオレって…真っ二つか。


………は?

真っ 二  つ  …



【死ぬことは…許されない…】



「カハッ……!!」


今…本当に、死にかけた…!

いや、実際は、死んでいたのか…?


…あれが…死……?

痛い、痛い、痛い痛い…!!


クソ痛いッ!!


あんだけの激痛を…

あんだけの恐怖を食らって…


死ぬことを許されない…?


ははは…何だよ…

これから…こいつに斬られる度に…


痛みが支配して、

足を奪われて、

空気を真っ赤に染め上げて、

そして、蘇る。


……。



「……っははははははは!!!」



【まだ…変わらないようだ…】



だってこんなに面白いじゃねぇか。


これは…

てめぇに一発当てるまで、


終わらねぇーんだろ!?



【このままでは埒が明かん…条件を変えるとしよう…】



「変えるだって?」



【我の次の攻撃を耐えてみよ…さすれば…合格だ…】



「……。」


逃げてんのか…?


おまえは…

この手でぶん殴るまで気が済まねぇんだが?


オレのこの怒りをどうしろって?


…仕方ねぇ。

殴れそうもねぇんだから。


どうせ反論しても、拳でねじ伏せられるしな。



この思考を得て、一言だけ。


「しょっぼい攻撃はすんなよ?全力でこいよ。」



【……余程死にたいらしい…ならば…次は回復をかけん…生きてみせろ…】



…なるほど。

これを防げなければ、

本当の死。


夢も、

家族も、

道のりも、


全てさよならだ。


だからこそ…



だからこそ、楽しいんじゃねぇか!!!


この瞬間を耐えたオレは、

前よりもっと強くなれる!


それが最高に嬉しいんだよ!


本気の一撃が、来る!!!


「来いやこの野郎!!」



()の作る運命に抗いし…我らの光よ…己が力…今こそ示して見せよ…!】



空気が、凝縮されて、集まっている……!!


ただの、ふりおろしの構えのはずだ。

なのに、この隙のなさは異常だ!


大地が、揺れている…

世界中のすべてのエネルギーが、こいつだけに集約している……!!


錆びていて黒かった剣身は、いつの間にか黄金に輝いている。



【心配するな……其方の後ろの同行者には当たらん……】



入り口では、気絶している二人。

その気になれば、オレだっていつでも落とされていた。

何故か、残されている。



だけど今は、そんなこと気にしていられない。

あいつの構えを見ると、いやというほど湧いてくる。

この…なんだ……なんて言えばいいんだ……


全知全能とも形容できるような……

得体のしれない、畏怖は……!!



【今こそ……決着の時……!!】



直線に、あの大剣が振り下ろされた。




"神廻天破斬(エスペランザ)"




……は?

なんだよそれ……次元ごと切り裂いてないか…!?

いや何ぼーっとしてんだ!!迫ってきている!時間がない!


"1.0秒"


防御!?障壁!?

ダメだ、砕かれる!


反撃?どうやって?

打ち消す!?

出来るわけねぇだろ!


"0.6秒"


いや、防ぐことがそもそも無謀だ!

身の程知らずだ!


見てみろ!

斬撃が通った場所を!!

天井から地下深くまで、真っ二つに二分してんだよ!!!


"0.3秒"


さっきを思い出せ!!

あいつの腕を弾いた時の、あのよく分からん力!

オレは、どんなことを思っていた!?


"0.1秒"


行き場のねぇこいつへの怒り!

強くなれる自分への喜び!

そうか、分かったぞ。

強烈な意志の力だ…!!


"0.───"


そうだ…

当たった上で、耐えればいいんだ!

だってこいつは、生き抜けと言った!!


これが、オレの答えだ!


合ってるか?



……名も無き英雄。



"0"
















全てが終わった。

ただ白金の残滓が、空気すらも消え去った虚無に浮かんでいた。



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