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52歳オッサン異世界転移はしないが、肺と膵臓に転移が見つかる。 腎臓癌患者の癌サバイバー日記  作者: タダ ユキ


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昔働いていた会社04(広告代理店編)

運転手を辞めた。

まずは転職活動じゃ!


腰も治ったし、

そろそろ働かなくては!


俺は求人誌を読み漁りながら焦る事なく親の脛かじりをしていました。


とりあえず問い合わせたのは、

霊柩車を作っている会社。

理由は面白そうだから。


で、ここはどうもお付き合いで求人を掲載している会社らしく、

情報誌が出た当日にも関わらず、

既に採用が決まったと。


しつこい俺は毎週計3回電話しましたが、

3回とも決まったと言われ断念しました。


あとは印刷会社に応募したり、

車の板金工場に応募したりしましたが、

上手くマッチしないと言うか、

俺の感性に合わなかったと言うか…

当時本気でそんな風に考えていた恐ろしい思考の若者だったのが、

おじさんになってみると恥ずかしいです。


そんな事を2か月くらい繰り返していたでしょうかね?

ある日いつもの求人誌に、広告代理店で写真のスキャニングや加工の仕事を募集していまして、これだ!と。


せっかく親がデザイン学校に行かせてくれたのだから、

ちょっと親孝行的な?くらいの軽い気持ちで応募したのを覚えています。


久しぶりにスーツを引っ張り出して、

面接にオープンカーのカルマンギアで…

坊主で薄い色のいかついサングラスにピアスがジャラジャラ付いている男が採用されるかは…マジで運次第。


※一応ピアスは外して行きました。サングラスは度付きだったのでそのままでしたが。


当時の写真を見ると、

お前正気か?と思います。


面接担当者の男性に、

迷う事なく全て正直に話し、答え、

まあ無理だろうと考えていましたが、

まさかの採用!


取引先からはやべー奴が入って来たと言われましたが、

意外と接客がまともだったのがギャップで好印象だったと言われました。

コピーセンターでの接客が活きてます。

面接担当者(黙っていたそうで、のちに社長と判明)曰く、

なんか受け答えが正直で良かった。

他の人は写真関係担当の面接なのに、

デザイナーになりたい人ばかりて嫌だった。

そんな事を言われました。


ついでに社長は以前ワーゲンのタイプ3に乗っていたので、カルマンオーナーってのは好印象だったそうです。


社員は同年代が多く、

気も合い、週末は皆でカラオケやビリヤード、飲みに行ったりもしました。

午前様や完徹も当時は当たり前でしたが、

会社の上に住んでいたので問題ありませんでした。

結婚してからも子どもが産まれて近所に引っ越して、

子どもをお風呂に入れて、

寝かしつけてから会社に戻って仕事をしていました。


親父が亡くなったのを機に、

母親と同居する為に地元に家を建てたのもこの時期です。


人生の節目節目をこの会社で経験しました。


社長は柔軟な感性の持ち主だったので、

俺がヘラクレスオオカブトを養殖して売り捌きましょう!と提案したら、

プレハブや設備を導入してくれたりしました。

これは残念ながら震災時の計画停電でエアコンが使えずに全滅しましたが。


結局、社会人になってこの会社のキャリアが1番長いです。


県内ではそれなりに老舗でしたので、

地方の会社とは言え大手印刷会社さんや、

ミニコミ誌やタウン誌の制作仕事などを多く抱えていました。


自身で言えば猛烈に努力をしたので、写真の加工やスキャニングでは県内で指折りの実力だったと自負していましたし、

製版やデザインもやりましたし、フィルム製版機や色校機など機械のメンテもしました。

あとラベル関係のデザインは大量にやりました。

製版まで出来るのはかなり強みでした。

デザインだけじゃだめで、

印刷する時のドブや飛ばし、塗り出し(重要ではないのでニュアンスで受け止めてね)なども理解していないと出来ない仕事でした。

あと自社発行の情報紙の責任者も務めました。


結局は何となくデザイン寄りの仕事が増え、

最終的には写真の加工が出来るDTPオペ寄りのディレクションも何となく出来る人として勤め上げました。


そう…勤め上げたのです。


社長が体調不良を理由に会社を畳むと言いまして、

紆余曲折あり消滅しました。


その後社長は亡くなりました。


消滅した会社は全く同じ名前の会社が、違う経営者で立ち上がり、

数人はそちらに吸収され、

結局は数年後そちらも倒産する事になります。


今までの人生でこれほど天職だと感じたものはありません。

叶うならばまた写真加工やスキャニングの仕事に就いてみたいですが、

今や人間はいらないでしょうね。


今でもこの時の仲間数人とは交流があります。

自分以外は未だにクリエイティブな仕事をしておりまして羨ましい限りです。

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