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異世界転移した僕と彼のスキルは「貯金箱」と「犬」だったので即追放。でもこれが意外と強かった  作者: ミカン♬


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6 10日目 青のダンジョンへ

 異世界に来て10日。


 黒のPTカードには毎日5千ガルをチャージしている。

 現在39089ガル。


 冒険者Lv13。PTランクは【E】になっていた。

 低ランクダンジョンをあっさり二回攻略し、それ以外は歩いたり、買い物したり。

 かなり充実した生活だ。


 ブブたん貯金は20万以上。


 宿屋の居心地も悪くないけど。

 風呂が不満だ。

 ぬるいシャワーに石鹸は固形だけ、シャンプーもない。

 元の世界の風呂が恋しい。


 街で、初日に会った水売りの少年と再会した。


「水ください」

「冒険者には売らない」


「え?」

「水魔法のスクロール、買えよ」


 ゲームなどで名前は知っていたけど。

「スクロール、売ってるの?」


「そこ」


 少年が指差した先には、古くて大きな店があった。


 中に入ると、棚いっぱいに魔法のスクロールが並んでいる。


【初級水魔法】

 300ガル。

 使用回数300回。


 僕は二つ購入し、一つをエイジに渡す。

 支払いはギルドカードで一括払いだ。


 それから。


「消毒用の魔法って、ありますか?」

「それなら、クリーンだな。200回使えて、500ガルだ」


 二つ買った。

 ものすごく嬉しかった。僕は不潔なのは我慢できない。


 Lv13になって、僕のスキルに【健脚】が発現。長距離も軽々とこなせるってこと。


 そしてエイジは――

 相変わらず子犬のまま、スキルもナシ。


「唯斗! もっとレベル上げよう! 俺をシェパードにしてくれ!」


「うん」


 強くなる必要ないんだけど、エイジが望むなら協力しよう。


「次は中級ダンジョンに挑戦してみよう? な、唯斗」


「行けるところまで行って危なかったら引き返す。なら、いいよ?」


「ああ、それでいい」


 じゃあ、

 帰還スクロールも買っておこう。

 1回使用で1000ガル。


 装備も見直して、中古の鋼の胸当てを購入。

 回復薬も少し。


 身の回り品を買い揃えて、結構お金を使ったけど、ブブたん貯金はまだ20万ほど入ってる。



 ◇



 僕たちは相談して【青のダンジョン】へ向かうことにした。


 王都から東に2キロ。毎回往復4キロだ。


 近いけど不人気。

 なぜならドロップ率が異様に低い。でも経験値は多め。


 1階層には、オークウォリアーが多数出現。

 銀製の武器や防具が、奇跡的な確率でドロップする。


 通常ドロップ【肉の塊】さえ、ほぼ出ない。

 納得の不人気理由。


 申請すると、ジニーさんは反対した。


「無謀です!」

「分かってます。自己責任で挑戦します」


「その場合、救助要請はできませんよ?」

「大丈夫です。帰還スクロールも準備しました」


 ジニーさんは、【青のダンジョン】の地図をくれた。


 光線を1900発撃てる。


 準備は整えた。


 それでも相手はレベル30以上。

 無謀な挑戦には違いない。



 ◇



 青のダンジョンにやって来た。

 

「行くか」

「うん、行こう」


 僕たちは緊張しつつ、青く輝く入口へ足を踏み入れた。


 ひんやりした中は採石場みたいな感じ。


 大剣を振り上げて襲い掛かって来るオークウォリアーは、とにかく防御力が高い。


 それをブブたんは、光線2発で倒してくれる。

 急所を正確に自動攻撃してくれるのだ。


 なんて素敵な相棒!


 奇襲攻撃はエイジが警戒。


「ブブたんが強いからって、気を抜くなよ」

「うん!」


 レベルも順調に上がっていく。

 僕の強さはブブたんにつながっているんだ。

 ブブたん光線が1発で、オークウォリアーを倒せるようになった。


「おっ、【肉の塊】が出た!」

 エイジが嬉しそうに拾い上げる。


 大きな肉からは血がぽたぽた垂れていて、とても鞄に入れられる代物じゃない。

 おまけに、大きい! 直ぐにカバンがいっぱいになりそう。


「捨てていこうよ」

「もったいない!」


「いや、ばっちいから! いらない!」

「クリーンすればいいじゃん」


 不満そうなエイジ。

 なんで肉に執着するんだよ? ワンコだから?


「おい、ブブたん。肉を預かってくれ」

 エイジは冗談で、ブブたんの頭の上に肉をかざした。


 すると――


 ポタリ…

 血が一滴、ブブたんの頭に落ちた。


「あ──っ!」


 だが次の瞬間──


 パッ!


 肉が消えた。


「え? まさか食べたの?」


 ブブブ……とブブたんは弱く振動している。


「なに? ……お腹が痛いとか?」


 慌ててブブたんを調べるけど変化はない。


「まさか、換金したとか?」


 ブッ! ブブブブブ──!


 エイジの言葉に強い反応だ。


「そうみたい」


「まだまだブブたんは謎だらけだな」


 まさかエイジの悪ふざけで【換金】なんて便利な新機能が判明するとは。


「凄いよ、ブブたん!」


 ブブたんの顔は、得意そうだった。



 ◇


 その後も順調に進み、あっという間に一階層の最深部まで到達していた。


 倒したモンスターは50匹近い。

 だけどドロップしたのは【肉の塊】が6回だけ。


「折り返すか。二階層はゴブリンシャーマンが出る。魔法使い相手は危険だ」 

 周囲を警戒しながらエイジが言った。


「そうしよう」


 無理は禁物だ。

 僕たちは来た道を引き返した。


 そして――。


 出口目前で、やっと装備をドロップした。


【銀の髪飾り】体力5%アップ。


「……女性用かよ」


「うん」


 残念。



読んでいただいて、ありがとうございました。

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