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異世界転移した僕と彼のスキルは「貯金箱」と「犬」だったので即追放。でもこれが意外と強かった  作者: ミカン♬


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21  黄金熊レイド

 

 小規模安全地帯に入ると、冒険者の姿は一人もなかった。


 商人たちが駆け寄ってくる。


「お疲れ様です。私どもは何でも買い取り致します」

「いえ、何もありませんから」


「ただ、走り抜けて来たのですか?」

「そんなとこです」


 商人は肩をすくめると、あっさり離れて行く。


 手に入れた魔石は全部エイジへ。

 雷鳥は小魔石Ⓛ。鋼鉄熊は中魔石ⓢだ。どちらも黄色く輝いていて綺麗だった。


 エイジのクールタイムが終わるまで休憩する。

 クーも荷物を下ろして座り込んだので、水を渡した。


「大丈夫?」

「平気です。皆さん強いので驚きました」


「弱そうなパーティーに見えた?」

「正直……そうです。エリア内をゆっくり進めると思っていました」


 まあ、ずっと走りっぱなしだったもんね。

 エイジの【察知】とブブたんの先制攻撃があれば、立ち止まって警戒する必要はない。


「最後まで付いてこられる?」


「大丈夫です!」

 クーはそう言い切ると、水をゴクゴク飲み干した。


 残高を調べるとまだ700万以上あって、ラスには後で40万ガル渡すことにする。


 30分ほど休んでいると、別の冒険者パーティーが駆け込んできた。全員が傷だらけだ。


「レア種が徘徊しているぞ。あんた達はいかないのか?」


 リーダーらしい男が声を掛けてきた。


 森林ダンジョンはボス部屋が無い。

 その代わりにエリア内で同じモンスターを一定数倒すと、レア種が出現する仕組みになっている。


 第一エリアでは今、そのレア種を大勢で討伐するレイドバトルが始まっているのだ。


「金色に輝く強大な熊だ。俺達じゃ、邪魔になるだけだった」


 すると近くの商人が目を輝かせた。


「黄金熊の肝は高値で買い取りますよ?」


「ユイト、行こう!」


 ラスが僕の腕を引っ張る。


「うん。行ってみようか」


 クーを安全地帯に残し、教えてもらった方向へ向かった。


 逃げ帰ってくる冒険者たちとすれ違う。


「攻撃を反射するんだ。戻れ! あれは倒せない」


 男が叫んだ直後、さらに奥から悲鳴が響いた。


「無理だ、撤退!」

「逃げろ!」

「どけっ!」


 ……かなり危険そうだ。足が竦む。


「唯斗、怯むな。倒して一気にレベルアップだ!」


 本当にエイジは、どんな時でも前向きだ。

 逃げてくる冒険者たちを横目に、僕たちは前へ進む。



 まだ十数人の冒険者達が黄金熊に挑み続けていた。


 黄金熊は立ち上がると身長9メートルほど。

 その腹の周囲を金色の盾が数個クルクルと回転して、攻撃をことごとく跳ね返している。


 迫る者には鋭い爪で襲いかかり、足元には数人の冒険者が倒れ、生死も分からない。


「グワァアアアア──!」


 黄金熊が咆哮を上げた瞬間、全身が青白く輝いた。


「雷撃来るぞ!」


 誰かの叫びと同時に、冒険者たちは一斉に後方へと走った。



 ──僕は【速歩】を唱えた。


 黄金熊の全身は、青白い放電がゆっくりと続いている。危険なのに、思わず見惚れるほど綺麗だった。


 距離を取ってブブたん光線を連射。

 同時にエイジがワンコへ変身し、ラスと一緒に水魔法を撃ち込む。


 黄金熊を守る盾は、僕たちのスピードに追い付けない。

 ブブたん光線だけでも30発は命中した。

 それでも黄金熊は倒れない。


(5秒で倒せるのか?)


 不安もよぎる。


 やがて黄金熊が巨大な雷撃を前方へ放った。

 だけど、僕たちは十分に距離を取っていたため、空振りだ。


 その隙を逃さず、ロイがハルバードで両足を斬り裂く。


 さらにブブたん光線を連続で撃ち込むと──

 黄金熊はゆっくりと仰向けに倒れた。


「倒した?」


 巨体は霧となって消えていく。

 残されたのは、黄金熊の肝、レア魔石ⓢ、黄金の盾。


 冒険者たちは後方で背を向けたままだ。

 誰も僕たちが倒したことには気づかない。


 レイドバトルのドロップ品は、基本的に最もダメージを与えた者のもの。

 僕たちは素早く回収すると、その場を離れた。



 さっそく黄金の盾を鑑定する。

 攻撃を反射するなら大当たりなんだけど……。


【黄金の盾】(純金製。装飾品として人気がある)


「……なんだよ~」ガッカリだ。

 でも、ブブたんの換金で300万ガルも増えた!


 さらに僕とエイジはLv56へ。

 ラスは66、ロイも70に上がっていた。


 ロイは【状態異常無効】が発現した。


 レア魔石ⓢはエイジが吸収する。


「レアの肝はギルドからオークションに出す方が良いでしょう。これは医療に使えますから」


「じゃあ、そうしよう」


 ラスが肝を凍らせ、ロイが保管する。


 後は、エイジの変身が解けるまで鋼鉄熊を狩り続け、それからクーが待つ安全地帯へ戻った。


 そこは多くの冒険者でごった返していた。

 ケガで横たわる者、休息で食事を摂る者──みんな疲れた表情だ。


「皆さん無事で良かった!」

 クーが泣きそうな顔で駆け寄ってきた。


「うん。行ったら、黄金熊が消えたんだ」

 そう答えると、周りの冒険者たちは一斉に肩を落とす。


「やはり消えてしまったのか……残念だ」


「また出るのを待つしかないな」


 そんな声があちこちから聞こえてきた。


 レアモンスターは倒せない場合、半日ほどで自然に消えるらしい。


 倒せて、本当に良かった。 


 残高は850万ガル以上。




 ###21 備考


 ◇43日目 安全地帯到着。残高7482905ガル ランク【C】Lv51 G@2千万ガル

 ラス64 ロイ68  1477800●ラス合計



 ◎黄金熊討伐


 ブブたん光線30発+10発=40x500ガル=ー20000ガル▼


 黄金熊の肝、レア魔石ⓢ、黄金の盾。


 黄金の盾+300万ガル▲         750000*ラス分


 レア肝(保留)/レア魔石ⓢ150万ガル△    375000*



 ★エイジの変身が解けるまで鋼鉄熊を狩り続ける(1時間)


(1時間で小規模安全地帯に着く)

 1分☆120歩 60分x120歩x4人x2倍=+57600ガル▲ 14400*


 ◎鋼鉄熊 1時間狩り。(3~5匹出現)

 6分に約5匹で計算(60分÷6=10 10x5=50)


 クマ★50匹撃破


(ブブ光線25匹③発 エイジ25匹)25匹x1500ガル=-37500ガル▼


 クマの肝=1個が1万ガル

 50匹x70%x10000x2=+70万ガル▲       175000* 


 鋼鉄熊は中魔石ⓢ 10000x50匹=50万ガル△    125000*


 ☆★レイド~安全地帯帰還


 ー20000+3000000+57600ー375000+700000=3362600

 ラス分1439400※

 336260-1439400=1103140(増額)


                      1439400(ラス合計)●


 ◇残高7482905+1103140=【8586045】



 ◇43日目 黄金熊討伐後。残高8586045ガル ランク【C】Lv56 


 PTカード2千万ガル ラス66 ロイ70


 ※1439400+1477800=2917200ラス合計●



読んでいただいて、ありがとうございました。

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