出発
ガタゴトン、ガタゴト……
俺達は今馬車に乗って、まずは辺境伯が治めている都に行っている最中だ。
……どうして馬車なのか?俺は歩くつもりだったよ、旅だもの。
でもね、ヘリスに言われて気づいた。
―徒歩だと王都まで2週間近くかかる事を。
ヘリスが居なけりゃヤバかった……。
なので、俺達は町から出てる、(と言っても小さなものだが)丁度帰りで辺境伯の治めている街に行く商人が居たので護衛という形で乗せてもらった。
普通6歳児に護衛は任せないが、幼竜討伐の祝宴に参加していたらしく、俺の事を知っていたので向こうも願ったり叶ったりという事だったらしい。
「あ、ヘリス、あそこの木の下に魔物がいる」
「あ、本当ですね…………当たりました」
俺が【神眼(千里眼)】を使って魔物を探し、ヘリスが弓で狙撃する。
因みに俺の【神眼(千里眼)】は幼竜を倒してレベルアップしたので取得した。因みに今のレベルは17で、多分15の時にでも取得したのだろう。
そしてヘリスのスキル。【弓術:6】を持っているらしく、普通の人でも点にしか見えない魔物を俺が倉庫から貰ってきた、ただの弓で仕留めてしまう。6でこれか……。多分10になったらレアスキルに進化するのだろうけどレアスキルの10を持ったらどうなるんだ?
話がそれた。
この弓術は6にもなると自分でもわかる位補正があるらしく、ヘリスによるとターゲットを視認すると自動でピントを合わせてくれるらしい。
俺の刀術にもそんな補正がいつか掛かるのだろうか?
因みにミューナは途中で景色に飽きたのか俺の膝の上で寝ている。昼飯の時には起こしたので美味しそうに食べていたが、また俺の膝の上で寝始めた。
そして馬車に揺られること8時間。
もうシュリキア辺境伯の街の。確かこの街はトルトスといったかな?
凄いな、一日でトルトスの門まで来てしまった。徒歩だったら3日近くかかるらしい。まあ、俺の身体は6歳児だからな……もっとかかっていたかもしれない。
街に入るために門の前には行列が出来ており、入れるのはまだまだ先かと思う。
……て言うか俺達注目集めすぎだな。
まあ、ヘリスと、ヘリスの弟に見える?俺、それにミューナだからなぁ……。
そうだ、フード付のローブがあったんだ。これも母さんがくれた。頭が上がらないな……。
「ヘリス、ミューナ、これ被っとけ」
俺はそう言ってヘリスとミューナにローブを渡す。ローブは全部茶色だ。まあ、店で売っているやつだからな。
「ありがとうございます。これである程度は視線を向けられずにすみそうですね。」
「似合う~?」
やっぱりヘリスも気づいていたようだミューナは無邪気に俺の前でくるっと回る。
「おう、可愛いな。今度時間があったらもっといいやつ買ってやるよ。」
「にゃーっ!」
ミューナは誉められて嬉しいのか俺に抱きついてくる。
実際にミューナはローブが似合っていて、目がもうちょっとキリッとしたら若き天才魔術師と言われても信じてしまいそうだ。
……後、ミューナは嬉しくなると猫みたいに鳴くのは何故だ?……可愛いから許す。
「あ、もうすぐ着きますよ‼」
どうやらもうすぐ門に着くようだ。俺も見てみたい。
「どれどれ……ほんとだ。とりあえず街に着いたら宿をとってから少し町を散策するか。」
因みにこの街にもギルドはあるが冒険者登録はしない。
何故か母さんに王都で父さんに会ってからにしろと言われたからだ。
「……確認しました。ようこそ、トルトスへ!」
どうやら街に入ったようだ。
早く街を見てみたい。
そう思って馬車から街を見て……絶句した。
そこには、獣人、人間等の種族が普通に街を歩いているのだ!!
つい、俺は「ファンタジィィィイ!」と叫びそうになったのを、慌てて堪える。
よし、冷静に行こう。
「とりあえず宿をとるか!!」
俺達は商人と別れてから宿を探す。
「二人とも、どんな宿が良いかな?」
「治安の良い所に建っている事でしょうか?」
「ご飯の美味しい所!!」
うぅむ……二人とも良いことを言ってくれる。ミューナはあまり何も考えずに言ったんだろうが飯の美味しさは大事だ。でも、これは食べるまでわからないから置いておこう。
ヘリスが言ってくれたのは最もな話だ。俺達にはある程度の武力は備わっているがスリや盗みに対しては殆ど無力だろう。
そんなわけで俺達は治安の良い宿を探す。
結構治安の良いところは多く、シュリキア辺境伯が良い領主だという事がわかる。
そして、俺達は頃合いな宿を見つけてそこの3人部屋をとる。
「よし、それじゃあ街の中を散策しようか!!」
「「おー!」」
因みにこの世界の貨幣と価値は
鉄貨:1
半銅貨:10
銅貨:50
銅板:100
銀貨:1000
銀板:1万
金貨:10万
金板:100万
白金貨:1億
白金板:10億
らしく、リグという単位らしい。
白金貨や白金板何かがあるのはそれだけ高いものを買う人や、金を稼ぐ人がいるのだろう。
俺達は今、13500リグある。
宿は3人部屋で1500リグだ。防犯のため少しお高めの宿を選んだのだ。
「とりあえず食料でも買うか」
「私もアイテムボックスを持っているので半分持ちますね」
「アル!お菓子!」
ヘリスは優しいなぁ。ミューナも可愛いなぁ。
……はっ!?少しトリップしていたようだ。
とりあえずミューナを真ん中に入れて歩くわけだが、何だか俺とミューナがヘリスの子供みたいになっている……。
……早く大きくなれ!!俺の身長!!
「とりあえずあの店に入るか」
俺が決めたその店は、結構小綺麗で大きめの店だった。とりあえずはああいう店で良いだろう。素人がそこら辺の小さな店に入ったらぼられるかもしれない。
そうして中に入ると、思っていたよりも商品が多く、店員もきびきびと働いていた。どうやら当たりを引いたようだ。
俺達はとりあえず俺は鑑定眼を使いながら商品を物色する。
この鑑定眼。自分より強いやつには殆ど効果が無いが、アイテムに関しては大抵見れる。流石に鑑定眼で解析出来ないほどの物はこんな店に置いていないだろう。……フラグじゃないよな?
後、神眼は能力が解放されるたびに既存の神眼の能力も強化されていた。今の俺なら自分よりレベルが10高くてもスキルまでわかる。
因みにヘリスのステータスは見れなかった。本人曰く、神々に逃げたのがバレないように神から現人神としてこの世界に降りたのでレベルは下がっているようでレベルは20らしいのだが、元々神だったので種族の格のせいでまだ俺には見れないらしい。
そんなわけで俺は鑑定眼を使いまくって品質の良い物を選んでいく。
ミューナが言っていたお菓子や、歯磨きに使える植物――ブーシュと言う――の根っこを干した物や、洗剤用の粉、石鹸――地球にある石鹸と同じ物だ。まあ、地球では粗悪品と呼ばれるような代物だが――等を一通り買い、店を後にする。
そうしていろんな露店を冷やかしながら宿に帰り、部屋に戻るのだが、部屋を見て固まる。
……ベッドが1つしかない。
慌てて二人を見るが気にしていない様子。……俺がおかしいのか?
そんな感じに混乱していたが、流されるままに部屋を出て食事をしに行く。
その頃になると俺も大分落ち着きを取り戻したのでじっくりとメニューを見ていると懐かしの、と言っても1日しか経っていないが、ホーンラビット料理があったので唐揚げらしき物を頼む。
やはりこういうのは歴代の勇者達が広めたのだろうか?
因みにヘリスは肉はそこそこにサラダ中心の料理で、ミューナは肉も果物も同じくらい頼んでいた。
部屋に戻った俺はヘリスとミューナに外に出てもらい、寝巻きに着替える。身体は朝洗うらしい。
その後ヘリスとミューナとも交代し、同じようにする。
そうして寝るわけだが……何故か俺が真ん中だ。
今は良いが、成長して身体も反応するようになる前には1人で寝るようにしようと心に誓い、俺は明日に備えて眠るのだった。
次回テンプレ出そうか思案中。
そして、主にアルギウス視点でいつも書いていますが3人称とかどうですかね?意見くだせぇ!




