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84 故障?(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

 昼食後、魔法塔へエドガーと一緒に移動する。

 えっとお泊り……、エドガーと二人でお泊り……。初めてだよね!?

 あれ?

 結婚した日の夜は『初夜』って言うんだっけ。

 初めてだからか!

 ん?

 私、『初夜』に解散とか言っちゃった……。

 あれ? なんかそういう話……、さすがに解散はないか!?

 えーと……。

 頭の中で忙しく思考が動き、なんだか全然話せない。

 

「緊張してる?」


 エドガーが心配そうに言って。


「うん、き、緊張してるというかっ!

 なんか、この先、どうしようかって……」

「どうしようか?」

「あ……、二人でお泊りは初めてだなって」

「当たり前だろ?

 今日結婚したんだから」

「は、そ、か……」

「なに?」

「その……、うん……」

「なんだよ?」


 そんなやり取りのうちに魔法塔に到着してしまった。

 魔法塔の女官達が現れて、私達を塔の上の方に連れて行ってくれた。

 通された部屋はすごく上の階で、階段たくさん上ったけど、景色がきれい!!

 私は窓に駆け寄って「わぁ!」と歓声を上げてしまった。

 

「どうぞごゆっくりお過ごしください。

 夕食前にまた伺わせて頂きます」


 女官のひとりが礼をして、みなさん出て行った。(女官三人いた)

 

 えっと、大きなベッドがありますが、あまり見ないようにして……。

 私は置いてあったお茶のワゴンでお茶を入れて、テーブルにカップを並べた。


「エドガー、お茶どうぞ!」

「ありがとう」


 テーブルの向こう側にお茶置いたのに、エドガーがそのお茶を引き寄せて、私の隣に座る。

 私は硬直した。


「……何さっきから?

 挙動不審。

 緊張してるのはわかるけど……」


 お茶を飲むエドガー。私は何だかそれをぼんやり見てしまい、というか見とれちゃったというか、なんか変だ。

 エドガーと目が合って、はっとして、私は自分のカップを手に持ち、急いで飲もうとした。


「あちっ!」


 もう、泣きそう。

 なんだか、やることなすこと、変な感じ。


「大丈夫か?」


 慌ててカップをテーブルに置いた私の手をつかんで顔を覗き込むエドガー。

 ひいいいいいぃ。


「慌ててっ! 

 ちょっと熱かっただけ!」

「火傷した?」

「うー、ちょっと。

 でも口の中だから、すぐ治るよ」

「見せて?」

「えっ?」


 く、口の中!?


「ほら、開けて」


 私は少し躊躇したけど、口を開けた。

 覗き込まれる。

 うう、なんか今までない距離感だ。

 キスされる時は0距離っていうか、密着してるわけで。

 覗き込まれて、しかも口の中に半分親指入ってきてるしっ!

 すごく恥ずかしいっ!!

 私はたぶん真っ赤になってて、目が痛いっていうか、涙が滲んでると思う。

 あ、火傷が痛くてって思ってくれるかな。


「舌、ベーッてしてみ。

 大丈夫みたいだ……。

 舌が少し赤いところがあるけど、ひどくないよ」


 私は頷いて、舌を引っ込めて口を閉じようとした。

 ら、キスされた。

 エドガーの親指が口の中に半分いたから口閉じれなくて、エドガーの舌が入ってくると同時に親指が抜かれた。


「んー!!」


 予想してたような、びっくりしたような、感情が真っ白になっちゃって。

 でも、エドガーの舌がひんやりして気持ち良かった。

 うわっ、気持ちいいって!?

 あ、治療?

 治療魔法してくれてるのか!?

 しばらくすると、エドガーが離してくれた。


「あ……、治療してくれたんだよね。ありがとう……」


 私がそう言うと、変な顔をされた。

 え、ち、違うの!?

 え、じゃ、なに!?


「そんな顔してるのに、治療だと思ったの?」


 って!

 どんな顔!?

 私、どんな顔してるのよ!!

 私は自分の顔を両手で覆って、エドガーから顔を背けてしまった。

 恥ずかしいっ!!

 もうどうしたらいいのかわかんない!

 

 後ろからエドガーが優しく抱きしめてくれた。

 うわーっ!!

 なんだっけ!?

 婚約破棄された伯爵令嬢を慰める幼馴染の公爵令息のシーンで、こんなのあったっけ!?

 あ、違う?

 未亡人に迫る亡き夫の親友!?

 だめ、そのパターンだとその後……、雪崩れ込む!

 えっと、伯爵令嬢の方でっ!

 え?

 どうしてたっけ?

 わー、もう、考えられないっ!

 私は自分の頭から煙が出たんじゃないかと思った。

 ぷしゅーって故障した……のが見えるような。

 結局、エドガーに抱きしめられたまま、動けなくて……。


 コンコンってノックの音で我に返る。

 エドガーが手を緩めてくれて、ドアを開けに行く。


「夕食の準備が整いましてございます。

 ご一緒にいらして下さいませ」


 私はゆっくり立ち上がった。

 


 夕食はダルシュカーン様と一緒で、シーザー王国の今の状況の話とか、アサニア王国の話とかもあった。

 どうやらアサニア王国はシーザー王国と親交を深めようとしているみたいだと。

 エレノア王女との婚姻を申し込んでいるとか!?

 王子……ラスター様は年下だもんね。

 兄さん方がいるんだろうか?

 それともカイラムとか?

 一応、王弟だもんな。

 ん、じゃあ、シーザー王国に行ったら、カイラムが来てる可能性もあるんじゃ?


 そんなことを考えていたから、食事が終わって、ダルシュカーン様にエドガーが新婚の私達に配慮をありがとうございますと言ってるのを聞いて、改めて、あわわとなった。

 一緒に頭を下げたけど、さ。


読んで下さり、ありがとうございます。

ミコト、かなりテンパってます。


※読み直しをして、前の文章の誤字脱字や表記揺れを直しています。

 けっこう漢字変換間違えやひらがなが二文字続けて入ったりがあって、なんで気づかなかったんだー! と凹んでいます。


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