81 準備が……(ミコト視点)
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「それで……、ユミエラとその……、マイネのディーという冒険者も結婚することに!?」
少し呆れたようにメグミ様が言った。
あれから、ディーがユミエラに告白&プロポーズして、ユミエラがまた号泣して。
まあ、そっちはディーとシアに任せて、私とエドガーとライカンとホークは結婚の書類を書けるところは書いておくことにした。
「ん、なんでホークこっちに?
ユミエラの方に行ったら?」
私は同じテーブルにいるホークにそう言ったんだけど。
ホークは何だかすごくしゅんとしてて。
「ユミエラを取られたみたいな。
好きとか、女性としてとかじゃなくて……。
めでたいとわかるんだけど……」
「あー、ホークはユミエラの弟みたいな感じなんだね」
私が微笑んで言うと、ホークはちょっとほっとしたような顔をした。
「弟か……。
確かにうるさいねーちゃんだけど。大切なねーちゃんで……。
うん、そうだな」
ユミエラとホークは似ているんだな。
ホークは立ち上がり、私の部屋に押し掛けに行った。
狭いぞ、私の部屋。
案の定、四人は出てきて、シアとライカンの部屋に入っていった。
ふっ!
「ユミエラとディーも今週中には結婚するそうです。
そして、シーザー王国に一緒に行きたいと」
ザイマさんの報告に微笑むメグミ様。
「あらあら、ハネムーンが三組もだわね」
「シーザー王国が新婚旅行って!?」
私は苦笑した。
そういうのなら楽しいんだけど、ね。
次の日、キリコさんともうひとり魔法使いの女性が来てくれた。
メグミさんは私にマルミさんの白ドレスを着せて、サイズや裾をチェックしたり、靴のサイズを確認したりした。
「デザインや色は大丈夫そうね」とメグミさん。
「少しサイズ感を直した方がいいですね」と来てくれた魔法使いのケリーさん。
ケリーさんはキリコさんと同じ魔道具の研究者でお裁縫が得意なんだってさ。
キリコさんが「靴は大丈夫ね」とほっとしている。
うん、靴は魔法塔から支給されたものだから、まだ新しい。
魔法使いの服に合わせて、二足支給されたんだよね。
いつもは足首まである編み上げ靴を履いている。このヒールのある女性らしい白い靴は式典の時用と言われて、一応もらってあるみたいな。
「アクセサリーはセーブルの飾り玉のネックレス……と魔道具の指輪。
ネックレスは外しましょう。
この指輪はもう結婚指輪なのかしら?」
キリコさんの言葉にはっとする。
「エドガーにもなんか指輪、渡すの!?」
「それはエドガーが用意するんじゃない?」
いや、もう明日なんですけど!?
メグミ様が慌てだした私を見て言った。
「ネックレスとイヤリングは私の真珠のを貸すわ。
結婚指輪のことは、ザイマに確認して来てもらいましょう」
こうなると私はもう何も言えなくて……。
いや、ここまでちゃんと考えてなかった。
ちょっとよそいきの白い服着ればいいかなぐらいに考えていて。
シアも白ドレスだったけど、あんまり飾り立ててなくて素敵だったし。
ケリーさんはリビングのテーブルでドレス直しを始め、私はキリコさんに風呂に入れられて、出たら、身体中にオイル塗られました……。
ザイマさんが戻って来て「結婚指輪とヴェールと留め飾りはもう準備しているそうです」と報告してくれて……。
「明日は朝一で風呂に入って! それから仕度ね!」
キリコさんの言葉に、私は女性って正装するの、大変なのねと思った。
お昼過ぎにはこちらで用意するものは揃って、メイクの色味を決めるとかで、なんか顔に塗られて、口紅とか塗られた。
三人の圧がすごい……。
もう、私、まな板の鯉状態……。
「……うすーくでいいわね」とメグミ様。
「ええ、そうですわね」とケリーさん。
「ミコト……、顔洗いましょう」とキリコさん。
どんな顔にされたんだ!?
顔を洗ってから、もう一度化粧。
でも、今度はすごく塗るものが少なくて、ささって感じ。
納得したみたいで鏡を見せてもらえた。
うん、少し色味を足した感じ。
ちょっと大人っぽくなったかなという感じで、私は自分の顔に違和感を感じなかったのでほっとした。
なんか準備だけでもへとへとになった。
ケリーさんとキリコさんとザイマさんは帰り、私とメグミ様ははーとため息をついた。
「メグミ様、いろいろ準備して頂き、ありがとうございます」
「ふふふっ、楽しいわよ。
まあ急だから、大変ではあるけど」
いたずらっ子みたいな感じでニッと微笑むメグミ様。
「結婚式は一生に一度だしね。
あ、もっとすることもあるか!?」
「いえ、それはわかんないですけど!?
私にとってもエドガーにとっても、初めての、大切な結婚式ですから。
みなさんに協力してもらって、とてもうれしいです」
それは本当。
別にエドガーと結婚できるなら、服とかどうでもいいとは思うけど、やっぱり、ちゃんと白いドレス着て、花嫁さんって格好をするのは……うれしい。
「さあ、今日は早く寝ましょうね。
体調を整えるためにも、今夜は和食にするわよ!」
「えー!
わー、楽しみ!」
私とメグミ様はお味噌汁作ったり、魚の切り身を塩焼きしたり、作るところから楽しんだ。
朝、結婚式だ!!
うん、体調ばっちり!
昨日のオイルのおかげか、お肌も髪もいい感じ。
お風呂に入ってる時に、キリコさんとケリーさんが来てくれて、仕度を手伝ってくれる。
ドレスを着る前に簡単におにぎりと果物をつまんだ。
準備も順調♪
靴が履きなれてないから、ちょっと心配だけど、ゆっくり歩けば大丈夫そう。
一応、いつもの靴も収納魔法で持って歩こう。
「ケリーさん、キリコさん、ありがとうとうございます!!
行ってきます!!」
ここでする仕度は全部できて、馬車に乗り、メグミ様とザイマさんとキリコさんとギルドへ向かう。
また、魔法塔での届けもあるから、ケリーさんとはその時に会える。
ギルドに到着して、馬車を降りる時に、待っていたエドガーが手を貸してくれる。
「ミコト、きれいだよ」
うん、そう言ってもらえてうれしい。
エドガーも魔法使いの正装みたいな感じでカッコイイです!
「エドガーも素敵!」
シアが来て、メグミ様と一緒にヴェールをつけてくれる。
そして、真珠のついた髪飾りで留めてくれた。
「うん、似合うね。
昨日ザイマさんからアクセサリーは真珠と聞いて、慌てて買いに行ったんだ」
エドガーが私の左手の指輪の位置を確認する様に触ってから、ヴェールと髪飾りを見て言った。
「え? それは……。ありがとう」
ユミエラが小さなブーケを差し出した。
白とピンクのかわいい花のブーケだ。
「ありがとう!」
シアとユミエラが涙ぐんで私を見てる。
私もウルウルしちゃいそう。
エドガーが「行くよ」と腕を差し出したから、なんだか涙が引っ込んだ。
良かったのか!?
ギルドでは書類を提出して、みんなから祝福してもらう。
ペアの指輪をそれぞれ贈り合ったっちゅうか、エドガーが用意したんだがいいのか!?
私の左手の薬指には指輪が2個も……。
ギルドカードの書き換えもしてもらった。
裏に今日の日付と婚姻、エドガーの名前が入った。
ホークもディーもいる!
ロバートさんは残念ながら違う街にいてさ。
それから、また馬車で魔法塔に戻るんだけど、その時、メグミ様がなんか貫禄ある男の人と一緒で、ご挨拶する。
「私の夫のクラークよ。
魔法塔とギルドの連絡係というか……」
「ギルドのことを一手に引き受けておられる、魔法塔のギルドマスターですよ」
ザイマさんがそう教えてくれて、私とエドガーは背筋をピンと伸ばして礼をした。
「エドガーとミコト。おめでとう!
メグミやマルミから話は聞いていたが……。
本当に良かった。おめでとう!」
ああ、なんだか、認められて安心だって……。
また涙がうるるっとしそうになったけど、メグミ様に「まだ泣いちゃだめよ!」と言われた。
そう、これから魔法塔!!
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