↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/129

54 断崖の断罪(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

 みんなで少し早い昼食を食べ、私はお姉さんに風魔法の収納を教えた。

 ライカンもコツを話してくれて、わかりやすかったみたいで、すぐできるようになった!

 さっき預かったボアを収納してもらう。

 うん、大丈夫!

 これでよし!


 焚き火を消して、片付ける。

 迎えの馬車の時間までボアを狩る!

 私は気配を探った。

 ん!

『断崖』のひとりがこちらを偵察する様に近くに潜んでる。

 私はイラっとして、その隠れてる場所に「ウサギかな!?」と言いながらウォータードロップを大量に投入してやった。


「何しやがる!」


 それはこっちのセリフだ!


「あれ!

 隠れてるからウサギかと思いました!

 ごめんなさいね!」


 ぶつぶつ言いながら男が立ち去ったのを見て、エドガーに頭をポンとされた。


「危ないことはするな。

 恨みを買うかもしれないだろ」

「でも……、イラっとして。

 ごめん、スルーできなかった」

「それはわかるけど」


 私は改めて気配を探った。

 ラッキー!

 こちら寄りに群れがいる。

 5頭の群れだ。

 3頭が子どもみたいだけど、もう成獣に近い。

 話をするとさっきの子どもを守れなかったこともあり、1頭ずつ狩ろうという話になった。

 では共同戦線で!


 二手に分かれて、追い立て、ライカンとユミエラ、お兄さんと弟が待つ方へ5頭走っていく。

 上手く、1頭ずつ仕留めることができた。

 ライカンとお姉さんが収納。

 

 気配を探ると、昼食を食べた辺りにウサギが出て来てるようだ。

 一角ウサギの群れだった。

 妹ちゃんがストーンバレットができるというので、私と妹ちゃんで、ストーンバレットして、生きているのは剣で仕留めてもらい、群れひとつ狩ることができた。

 半分ずつ分ける。それぞれ10羽くらいになったかな。

 

 気配を探ると、奥の方で『断崖』の3人がなんだか狩りをしているけど、相手はボアじゃないみたい。

 まあ、もう放っておこう。


 道の向こう側の森にボアが3頭いた。

 3頭とも成獣だ。

 それを1頭ずつ狩ったら、ボアはもうやめることにする。

 珍しい赤ボアだった。

 1頭だけわざと逃がし、1頭ずつ狩る。

 

 その後は時間までレミーやウサギを狩った。

 馬車が迎えに来ても『断崖』は戻ってこなかった。

 しかも、焚火はつけっぱで。

 馬車が来て、追いかけて行ったら、誰もいないのに火が付けっ放しになってて、慌てて消した。

 ギルドの職員がボアの子どものたくさんの死体に引いていた。

 

 そこへひとり、ヘロヘロになって戻ってきた。


「た、助けてくれ!

 奥で、変な穴に落ちて!!」


 変な、穴?

 私はミカエラと顔を見合わせた。


「「マンイーター!!」」

「マンイーター?」


 ギルドの人が聞き返してきたので私は説明した。


「雑食植物という、根で作った落とし穴に入ったものをなんでも食べる植物です。

 落とし穴の罠を作り、生き物を根で絡めて、穴の下にある口で食べるようですよ。

 人間も食べられたことあるからマンイーターなんだと教えてもらいました」


 ギルド職員が慌てた。


「え、じゃあ、植物にやられる!?」

「助けて下さい!」


『断崖』の男性が泣いている。

 私達がそれでも黙っているので、表情が歪む。


「さっきはすみませんでした!

 俺は嫌だったんですけど、やらないと後からいろいろ言われていじられるんで……」


 頭を下げてくる。

 ギルド職員が「さっきの?」と首を傾げ、ライカンがフーンと鼻息でため息をついたみたいにした。


「俺とユミエラとエドガーとミコトで行こう。

 他の者はギルド職員に何があったか説明しておいてくれ!

 ほら、案内しろ!」


 ライカンの言葉に謝っていた男性は顔を上げて「こっちです!」と走り出す。

 私達はついて走ったが、途中で私は「止まって!」とストップをかけた。


「え?」


 男性が怪訝そうに立ち止まる。


「ここからマンイーターの群生地みたいですね。

 私、気配を読んで安全な場所を進みますから、方向だけ教えて下さい」

「わかった。こっちの方角だ!」


 私は地面の下に気配を集中させ、隠れているマンイーター本体というか穴を避けてそちらに進み始めた。

 そして、地面に大きな穴が開いていて「おーい!」「助けてくれ!」と叫んでる声が聞こえ始めた。

 穴に近寄ると、二人ともひとつの大きな穴に落ちていて、根っこが身体に巻き付きつつあるところだった。

 このマンイーター、すごく大きい!!

 えーと、落ちたのを助けるにはどうするか?

 ライカンが収納からロープを出し、私の腰にくくり付け、ゆっくり下に下りて、根っこをウインドカッターで切るように言った。

 私が穴の中の地面に足をつくと根っこが動いてくるので、それもウインドカッターで切った。

 絡まれてるふたりの所に到達。

 もう少しで口の真上に運ばれるところだった……。

 私は魔物の口に斬った太い根っこを噛ませてから、口回りの根の根元をウィンドカッターで切り刻む。

 絡んでいた根っこも緩んだようだ。

 私は一度上に引き揚げられ、ロープを外すと、空のロープを下に投げるライカン。


「ひとりずつ登ってこい!!」


 ちょっと揉めたようだが、一人目、二人目と脱出してきた。

 私は穴の中で切った根っこの部分を瓶にぎゅうぎゅう詰めてから、収納した。

 ふたりとも無事で良かったよ。

 青い顔してるけどね。怪我もなく何とか歩けそうだ。

 また、気配を探りながら落とし穴回避で進み、何とか戻って来れた。

  

 待ち構えていたギルド職員を見て『断崖の剣』の三人はまずいっという顔をした。


「やってしまったことはしょうがないが……。

 ギルドで詳しく話を聞こうじゃないか……」


 帰りの馬車で『魔滅のラビリンス』のみんなに聞いたところによると……。

『断崖の剣』は少し前から頭角を現してきていたそう。

 でも、あまりいい評判はなく。

 ワイルドでちょい悪みたいな感じだったらしい。

 でも、獲物は確実に挙げていたので、まあ、あまり関わりになりたくないけど、強いパーティみたいな扱いになってたらしい。

 今回は先に『魔滅のラビリンス』が手を上げて、『ユニコーン』という名の男女混合のパーティと一緒と聞いて安心してたんだそう。

 この『ユニコーン』はパーティ登録したばかりだけど、騎士もいて、セーブルを狩ってきたりと強くて常識あるパーティだよとギルド職員にも教えてもらったとのこと。

 そしたら『断崖の剣』も申し込んだと聞いて……。

 まあ、私達もいるから大丈夫かなと思ったんだけど、こっちに付いて来られて、まだ子どもの獲物を狩り尽くしたのを見て、ドン引きしたそうだ。

 脅かして口止めをしようともしてたらしい。


「大変だったけど……。

『ユニコーン』と知り合えて、一緒に狩りをできて良かったわ!」


 お姉さんが笑って言ってくれて、ほっとした。

 妹ちゃんが「ミコトは三属性なの?」と聞いてきた。

 あ?

 そうか、収納して見せてたのにウォータードロップとストーンバレットもしちゃってた!


「そうなんだ。それで、魔法使いの勉強もしてみようかと……」

「すごいね! 

 騎士に魔法使いに剣士もいるパーティなんて!!」

「俺だって! 

 もっと剣を頑張るよ!」


 お兄さんが言って、弟くんもうんうん頷いてる。

 えーと『魔滅のラビリンス』だっけ。

 覚えておこう。

 また、どこかでご一緒できたら、楽しそう!


 ギルドで『断崖の剣』の三人は絞られたみたいだね。

 後で聞いた話によると、ボアがいなくて、このままだと依頼がと思って泣く泣く子どもを狩ったと話していたそう。

 でも、同じ狩場にいた私達はちゃんと大人のボアを狩っているし、子どもはもちろん、大人のボアもこの後のことを考えて狩りつくさないようにしたと話したからね。

 たぶん、余計に絞られると思う。

 うん、絞られろ!

 ひとりだけになった人はちゃんと謝って助けを求めてくれたのに、三人でいるとお互い牽制し合うみたいな感じになるようだとギルドの人も言っていた。

 仲間内でそんな感じだと疲れるだろなー。

読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。