↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/115

52 カッコつけはよくない(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

 旦那さんは『レイ』と呼んで欲しいと言った。

 マルミさん、レイさん、お兄ちゃんがエルくん、妹ちゃんがナルちゃん。

 

 レイさんに挨拶した。


「え?

 転移者と、転移者の息子さん!?

 あ……、マルミに似ている感じもするし、確かにミコトはメグミさんに似ているね」


 レイさんがマルミさんに説明されて驚いている。


「シーザーとアサニヤからも追手が来ているみたいで。

 母に相談するまで内緒でね!」


 レイさんが頷く。


「明後日だよね」

「そうそう、その日は私もばたばたするかも」

「了解! 

 午後から休みを取るようにしてある」

「ありがと!」


 わあ、お互い助け合うラブラブな御夫婦って感じ!?

 素敵!


「「どうぞよろしくお願いします」」


 エドガーとふたりでお願いする。


「いえいえ、なんか親戚の子って感じがしますよ」


 レイさんはそう言って笑った。

 帰ろうとするとエルくんとナルちゃんが出てきて、挨拶してくれた。

 ナルちゃんはカードぐらいの紙を「カイトにお手紙!」とくれた。


「カイトに届けるね!」

「うん!」


 玄関外までレイさんとマルミさんに送られたんだけど、レイさんがそわそわしてて。


「ごめん、ミコト。

 ナルがお友達にどんな手紙を書いてるか、ちょっと見せて?」


 マルミさんに頼まれてしまった。

 確かに親としては気になるか?

 折ってないカードみたいな紙だからな……。

 まあ、ぴらっと見てみるとかわいい手紙だった。


『カイトへ つぎもあそぼうね ナルより』


「その……、カイトっていうのは……」


 レイさんがほっとしながら気にしている。


「地理歴史研究所のクラウスさんの息子くんです」

「ナルと同い年で!

 アサニヤからお母さんのカテリーナさんとこちらにいらしたばかりなんですって!」


 マルミさんが補足してくれ、レイさんは頷いた。

 私とエドガーは手を振って家を出ると、乗合馬車に乗って地理歴史研究所前に移動し、我が家に帰った。



「おかえりさない!!」


 ユミエラが家の前の庭でカイトと素振りしていた。


「えっ!?

 どうしたの?」

「いやー、カイトが剣を教えてくれって」


 ユミエラの言葉にエドガーが言った。


「ライカンの方がいいんじゃないか?」

「えー!

 私もなかなかの腕だと思うけど!」


 ちょっとふくれて見せるユミエラ。


「いや、俺達、ほぼ自己流だろ!

 騎士のライカンの方がいいって!」

「……まあ、そうね。

 じゃあ、ライカンと代わってくるわ!」


 ユミエラが家の中に入って行き、その時にカイトにナルちゃんからのお手紙を渡した。


「えっ!?

 ナルから!!」


 すごくうれしそうに受け取ってから、私達を見た。

 わざとらしく顔を顰めて見せる。

 なんだ?


「ちぇっ!

 またすぐ会えるのにさっ!

 女の子って、こういうのが好きなのか?」


 ん?

 なんか……。

 でも、そう言いながら表情が緩んでるぞっ!!


「カイト……、そういうこと言わない方がいいよ。

 ナルちゃん、お手紙くれなくなるよ」

「えっ?」

「変なカッコつけはやめた方がいい」

「カッコつけてるわけじゃ……」


 そこへライカンが出てきた。


「おかえり、ミコト、エドガー」

「ただいま!」

「ギルドに買い物にありがとう!」


 私はマルミさんとのさっきの話で気になったことを聞いてみた。


「ライカン、マイルズの騎士はやめてないの?」

「なんだい、急に?」

「今日『魔法塔』について話を聞いて、同じような組織として騎士団やギルドがあるって。

 それにハナがライカンのことを『マイルズの騎士』って言ってた。

 今も騎士ってことなの?」

「まあ……、所属してると言えばそうだな。

 今は休みをもらっているような状態で、働けるようになれば、また職場を紹介はしてもらえると思う」

「私とエドガー。

 魔法塔ってのに所属できるかもという話になって。

 そうなるとジュノーに一度行く必要があるかもしれない。 

 明後日、魔法塔の魔法使いの女性に会う予定なの。

 ある程度自由があって、みんなと一緒にいられるなら話を聞いてみようと思う」

「みんなと一緒?」


 ライカンの言葉にエドガーが言った。


「最初ミコトだけの話なのかと。

 でも、普通に家庭を持ったり、他の仕事をして首都を離れて生活することもできるそうで」

「ほう!

 では、明後日、詳しい話を聞くんだな」

「はい!

 シアやライカンやユミエラも一緒に聞いてくれない?」


 ライカンは頷いた。


「わかった。明後日はそうしよう」


 良かった。


「カイト! 練習邪魔してごめん!

 ナルちゃんにちゃんとありがとう、お手紙うれしかったと伝えた方がいいよ」

「うん……、ちゃんと言う」

「うん、きちんとうれしかったと言ってもらえた方がうれしい。

 私がナルちゃんならね」


 カイトが頷いた。



 次の日はユミエラの希望で前に薬学研究所のフィールドワークで行った狩場へ行った。

 奥へ入ると嫌いな虫や変な植物がいっぱいだけど、手前なら虫もそんなにいなかったし、ボアがけっこう獲れそうじゃないかということで。

 でも、あの変な植物や虫を食べてるボアなんだけどね。

 それはいいのか!?


 確か、南の方の海寄りの狩場だ。

 朝一にギルドに行って、聞いてみるとちょうどボアが欲しいという依頼があったそうで、馬車を仕立てての依頼とすると言ってもらえ、急だが他にもパーティを募ると言う。

 すぐに今日の狩場を考えていたというふたつのパーティが参加を決め、御一緒することになった。

 3人の若い男性のパーティ『断崖の剣』……、すごい崖の上に剣が刺さってるのか? お墓みたいにも思えて不吉だぞ!? 斬ったところが断崖みたいに削れるぐらいの威力があるよという意味か!?

 男女4人の『魔滅のラビリンス』……、魔物が滅ぶ迷宮? 意味わからん。何故か私の頭にはゴキブリホイホイが浮かんだ。魔物が入ると出られなくなる……。


 私達のパーティ名が『ユニコーン』だと名乗ると、『断崖の剣』の方が「かわいい名前だな」なんてちょっと見下したように言った。

 いや、そっちより断然いいから!

 意味わかるし!


『断崖の剣』は友達パーティ。

『魔滅のラビリンス』は家族パーティなんだそう。

 従兄弟同士の兄弟。兄と妹、姉と弟の合同らしい。

 一番下の妹ちゃんが私と同じ14歳だった。同じ14歳でも、妹ちゃんの方が大人っぽいけどね。

 魔法も得意で、話を聞いてるとけっこう強そう。


「こんなちびっこがいるなんて、大変だな」


『断崖の剣』の方に言われる。

 ……私のことか!

 まあ、魔法でしか貢献できないところがあるからね。

 それは仕方ない。


 日帰りだから、持ち物も少なくて済むし、馬車の中で『魔滅のラビリンス』とは話して仲良くなった。

『断崖の剣』の方は、なんだかこちらを気にしながら「ボアはバカだから狩りやすいよな」「ああ楽勝!」とか騒いでる。

 なんか昨日のカッコつけワイルドぶるカイトみたい……。

 ん、そうか『ラビリンス』の女性陣とうちのシアとユミエラになんとなくアピールしてんのかな!?

 そう気づくと「ボアなんてちょちょいのちょいだぜ」というセリフにツボり、クククッと笑ってしまった。

 黒ボアが出ないといいな。黒ボアは大変だぞ!

 なんか、この三人には苦労して欲しい気がする……。

 そう思っちゃうのって、私、けっこう意地悪なのかな!?

 

読んで下さり、ありがとうございます。

断崖の剣、ポケモンの技ですね。

でも、この言葉から、崖の上の突き刺さっている墓標っぽい剣を想像してしまいました。

男にとっては、ロマーン!?

いや、崖の上に墓穴掘るの怖くてできねえ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。