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5 ギルドカード(ミコト視点)

ブックマーク、ありがとうございます!

どうぞよろしくお願いします。

 無事にケレスの街に着いた。

 カノンとは違って、なんか素朴な感じだ。

 カノンは観光地だったからね。

 でも、落ち着いていていい感じ。


 小麦粉を練って、玉みたいな感じにして食べるお店に入った。

 モチモチしてておいしかった。

 シーザー王国ではいろいろな種類のパンはあったけど、この料理はなかったな。

 このまま細くすればパスタになるのかな?

 うどんも作れるかも?

 ピザはなかった。

 揚げパンとかはあったけど。


 ギルドに行く前に古着屋に行って、プリシラとミカエラは手持ちの服を2枚ずつ売った。

 普段着にしていたシンプルなドレスを、だ。

 もう着ないし、まだあるからと言っていたけど……。

  華やかな色柄だったからか、けっこういい金額になったみたい。

 

 プリシラとミカエラとクルトはいつもの冒険者の時の格好をしてたから。

 私も狩りに連れて行って貰う時のズボンとシャツと、それからいつものフード付きの上着を着ていて、娼館で着ていたワンピース2枚は手持ちに入れてある。

 それから、転移時に着ていた服はもう小さくて着れないから、布地にして小物とかにしちゃったんだけど、カバンと水筒だけは取ってあって、まだ持ってる。

  

「本当はミコトに女の子の格好をさせてあげたいんだけど、ね」

 

 プリシラがそう言って、私の頭を撫でた。


「でも、しばらくはどっちかわからない方がいいだろ?」


 クルトが言って、ミカエラも頷いた。


「……そうね。

 とりあえず、ギルドカードを作ったら、すぐに移動しましょう。

 南の方にマイルズ共和国の首都があるから、そちらの方へ移動して行きましょう!」


 いよいよギルドだ!

 私の登録楽しみ!!


 ケレスのギルドはそんなに冒険者がいなくて……。

 同じ建物に商業ギルドも入ってるんだって。

 

 冒険者ギルドの受付で「この子の登録をお願いしたんだけど」とクルトが声を掛けてくれた。


「はい、ではこちらにって、あらまだおチビちゃん!?」


 少し戸惑った表情のギルドのお姉さん。


「ああ、これから俺達と旅をするので証明書としてね」

「ああ、なるほど。承知しました!」


 お姉さんが丁寧に用紙の記入について教えてくれる。


 名前、これは通称でOK。

 プリシラが最初に教えてくれたように、本当の名前って魔力を持っていて大切に隠す物らしい。

 プリシラ、ミカエラ、クルトも自分で付けた名前だったり、姓を隠していたりしてるそう。

 なので『ミコト』としておく。

 出身地……は私が止まっているとプリシラが覗き込んで「カノンにしておきましょうか?」と言ってくれた。

『シーザー王国のカノン』と記入。


 生年月日とかないのだね?

 性別とかも?


 その用紙をギルドのお姉さんに渡すと、何やらチェックして「保証人はどなたに?」と聞いた。

 三人が「私達がなります」と言ってくれて、プリシラがお金を払ってくれた。

 そして、みんなで奥の部屋に連れて行かれた。

 そこには水晶玉みたいなのが乗っている台があって。

 三人はギルドカードを出し、何やらカードを乗せるところにセットした。

 お姉さんが私の右手を取って、小指に針を刺して血を絞って、私の新しいカードに垂らすとそのまま台の中に入れた。引き出しみたいになってんの。

 そして左手を水晶玉に付けるように言われる。

 補助台まで出してもらい、私はそれに登って、水晶玉に左手で触る。

 なんか、ぶぅぅぅんって音がして、水晶玉が光った。

 

「何?」

「血と登録内容を合わせているんだよ」


 クルトが教えてくれる。


 へえ。

 血の魔力を鑑定してるって感じなのかな?

  

 水晶玉の光がすごく明るく光り、だんだん弱くなり、消えた。

 ギルドのお姉さんが「もう手を離して大丈夫よ!」と教えてくれ、引き出しからカードを取り出して、

ちらっと見てぎょっとしてた。

 でも、頷いて私に渡してくれた。


 カードを見ると、名前と出身地と、なんかいろいろ細かいことが書かれていた。

 保証人という欄があり、そこにプリシラとミカエラとクルトの名前が記入されてる!!

 うれしい!!


 三人も自分のカードを受け取り、しまった。

 私もしまった。もっとよく見たかった気もするけど。


 もう夕方になるので、ギルドに宿があるか聞いたら、空きがあるとのことで大きめの四人部屋を借りることになった。

 それが一番値段的に割安だったらしい。

 その部屋に入り、ミカエラとクルトが食事を買いに行ってくれることになった。


 部屋は真ん中のテーブルなどで部屋を分けていて右側と左側にベッドがあるような造りだった。

 左右に2台ずつベッドがある。

 でも、大きくは同じ部屋だし。


「ミコト、こっちに寝るか?」


 クルトに言われて行こうとするとミカエラが「ちょっと勝手に決めないでよ!」と言った。


「でも、プリシラかミカエラが俺と同じ方ってのも変だろ?」


 クルトの言葉に私は頷いた。


「大きな部屋で一緒だし、大丈夫!」

「まあ……、とりあえず、今日はそうしましょうか」


 プリシラが言ってくれて、私はクルトのベッドの隣に座り、大きなリュックは下ろして、上着を脱いだ。

 ミカエラとクルトがそのまま買い出しに行く。


 私は上着の下になるように掛けていた肩掛けカバンからギルドカードを取り出した。


「プリシラ、これ見方を教えて欲しい」


 プリシラと真ん中のテーブルの所で、プリシラのカードと私のカード、比べるように見せてもらう。


〈表側〉

 名前:プリシラ

 出身地:シーザー王国 王都テイル

 冒険者ランク:D


〈裏側〉

 魔法特性:水☆☆☆

 保証人:マルス


 ほうほう、表が身分証で、裏に特別な能力についてが載っているわけね。


「この冒険者のDがランク?」

「そうよ。一番下がF。

 ほら、ミコトのはFからで……、えっ?」

 プリシラが私のカードをひっくり返して驚く。



 名前:ミコト

 出身地:シーザー王国 カノン

 冒険者ランク:F

 魔法特性:水☆

      火☆

      土☆  

      風☆

      聖☆☆

 保証人:プリシラ ミカエラ クルト


「わ、魔法のとこ多いね!

 でも、私、魔法使ったことないよ?」

 

 まだ危ないって教えてくれなかったしね。


「……☆は今使えなくても潜在的に使える力があれば出るの。

 ☆2つはもう初期の魔法は使える状態ってことよ。

 ミコト、全属性が使えるのね……。

 しかも、聖魔法はもう使えてるってことよ」

「うん……、あ、掃除で使ってたかも!?」

「え?」

「あー、落ちない汚れがさ!

 私が掃除すると落ちるんだ。

 洗濯とかも!

 染み抜きしなきゃなのも私が洗うと落ちたりして!」


 プリシラの目が丸くなった。


「え?

 そんなところに聖魔法使ってたってこと!?」

「この魔法って、使えるようになると☆が増えるの?」

「あ、そうね。

 水は私が教えてあげられるけど……。

 もう少しシーザー王国から離れたら、ギルドの魔法講習に出てもいいかもね」

「プリシラが狩りで使ってた水の矢『ウォーターアロー』とか使えるようになる?」

「練習すればね」

「へー、頑張ろう!

 これ、年齢とか出ないのはわけがあるの?」

「本人確認は血で行うから。

 本人の血にミコトという通称と出身地と保証人の情報を乗せているだけなの。

 でもギルドが血で管理している情報だから偽造とかできないしね。

 何かあれば血で照会できるから、カードには冒険者として必要最低限の情報しか載ってないのよ」

「年齢は必要じゃないの?

 なら、私の年齢も聞かれたら、10歳ですってしとくこともできるの?」


 プリシラが頷く。


「そうね。

 ミコトは10歳で、クルトと同じ黒髪だから、クルトの妹ってことにしておきましょう」


 私は頷いた。

 魔法、楽しみ!


「プリシラの保証人はマルスさんだったんだね!」

「ええ、『エスタ』では、年季が開ければ自立することもできたし、自分で稼いで借金として返すこともできたからね。

 マダムが……、いろいろ便宜を図ってくれてて、ね」


 そっか、マダム、仕事やお金には厳しい人だったけれど、そういうとこはいい人だったんだね。

 ま、私がうんと言わないから、貴族の家に行くことを無理強いもしなかったし。


読んで下さり、ありがとうございます。

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