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48 ユニコーン(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

 その後、ライカン達と合流して、博士はここまでとなった。


「また、フィールドワークに一緒に行ってくれると助かる!

 その時は研究所出発にして、荷物を収納してもらいたいな」


 確かに、そのほうが博士とオハラさんは楽だよね。

 オハラさんと一緒に馬車に乗り、ギルドへ行き、依頼が無事に終わった報告と、仕事の態度というか内容についてオハラさんからギルドへ報告。

 良い報告をしてもらえ、次回も指名をしたいと言って貰えたそう。

 お金もきちんともらって、オハラさんとはここでお別れ。


「ミコト!

 マルミは旅から帰ってきたばかりだから、しばらくは研究所にいつもいるから!」

「はい!

 遊びに伺ってみます!

 ありがとうございます!」


 私はマルミさんに引き合わせてもらったことにお礼を言い、オハラさんを見送った。

 引き続き、パーティの名前をきちんと決めることになる。

 

 ライカンが「何かアイデアがあれば!」と言ってくれるが、みんな困り顔だ。


「ミコトからさっき『ユニコーン』はどうだと言われたんだが……」

「ユニコーンって、神獣の?」


 シアはやっぱり物知りだな。

 私は博士に聞いた話をした。

 私のペンダントから一角ウサギの話になり、幸運のモチーフはユニコーンが元で、一角ウサギもそう思われるようになったんじゃないかって教えてもらったこと。

 シーザー王国だと神獣。マイルズ共和国では伝説の魔物という感じらしいこと。


「……いいんじゃない。

『なんとかのユニコーン』だとちょっとどうかなって思うけど」


 ユミエラが言った。

『迷宮のユニコーン』とか『暗黒のユニコーン』とか!?

 私は笑っちゃった。


「あ、ミコト、そういうのも考えたの!?」


 ユミエラも笑って、シアも笑う。


「いいんじゃない。白い一角の馬だよな」


 エドガーも言ってくれて、私達のパーティ名は『ユニコーン』に決まった。

 ライカンとシアが手続きに行き、そのままお金の話をしてくるということで、残りの三人で買い物に行くことにする。

 いつものように食材を買いながら、蜂蜜も買った。

 これで、残りの蜂蜜では蜂蜜レモン漬け作ろう♪

 後、魚のスープの代わりに煮干しを買った。

 

「え、これ食べられるの!?

 硬いけど!?」


 ユミエラには不評でしたが、スープの出汁を取るんだと話すとお店のおじさんが少しおまけしてくれた。


 ギルドに戻ると、もう話は終わったみたいで掲示板の所でシアとライカンと職員が話をしている。


「あ、みんなギルドカードの更新を!」


 シアに言われて私達は一緒にカードの更新をした。

 カードにパーティ名が入った。

 ああ『ユニコーン』だけして良かった。

 ここに『暗黒の迷宮』とか『地獄の咆哮』『迷宮のユニコーン』とか入ってたら見せるの恥かしい、と思う……。


 ギルドを出て、乗合馬車乗り場に向かいながら「明日も依頼が入ったわ」とシアに言われた。

 図書館からセーブルをもっと獲って来て欲しいと言われたそうだ。


「じゃあ、歩いて行けるあの狩場だね!」

「そうね。とりあえず、あそこで、セーブルを探してみましょう!」


 あそこなら近いから、午前中で狩りが終われば、午後、薬学研究所に行けるかな?



 家に着いてから、私は味噌汁を作った。

 煮干しは内臓と頭を外した。我が家ではそうしてた。時々、手伝ってたもんね。

 出汁を取り、煮干しは取り出した。

 もったいないから食べちゃえ。成長期のカルシウムだ!

 そして、買ってきた青菜を洗って入れて、そこにお味噌を溶いて……。

 うーん、懐かしい匂い!

 一口味見!

 うーわ!

 お味噌汁だー!!

 すごーい!!

 エドガーが私が涙ぐんでるのを見て「それが『日本』の料理なの?」と言った。

 私は味見の皿に一口よそってあげた。

 たぶん、味噌そのものを見るより、汁になってる方が抵抗はないだろう。

 恐る恐る飲んでた。


「うまい……。

 でも、素材がよくわからないな……」


 夕食時、みんな不思議そうな顔してお味噌汁を見ている。

 でも、みんな一口飲んでくれて、頷いてる。


「悪くないわね」とユミエラ。

「青菜をこんな風にするとたくさん食べられそうね」とシア。

「優しい味だな」とライカン。


「うん、これにご飯入れて卵入れればおじやになるよ」

「ごはん? おじや?」


 ユミエラが不思議そうな顔をする。


「ああ、風邪とか病気の時に食べてた料理……。

 風邪引いた時とか、お腹が痛い時とかにお母さんがよく作ってくれた……」


 にこにこ説明を始めたんだけど、その時にお母さんのことを思い出しちゃって……。

 急に悲しくなった。

 涙がじわっとして、私は慌てて目をつぶって、涙を拭いた。


「ミコト……」


 シアが心配そうに見てる。


「大丈夫! その、ちょっとだけ、思い出しちゃって。

 でも、思い出すの嫌じゃないの。

 ちょっと悲しくなるけど、思い出すのは嫌じゃない……」


 私は頷いて、お味噌汁をもう一口飲んだ。

 うん、なんだか繋がっているような気がするよ。

 もう会えなくても、お母さんのことは、お母さんが作ってた料理は私の中にある。


「みんなに、私の料理を食べてもらえるのは、一緒に食べてもらえるのはうれしいな」



 夜、寝る前にエドガーが部屋に来た。


「ミコト、大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

「その……、薬学研究所、行きたいんだろ?」

「うん……、マルミさんの話を聞いてみたい。

 マイルズ共和国では私はどんな生き方ができるのか。ヒントになると思うんだよね」

「……シーザーでは第2王子の妻で、神殿に閉じ込められるように生きて。

 アサニヤでは聖女として尊敬されるけど、巡回とか人のために生きてるような。

 マイルズでは、魔法使いとか言ってたな」

「あ、マルミさんはエドガーと一緒じゃない!?

 転移者の子どもってことだもん!」

「……明日、行ってみるか?」

「うん、行けたらでいいけど。

 一緒に行ってくれる?」

「うん、一緒に行くよ」

「ありがとう」


 私はエドガーと手を握り合った。

 

「帰りたいと、今でも思っている?」


 すごく小さな声で聞かれた。

 私は考え込む。

 どうなんだろう。

 帰りたい気持ちはあるけど、それより、今はエドガーの方が大切になってきている。


「今は帰らなくてもいいかなと思ってる。

 エドガーがいるから」


 エドガーがうれしそうに微笑んだ。


「でもね。日本はやっぱり懐かしいよ。

 エドガーのお母さんのスミレコさんにも食べさせてあげたかったな。お味噌汁」

「……うん、俺が飲んだと知ったら、驚くかもね」


 私達は笑った。笑って、顔が近づく。

 

「近ーい!」


 ユミエラが乱入してきた。


「なんだよ!

 いいところだったのに!!」


 エドガーが怒ったように言って。

 そういえば、エドガーの双子の王子。

 エドワード王子って、どんな人なんだろう?

 エドワード王子にもお味噌汁とかおにぎりとか食べさせてあげたいな……。

 そういえば、梅干しは作れるのかな?

 納豆はあるとか言ってた!

 白いご飯に納豆……。

 醤油がないけど、塩でもいけるかな。

 私は醤油抜きで作れそうな料理を頭に思い浮かべていた。

 

 納豆とかみんなびっくりしそうだよね。

 イカより真剣に心配されちゃうかも!?

 それ「腐ってる!」って!


読んで下さり、ありがとうございます。

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