46 薬学!?(ミコト視点)
どうぞよろしくお願いします。
カイトは夕方、少しだけ遊びに来た。
今日の午後、学校を見に行ってきたそう。
まだ入学の年齢ではないが(来年らしい)、週に3回ほど通って遊びながら学びを……みたいなのがあるらしい。
幼稚園みたいなものかな?
でもそういうのがあるなら、すぐに友達もできそうだよね!
夕食の時にレモンティーを作りみんなで飲んだ。
おいしかったー!!
蜂蜜、また買いたい!
そうすれば、今食べかけの瓶で蜂蜜レモン漬け作れるよね!
次の日の朝。依頼された初仕事!
私は話し相手の仕事を依頼されたことはあるけど、パーティとして冒険者としての依頼は初めてだもんね。
この仕事の帰りにみんなでギルドに寄るから。その時に貯金とか投資の話をしてみようとライカンとシアが話していた。
「パーティ名をどうするか……」
ライカンの言葉に笑っちゃった。
だってすごく深刻そうに言うんだもの。
なんか悪い思い出でもあるのかな?
「あんまり変なのじゃなきゃいいんじゃない?」とユミエラ。
「変なのって?」
私は聞いてしまった。
ユミエラはちょっと考えて……。
「そうね……、迷宮とか探索者とか咆哮とか地獄とか暗黒とか……、そういう言葉を使わない……かな?」
あー!
カノンにいた頃、若い冒険者達のパーティ結成した話よく聞いたけど……。
『地獄からの御使い』→何のお使い?
『迷宮の探索者』→一生出て来れなそう。
『暗黒の迷宮』→迷う前に何も見えない。
『顎の咆哮』→顎が吠えてるって、普通?
確かに、不思議な名前だなーとは思ってた。
でも、彼らはそれをカッコいいと思ってたんだから……。
はっ! これが黒歴史って奴か!?
「うーん、だったら、かわいい名前がいいなあ」
私はペンダントの飾り玉を触りながら言った。
ギルドに到着!
少し早めに来たんだけど、もうオハラさんとおじさんがいた。
山歩きみたいな格好となんだか大荷物を後ろに……。
ターナーさん、薬学博士と紹介された。
オハラさんは『博士』と呼ぶので、私達もそう呼ばせてもらうことにする。
すごい荷物は採取瓶や箱、植物を挟むための厚紙と布で作られた専用の挟むノートみたいなものらしい。
私とライカンは半分ずつ収納した。どちらがそばにいても出せるようにね。
それから、研究室が手配した馬車でそのフィールドワークの場所に出掛ける。
昨日の狩場とは違う場所で、少し遠く、狩場として冒険者が入る場所より奥の方らしい。
夕方、馬車を降りた所まで馬車が迎えに来てくれるそう。
馬車を降りて、少し歩く。
歩いている途中でも、博士とオハラさんはゆっくりと歩いて、周囲の植物や虫に目を凝らしているようだ。
私は今まで、虫までの魔力を探ることはしなかったから……。
意識して大きな魔力を追うようにしてたから、虫を感知するのは難しいなっていうか、お目当ての虫だけとか本当に難しそう。
植物は私も嫌いな方じゃないから、博士のそばで博士が採取した植物を見て、同じものがあると知らせたりした。
「良く見分けられたね」と感心された。
「前に薬草の採集とかもしたことがあるので」
「ほう、どちらで?」
「シーザー王国の方です。マイルズ川の近くです」
「こことはだいぶ植物分布が違うのではないかな?」
「はい、見たことのない葉っぱも多いです」
その時、博士が腰の網を出してバサッとした。
コオロギみたいなバッタみたいな虫の魔物だ。
私はその大きさに合わせた瓶をひとつ出して、渡した。
その瓶にコオロギを入れて、渡される。
私は私の中で採集済みと名付けた空間に瓶を入れた。
少し進むとなんだか、道がなくなってきたような……。
ジャングルみたい。
海に近いとこんなところもあるんだ!
昨日は山の方だったので、草原とかもあって爽やかだったのに!?
私がそのことを聞いてみると南の海側にはこのような雑食植物が多い森があるそう。ここはそのひとつ。
雑食植物は栄養があるので、それを食べる強い動物魔物もいるのだそう。
だから護衛がいる、そうだ。
「道は大丈夫なのですか?」
オハラさんと先頭を歩いていたライカンが聞いている。
そうだよね、道ないよね!?
「大丈夫です。こっちの方角なのは確かです。
木に赤い布が結び付けてあれば合ってます」
オハラさんの言葉に周囲の木を見上げてキョロキョロすると、枝に赤い布が結び付けられているのが見えた。
なるほど、これが印なんだな。
ゆっくりと採取しながら進んで行き、沼のような場所に出た。
うわ、虫の魔物多そうだな。
博士がどんどん採取するので、私はどんどん瓶や挟むノートみたいなのを渡し、収納した。
「ここから雑食植物のエリアになる。
気をつけてくれ」
オハラさんに言われ、気を引き締める。
植物ってことは根付いているんだよね?
その時、何か魔物の悲鳴みたいのが聞こえた。
私達がレミーやウサギを狩る時の鳴き声に似ている。
その声の方に博士が進む。
私達は周囲を警戒しながら進む。
木に絡みつく様にツタのようなものが伸びていて、花のようなものが咲いている。
その花の中心に蜜が球のように盛り上がっていて。
下の方の花が閉じかけていて、隙間からレミーがもがいているのが見えた。レミーだと思うんだけど、ここでは種類が違うのかな?
蜜で誘って……、花は花でなくて触手みたいな感じなのかな?
博士とオハラさんは咲いている花の方をいくつか切り取り、蜜を採取瓶に集めてから、箱に花を入れた。
採取した花も、切られたツルもうにょうにょ動いている。
うーん、感情がある生き物じゃないから大丈夫か!?
収納する。
すぐ離れてて、さらに周囲を歩いている時にユミエラが「わっ!」と叫んだ。
「ここ! 落とし穴みたいになってる!」
その声にオハラさんと博士が駆け付ける。
どっちが護衛何だか!?
オハラさんがシャベルを出してその横を掘ると、土の下にぽっかりと空間ができていて、下に何かの口みたいなのが見えた。
これも植物なのか?
「これも雑食植物です。
落ちてきた獲物を周囲の土を止めている根っこ状の触手で絡めて引きずり込み、下の口で噛みつくようにして食べます。
大きなものだと人間も食べられることがあり、マンイーターと名が付けられています」
オハラさんの説明、怖すぎる。
オハラさんは周囲の土にシャベルを入れ、根っこみたいなのを採取して、ライカンに少し大きめの採取瓶を出すように言うと、そこにせっせと詰め始めた。
そこを離れようとすると、茶ボアが現れ、私達が狩ろうとすると「放って置きなさい」と博士が言った。
茶ボアは私達が開けた穴の周囲を掘り、触手をかじっている。
落とし穴に気づかずに落ちればやられるが、落ちずに外から触手を掘ることができれば、ボアの方が強いのだそう。
ひー、弱肉強食?
うん違うか?
どっちが強いのバトルみたいな?
「でもそれじゃ、植物は食べられちゃうよね?」
ユミエラの言葉に博士が言った。
「食べられて、ボアに次の場所に運んでもらうというのも植物の戦略なのだよ」
「え? 根っこに種があるの?」
「この根は生命力が強くてね。
ちぎれた根っこからも発芽するんだ」
つまり、ボアのお腹の中でも生きていて、フンからそこに根を下ろすみたいな感じ!!
ちょっとボアを食べる気が失せた。
でも、内臓だけ食べなきゃいいか……。
「ここらはマンイーターの群生地のようだな。
採取もできたから戻ろう!」
博士の言葉に根っこに夢中なボアをそのままにして、少し戻ることにした。
えっと、薬学だよね?
植物とか虫の研究じゃないよね?
ジャングルを抜けて、見慣れた森みたいな雰囲気になったところで、昼食を食べることになる。
私達はいつものパンだけど、今日は魚のフライを挟んだのとハムとチーズを挟んだものだ。
博士とオハラさんは……、おにぎり!?
ここお米があるの!?
私はじっと見てしまった。
「おにぎりに興味が?」
オハラさんに言われて頷く。
「ひとつ交換しますか?」
「ぜひ!!」
私はハムとチーズのパンと交換してもらう。
ん、ご飯だけじゃない。
麦も入ってるみたいな?
カレーの時の麦入りご飯に似ている。
食べてみてびっくりした。
味噌!!
お味噌が具に入ってる!!
私は久しぶりの和食に大興奮して噛みしめるように食べ終わると、自分の水筒を出してお茶を飲んだ。
読んで下さり、ありがとうございます!
短編「死の天使」を投稿してます。
ある異世界の戦争の話で、登場人物に名前はないみたいな感じの話です。
朝のニュース見て、ウクライナはドローン、ロシアはミサイルで攻撃してるのかーと思って、そのまま3時間ほどで書いてしまいました。
ジャンルに悩み、文芸、ヒューマンドラマにしてみました。バッドエンドなんだろうけど。
こちらも読んでいただけたらうれしいです。
ジャンルって本当に悩みます……。




