44 お泊り(ミコト視点)
どうぞよろしくお願いします。
すぐにライカンとシアは戻ってきて、ライカンは薪を手に抱えていて、シアはパンを持ってた。
「今日は使う分の薪だけもらってきた。
明日、業者に頼むのをクラウスさんにお願いしてきた。
一応、かまどには決められた薪を使って欲しいそうだ。
なんでも、木によって煙の質が悪いことがあるそうだ」
ライカンがそう言いながら、室内の薪置き場にばらして置いてくれた。
シアも台所にパンを置きながら言った。
「今夜はカイトくんをお預かりすることになったわ!」
カイトくんはにこにこで、エドガーは不機嫌そうになり、ユミエラはニヤニヤしてる。
まあ、カイトくんが来なかったら、寝る前に部屋で少し話をしたりはできたかもだけど……。
ドアない部屋だからイチャイチャはできない。
食事終えてからリビングでみんなでおしゃべりをしていた。
「エドガーはミコトの婚約者なんだよね。
結婚の約束、してる」
カイトくんが言って。
エドガーが頷いた。
「おじさんなのに?」
「お、おじさん!?」
「だって、ミコトはまだ小さいよね」
エドガーがショック受けてる。
私は慌てて自分の年齢を言う。
「いやいや、カイトくん!
私、14歳だから!」
「ミコト、カイトって呼んで!」
「え、あ、じゃあ、カイト!
私は14歳で、ちゃんとそういう約束をもうできる歳で、エドガーと婚約してるから!」
「でも、まだ結婚はしてないでしょ?」
「そりゃ婚約中だから、まだと言えばまだだけど」
「いくつちがうの?」
エドガーがすぐ答える。
「七つだ」
何気に気にしてるのかな?
「七つ……。
僕とミコトは九つ違うって、お母さんが言ってた……」
指を折々しながら、しゅんとするカイト。
「俺の方が勝ってるな」
エドガーの言葉にライカンとユミエラが飲んでいたお茶をブッと吹いた。
どういう勝ち負けなんだろう……。
「……それなら、私は六つ違いだから、私が一番の勝ちね!」
ユミエラが口元を拭いてからそう言って、大笑いした。
風呂は外に風呂用の焚口があり、薪で沸かすんだけど、ライカンがユミエラに「魔法で温められるだろう?」と聞いた。
「そうか! 熱魔法でお風呂にできるか!」
久しぶりのお風呂、のんびり湯船で温まって幸せー!
女性チームと男性チームにして、カイトはエドガーとライカンが入れてくれることになったんだよね。
私達が出た後、ざっとお湯を抜いて、また水をためながら、ユミエラと一緒に熱魔法してみた。
うん、いい感じ!
水は簡単な水道が作られてるから、入れるの楽だし、こうやって湯にできれば、いつでも入れる!
「エドガー達も入っちゃって!」
私はリビングを通りながらそう声を掛け、ドアのある女子部屋? に入って、髪をよく拭いた。
私は熱魔法と風魔法を組み合わせて、髪を乾かし、シアの髪の毛も乾かしてあげた。
ユミエラは短いからすぐ乾くしね。
それから、ユミエラが手伝ってくれて、髪にくせをつけていく。
リビングに出ると、風呂からギャーギャーワーワー賑やかな声。
何やってんだ!?
「ふふふっ、ライカンや私にはもうあれぐらいの子がいてもおかしくないわよね」
シアが笑って。
「いや、ライカンならもっと大きくても」
ユミエラが真面目な顔で言うから、三人で大笑いしちゃった。
カイトは風呂から出てきて、着替えて、ベッドに入ると、こてんと寝てしまった。
やっぱり、疲れてたんだな。
私もカイトに毛布を掛けてあげながらあくびが出た。
今朝まで船に乗ってたわけで、生活できる状態にするためにギルドに行って買い物して……。
明日はこの街で初めての狩りだ。
私がベッドに入って横になろうとしていたらエドガーがやって来てカイトの寝顔をやさしい表情で見た。
「疲れてたんだな。
風呂で、すっげーはしゃいでさ。
新しい場所の不安とか、そういうのもあったのかもな。
ミコトは大丈夫か?」
「うん、私ももう寝る。
眠いや」
私のベッドに座ってキスしようとして、頬にチュッとしてくれた。
ああ、口へのキスじゃないんだ?
そう思ったら、リビングからみんなが見てた!
あー、それでね。
私はくすくす笑った。
「笑うなよ……」
エドガーが残念そうに言った。
私はエドガーの頬にチュッとした。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
エドガーはランプを持ってリビングに戻っていく。
ドアないからぼんやりリビングの明かりが洩れてきて、いい感じだな。
まだ初めての家で真っ暗はこわいもんね。
次の日の朝。私は窓の明るさに目が覚めた。
カーテンから陽が透けている。
まだカイトはぐっすり。
そっと起きて、台所に行くとシアとエドがいて朝食の準備をしてくれてた。
私は風呂場に行き、顔を洗って、髪のくせを追加した。
これでよし!
台所に戻り手伝おうとする。
「ミコトはお弁当作ってくれない?」
シアに頼まれて薄切りにしたパンにバターを塗り、チーズとハムを挟んだ物、塩コショウして焼いた卵焼きを挟んだ物を作った。
後、丸かじりできる果物……、スモモかプルーンか? みたいな実を洗って、すぐ食べれる状態にして、まとめて収納した。
これでよし!
自分の水筒に温かいお茶を入れて、収納。
ノートにメモっておく。
なんだか、ずっと入ってる物とかもあって、今度ゆっくり整理しなきゃな……。
「カイトを起こしてきて!」
シアに言われ、カイトを起こしに行き、そのまま一緒にユミエラを起こしに行った。
「もう、ユミエラはお寝坊だな~」
カイトが言うので、笑いを堪えるのが大変だった。
1分くらいしか差がないよ。
ライカンは寝坊じゃなくて、早朝、この家の周囲を散歩がてら歩いていろいろ見てきたそう。
乗合馬車の時間とか、研究所の場所とか、あとこの家の周りをぐるっと見て、庭に果樹がなってたとひとつ取って来てくれた。
レモンだ!!
蜂蜜レモンティーが作れる!!
夜にでもみんなに作ってあげよう!!
朝食を食べて、カイトを隣の家に送って行く。
もうクラウスさんは仕事に出たそう。
今日はこのまま午前中はカテリーナさんと家で過ごすそう。
私達は出かけてしまうので、薪の業者さんが来たら外の薪置き場に入れておいてもらって欲しいとお願いして、薪1回分(だいたい一週間分ぐらい)のお金を預けた。
「よろしくお願いします!」
「カイト、またな!」
「いってきまーす!」
「「いってらっしゃーい」」
カテリーナさんとカイトに見送られ、私達は地理歴史研究所に一番近い狩場を目指して歩き出す。
山の方へ向かう感じだ。
狩りが終わったら、こっち絵に戻って来て、乗合馬車でギルドに売りに行かなくちゃいけない。買い物もその時だ。
そう考えると、今まで過ごした街の中では一番大きいんだな!
そうライカンに言ってみると「うーん、確かにそうかもしれないがここは特殊かもな」と言われる。
「図書館を中心に学術的な施設ができ、人が集まり、そういう街だから、計画的に整備された道、建物という街造りが進んだ。
普通はさらに発展してどんどん街が広がるという話になるだろうが、ここはまあ奥の辺境の地でもあり、また研究という目的を持った人材が流動しているから、人口増加もほとんどないんだろう」
ボアとウサギはたくさん狩ってもいいんだっけ?
ディアは小さいんだっけ?
狩場に到着すると、私は周辺の魔力を探る。
ウサギの群れ、発見!
もうウサギの群れがいるところにエドガーと私で直接ストーンバレットを打ち込んで、大部分を仕留めた。
15羽、一気にゲット!
一角ウサギだった。
一気に仕留めたので、そこまで大きな騒ぎにならず、他の魔物も大きく移動していない。
その時、奥の方で大きな魔物の魔力を感じた。
ディアに似てるけど……、もう少し大きくて太い感じ。
読んで下さり、ありがとうございます。




