23 追手の影(ミコト視点)
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がんばります!
宿でみんなで夕食を楽しんだ。
特にウジューの香草焼きってのがおいしかった!
で、明日は私とエドガーでロバートさんを訪ねることになった。いないかもしれないけどね。
ユミエラとライカンとシアは、ソーマとディーと狩りに行く。
最初、シアもロバートさんを訪ねようって言ってたんだけど、狩りチームに魔法で支援する人がいないとなって、そう決まったんだ。
あれ?
エドガーとふたりっきり!?
食事を終え、ソーマは家に戻り、ディーも自分の部屋で明日の仕度をすると。
狩りで汗をかいたろうからと風呂をどうぞと言われた。
ここでの風呂はゆっくり入る感じじゃなく、熱いお湯を溜めた大きな桶があってその湿気が部屋を暖めていて裸になり、もうひとつの桶に水があるので自分で熱さを加減してお湯を浴びて身体や髪を洗うって感じだった。
それでも気持ちがいい。
「やっぱり、小柄だけど、身体つきは大人っぽくはなってきたわよね」
ユミエラに言われて。
でも、ユミエラとシアの前じゃ、全くそうは思いません!!
「明日は二人きりでしょ!
気をつけなよ!」
続けてそう言われるけど……。
「気をつける……、具体的に何を?」
「あ……、まあふたりきりになれる部屋もないしね。大丈夫か!」
「明日はみんな夕方くらいまで?」
「んー、たぶん今日よりは早いよ。
夕方前には帰ってくることになりそうよね?」
シアの言葉にユミエラも「そうね!」と返事している。
その言葉に安心する。
ロバートさんの所へ行って、街をぶらぶらしてお昼どっかで食べるくらいだね。
朝、みんなを送り出してから、エドガーと宿を出た。
オルガ商会のある所まで街の中を歩く。
衣料品店が並んでいるところがあり、エドガーに見てみたいと言って、入ってみる。
わあ、けっこうカラフルな品揃え!!
上着、ダボッとしてるからサイズ的にはまだ大丈夫なんだけど、もうちょっと薄手というか、何かいいのないかなと。
スカーフを頭から巻いているお姉さんが店員さんで。
あ、あれなら髪の毛隠れる?
いろいろな巻き方を想像する。
時代劇の女の人もなんか巻いてたよね。
頭巾とか?
そうか、帽子ってのもありかも!
あ、でも、私、髪の毛長いから……、切っちゃうか!
一枚スカーフを買って研究してみることにする。
お店のお姉さんに聞いたら、ここから南の方の地域だと日差しを避けるためにスカーフを被っている女性が多くなるんだって。
みんな自分なりの巻き方を工夫しておしゃれとして楽しむんだそう。
それなら、私も巻いててもおかしくないよね。
店員のお姉さんには薄いピンクのスカーフを勧められて巻き方を教えてもらいながら試着してみる。
ん、なんか、なんちゃって忍者みたい。
でもスカーフは薄いから上着のフードより涼しいし、見た目も涼し気だし。
私はせっかくいろいろな柄のあるスカーフがあるので、淡い緑に淡い黄色のきれいな蔓草模様が入っているスカーフにした。
ピンクよりは大人っぽいかな。
エドガーが払おうとしてくれたけど、自分のお金で買いました。
「そういえば、ユミエラの借金ってどうなったの?」
「あー、少しずつ返してくれているよ」
へーそうなんだ!
それを聞いてシアとユミエラにも買おう! と思いついた。
エドガーに一緒に選んでもらう。
シアにはきれいな明るい青で、縁に濃い黄色のラインが入っているのにした。
何かキャビンアテンダントさんがつけてそうと思った。
ユミエラには濃いめの緑の地に青で花の模様が入っているのにした。
これも私が払いました。だって、プレゼントだもの!
それから、さらに歩いてオルガ商会支店の建物に到着。
けっこう大きな商会なんだということがわかる。
中に入り、カウンターの方へエドガーが聞きにいってくれている時、「あれ? ミコトさん?」と声を掛けられた。
振り向いたらロバートさんで!!
「マイネまで到着されたのですね!
あれ、プリシラさん、クルトさん、ミカエラさんは……?」
「あ、私と、く、クルトで来たんです!」
私は急に名を変えたというのも変かなとロバートさんに合わせた。
「そういえばミコトさん達はシーザー王国の方達なんですよね?
デュランでシーザー王国の方にミコトさん、プリシラさん、ミカエラさんを知らないか、見なかったかと聞かれましたよ」
「えっ?」
私は背筋がスーッとした。
エドガーが気がついたようでこちらに戻ってくる。
「ロバートさん!
お久しぶりです!」
私はエドガーの方を見て「クルト!」と呼んだ。
エドガーが一瞬怪訝そうな顔をしたが話を合わせてくれた。
「……プリシラとミカエラもよろしくって話してました!」
「これからみなさんでジュノーまで?」
「それは……」
エドガーが言いかけて、私はその上から言った。
「そうですね! ジュノーに向かう予定です!」
「大きな街、首都ですからね!
楽しみにしてて下さい!
私も御一緒できれば良かったのですが、またデュランに買い付けに行くことになりまして。
今日はお昼をごちそうさせて下さい」
私はエドガーと顔を見合わせ、頷いた。
「ちょっと仕事を片付けてきてしまうので、待っていて下さい!」
ロバートさんが奥へ入ってしまうと、エドガーが『?』という表情で私を見た。
「デュランでシーザー王国の人に、私とプリシラとミカエラのこと聞かれたんだって」
「えっ?」
「追手というか、調べられてるのかな?
ロバートさんには悪いけど、名前を変えたことはお知らせしないで行き先も変えた方がいい」
「口止めするのではなく?」
「ロバートさんがどう話したのかまではわからなかったから。
でも、変に口止めをお願いする方が気になるよね。様子を見ようよ」
戻って来たロバートさんはオルガ商会直営のレストランに連れて行ってくれて、シーザー王国のチーズを使った料理を頼んでくれた。
なんか懐かしい!
その時に話を聞くことができて、私達のことを聞かれたこと、怪しいと思ったので『知りません。見かけていないと思います』と答えたと教えてくれた。
私とエドガーはお礼を言い、確かに少し訳ありで……なんて濁して、お礼を伝えた。
ロバートさんと別れる時、チーズのお土産を貰っちゃった。
ロバートさんは言わないでくれていた。
今回、話ができたことで、もし何かまた聞かれても私達のことは黙ってくれているだろうけど、美女三人(あれ、二人?)と噂になってたこともあり、こっちへ来ているのはばれていそう。
となると、ジュノーではなく……。
「まあ、みんなと相談だけど、サライへ行ってマイルズ川を船で渡り、アサニヤ王国へ一度入るか。
名前を変えてるし、ここで撒くことができるかもしれない」
私とエドガーは食料や野営に必要な物など多めに買いこんで宿に戻った。
宿に戻るともうユミエラ、シア、ライカンは戻っていて!
私達の部屋の方にライアンも来て何か話をしていたようだ。
「早かったね!
ディア、何頭獲れた?」
私は明るく声を掛けたが……。
何かユミエラの表情が暗い。
「どうしたの?」
シアがユミエラをちらりと見て「このふたりには話すよ」と言った。
頷くユミエラ。
「狩りをしている時、他の冒険者のパーティに会ってね。
その中に……、ユミエラ、いえ、ミカエラの客だった人がいたみたいで……」
読んで下さり、ありがとうございます。
今日はこれから出掛ける予定があり、朝投稿のみとなります。
どうぞよろしくお願いします。




