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22 えっち!?(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

「あーいうことは言わないっ!」


 エドガーにこそこそ言われた。


「だって『恋人らしいことなんてできない』とか言うから……」


 フィオナはあの後、すっかりおとなしくなったので、認めてくれたと安心してたんだけど。

 

「俺達自身がちゃんと恋人ってわかっていればいいの!」

「……わかった、もう言わない。

 というか、言う気はなかったんだよ。

 あんなこと言われなきゃ。

 だって、エドガーがそんなに余裕ないって誰も思わないだろうしね……」

「ん?

 余裕がない?

 ミコトちゃんと意味わかって言ってたのか!?」

「えっ!

 まあ……、その、男女のことはいろいろ姉さん方に話を聞いてるし。

 その姉さん方が読んでる本を私も読んでたし……。

 あのキスの仕方は、どちらかというと『余裕がない』とか『我慢できずに貪った』とか書かれていた感じだよね……」


 エドガーがびっくりした顔をする。


「知ってる!?」

「うん、知ってるだけで、したことはないから」

「当たり前だよ!」

「あんな風に意地悪してくる人はほとんどいないだろうから。ごめん。

 もう言わない……」

 

 エドガーはふーっと息を吐き、ニヤリと笑った。


「約束破ったら……。

 覚えときな。

 途中でやめてやらないから」


 耳元で囁かれてぞわっとした。


「……途中でやめないって、どういう……」

「そういう意味だよ。わかっているんだろ」


 私は赤くなった後、青くなったんだと思う。


「本気で怖がるなよっ!」


 苦笑された。

 気づくとディーとフィオネは少し離れた位置でこちらを気にしてて。


「イチャイチャしてるように見えた?」

「……仕事しようか」

「うん」


 私は魔力の気配を探った、



 昼の待ち合わせまでにディアは無理だったけれど、出歯ウサギを6羽、ボアを1頭、狩ることができた。

 向こうのチームは出歯ウサギ12羽、ディア2頭、ボア1頭とかなり成果が良かった。

 お弁当でお昼。

 私とユミエラでお湯を沸かそうとしてユミエラに「ミコトは水と風!」と言われてはっとした。

 あぶないあぶない……。


 ユミエラとシアでお茶を入れてくれて、飲んでから午後のチーム分け。

 ライカンと私は収納魔法持ちなので、一緒のチームにはなれない。

 ライカン、ディー、フィオナ、シア。

 ユミエラ、ソーマ、エドガー、私。


 シアにはこそっと「フィオナ、すごいから気をつけて」と言っておいた。


 分かれるとユミエラが待ち構えていたように聞いてきた。


「なんであんなに獲物が少なかったの?」

「最初ウサギとディアの群れがいると教えたんだけど、フィオナが信用してくれなくて、ウサギ追っ払っちゃったんだよ。 

 そしたら、しばらく周囲の魔物に警戒されて」


 ソーマがびっくりしたように言った。


「群れがいるってわかる!?」


 私は頷いた。


「魔力の気配でね。

 すごく遠くは無理だけど、まだ群れがこちらに気づいていないうちにわかれば、狩りしやすいよ」

「すごいな」

「ミコトはすごいのよ!

 もっと魔法の修行をすれば、すごい魔法使いになれると思うわ!」


 ユミエラがうれしそうに言ってくれた。

 私はソーマに確認する。


「ソーマ、ディーとフィオナは恋人同士だよね?」


 ソーマに苦笑された。


「そんな風に見えた?」

「んー、私がディーともエドガーとも話すのを邪魔してきたし……」

「えー、何それ!?」


 ユミエラが驚いている。

 そうだよね。エドガーは私の恋人なんだし!


「フィオナらしいけど。

 エドガーもかっこいいから、悔しかったんだろな。

 ミコトとエドガーが恋人って聞いてさ。

 あのふたりは付き合ってないよ。

 フィオナはディーに気があると思うけど、他の男にもなんか、な。

 ディーも嫌いじゃないと思うけど、今は少し引いてる感じかな」

「……つきあっていなかったんだ」

「何、なんか言ってやったの?」


 ユミエラの言葉に……。


「いやいや……、ふふっ」


 私、変なこと言っちゃったなー。

 道理でふたりとも顔を赤くしてたわけだ……。

 笑って誤魔化すしかない。


「ミコト! 気配!」


 ナイスタイミングでエドガーが言ってくれて、うやむやにできた。

 私は気配を探って……。


「こっち!

 ディアの5頭の群れがいる!」


 ソーマはとても連携が上手で、みんなで配置に着き、私が魔法で追い立てて。

 すごくうまくいって、3頭も仕留めることができた!

 その後、大きめのボアを1頭。

 それとウジューと呼ばれてる小さめの鶏みたいな鳥の群れに先に気づくことができて、水魔法を掛けて飛べなくしてから12羽仕留めることができた。

 飛ぶのは下手な鳥なんだけど、そのせいかかなり敏感で、狩りで採るのは難しいんだって。

 罠で獲るのが主流だけど、それもけっこう難しいんだって。


 夕方になる前に昼食を食べた場所でまた集合して、ギルドに向かう。


 ディー達はあまり成果がなかったとのこと。

 フィオナがシアに代わって、追立役をやった時に失敗してしまったと。

 前半がシアで魔法での追立役をしてたんだもんね。


「フィオナは魔法担当だったの?」


 私の前では魔法使わなかったのでわからなかった。

 私を遠ざけるには私に追い立て役をさせた方がいいからか?


 ディーが答えてくれた。


「いつもはフィオナが追い立て役をやるんだよ。

 今日は同じような動きをするミコトやシアがいたからね」

「フィオナももっと頑張らないとな!

 シアもミコトもすごく狩りしやすかったぞ。

 今回のふたりの動きを思い出して動いたらいいと思うぞ!」


 ソーマがそう言ったら、フィオナはプイッとしてる。


 ギルドに到着し、八人連名で買取してもらうことにした。

 宿にお土産としてディアの肉とウジューを6話、取り置いてもらい、後は全部売ることに。

 まあまあ、いい稼ぎになったと思う。ディア、今人気あるんだって。

 フィオナがディーとソーマに食事をして行こうと言っていて、ディーが困っていた。

 お肉とウジュー、宿の御両親に……。


「宿には私達がお肉届けられるよ」


 私はそう声を掛けた。

 ディーはその言葉にはっとして、フィオナに言った。


「フィオナ、俺は今日、両親の宿にディアの肉を持って帰りたいんだ。

 だから、断る」

「ディー?

 じゃあ、私、ソーマとふたりで行っちゃうよ!?」

「いいよ。

 ソーマ! フィオナを頼んだ!」

「おいおい、フィオナも一緒にディーんちに行けばいいだろ?」

「……そう言ってるのに、違う店に行きたいと言い張っているのはフィオナだ。

 悪いけどソーマ、つきあってやって!」

「俺だって、ディーんちに行きたいんだけど!

 もっとみんなと話をしたいし」

 

 フィオナが叫んでみんなびっくりする。


「あー、もう!!

 ディーもソーマも、他の女の子にデレデレしちゃってっ!

 スケベなんだから!!」


 私を指差してさらに叫ぶ。


「あんたもよっ!

 14歳のくせにすごいキスされて愛されてますぅ、なんて言ってんじゃないわよ!

 えっち!!」


 は!?


 フィオナはだっと走ってギルドを出て行ってしまった。

 はっ!? ギルド内だよ!

 なんかざわざわしちゃって……。

 急いでギルドから出て宿に向かう。

 ディーが弱り切った感じで「フィオナがごめん」と謝ってきた。

 ソーマも「八人で分けるってなった時、少しは遠慮するかなと思ったんだけど、それもなかったな」と苦笑した。


 私はユミエラとシアに両側からガッチリ確保されてしまい……。


「すごいキスって何!?」

「エドガーにどこまでされたのよ!」


 質問攻めにあって、でも答えられなくてプルプルしてしまった……。

読んで下さり、ありがとうございます。

年上のお姉さんに『えっち』と言われて戸惑うやらちょっと思い当たってしまったりするミコトなのでした。

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