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2 三人との出会い(ミコト視点)

ミコトの思い出話な感じで三人との出会いを語っております。

どうぞよろしくお願いします。

 私がこの世界に転移してしまったのは9歳になったばかりの時。

 夕方になる前、友達と遊んで公園から帰る時だった。

 スキップして公園の門を出て……、気づいたら足元はいつもの道路の感触ではなくて土の道だったし、公園の向かいは地区センターでその周囲は整備されてる住宅街なはずなのに見渡す限り木、木、木……。


「えっ?」


 慌てて後ろに下がってみたけど、何も変わらない。

 振り返るのが怖かった。

 後ろの景色まで変わっていたら、もうおしまいな気がしたからだ。

 でも、どうしようもなくて振り返る。

 そこには木、木、木の間に土の道がすうっとのびて、先が暗くて……。

 

 私は怖くてしゃがみこんだ。


「何?」


 肩掛けカバンの中の小さな水筒を取り出し、一口飲む。

 私はここにいるし、持ち物も変わってないし、なんで?


「うう、なんで!?」


 泣きそうになるが懸命に我慢した。

 今は泣くより、帰り道を探さなきゃ!

 

 私は立ち上がり、周囲を見回し、そこらへんを歩き回って何か変わったところがないか見て回る。

 ダメだ、何もわからない……。


 その時、何か話し声のようなものが聞こえて、思わず道から出て、木の陰にしゃがみこんで隠れてしまう。

 木の根元にはまあまあ背の高い草も生えていて、そっと覗くことができた。

 男の人が三人。

 でも、外国の人みたい。

 なのに、話している言葉はわかる。


「今回はしけてたな」

「ああ、もっと奥まで行かないと大物には出会えないかもな……」

「こういう日は無理に頑張らずに、戻って、これだけでも換金しましょうや」


 うーん、服装もロールプレイングゲームの絵みたい。

 それに剣とか槍とか持ってて、なんか毛皮のウサギの死体みたいなの持ってる……。


 私はそっと木の陰に引っ込んで彼らが通り過ぎるのを待った。

 なんか助けを求めるのは……ダメなような気がしたんだよね。

 せめて、女の人……。


 誰も通らない……。

 ああ、男の人達が行った方向に人が住んでいるところがあるのかな?

 村とか、町とか?


 どうしよう、このまま、ここで暗くなったら……。

 そうだよ、今、何時なんだろう!?

 公園の時計を思い出すけども……、ここは公園じゃなくて……。

 でも、ここを離れていいのかな!?


「うっ、ぐすっ。

 う、うう、どうしよう。

 どうしたら……」


 一度言葉に出してしまったら、すごく怖くて、私は震えてしまった。

 こわい、こわい、こわい……。

 ひとりなのが怖いけど、他の人も怖い……。


「うう……、んっ、うう……。

 お母さん……、お父さん……、お兄ちゃん……、こわいよ。

 迎えに来てよ……」


 家族のことを思い浮かべたらもうダメだった。


「うう、うえっ、うわぁ、うえーん、うえっ……、お母さーん、お父さーん!

 お、お兄ちゃーん!!」


 そのまま、座りこんだまま、小さく叫んで泣き出してしまった。

 自分のすすり泣く音と森の中の鳥の声とか……。

 何やってるんだろう……と思った時「どうしたの?」と声を掛けられて驚いた。


 そこには赤い髪のお姉さんがいた。

 そして、もうひとり金色の髪のお姉さん。

 

 私は大きくしゃくりあげてから言った。


「う、うう、帰り道がわからなくて。

 こんなとこ知らないの。

 道がないの」


「『神の愛し子』じゃないか?

 異世界から来た?」


 お姉さんたちの後ろにいたお兄さんが言った。

 この人は黒髪だったけど、日本人じゃない……。


 金髪のお姉さんが「『神の愛し子』って、神殿が保護する……?」と呟き、私を悲しそうに見た。


「私、私、今、小4(しょうよん)で大城美古都おおしろみことって言います」


 金髪のお姉さんが「名前は言ってはダメ。隠しなさい」と言った。


「へ?」

「この世界では名前で縛ることができるの。

 とりあえず、ミコトとだけ名乗りなさい。

 いいわね」

 

 私は頷いた。


「神殿で保護されるなら、いいよな」


 赤い髪のお姉さんが言ったけど、金髪のお姉さんは厳しい顔をしている。


「神殿で……」


 金髪のお姉さんは私をかわいそうなものを見る目で見た。

 そして、赤い髪のお姉さんと黒い髪のお兄さんを呼び寄せながら少し私から離れて何か話している。


「えっ! そうなの!?

 そんなの、だめじゃん!」


 赤い髪のお姉さんが叫び、黒髪のお兄さんが言ったのが聞こえた。


「それは神殿にはやれないな……」


 三人は私を見た。

 金髪のお姉さんが私に近づいてくると手を差し出し言った。


「ミコト、私達と来る?

 私達、あなたのこと、守りたいの」


 私は金髪のお姉さんの手を握った。


「はい、よろしくお願いします……」


「私はプリシラ。

 こちらの赤い髪がミカエラ。

 こっちの男の子がクルトよ」


 男の子?

 男の人じゃなくて?


「プリシラさん、ミカエラさん、クルトさん……」

 

読んで下さり、ありがとうございます。

しばらくはミコト視点で行きますが、時々、説明したいことがあったら、他の人の視点の話を入れるような感じで進めるつもりです。

どうぞよろしくお願いします。

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