14 告白!!
どうぞよろしくお願いします。
次の日、朝食を食べ、出発の仕度をしていたら、クルトとホークが訪ねてきた。
なんでホーク!?
私はおばあさんに言って、許可をもらい、庭へふたりに入ってもらった。
プリシラとミカエラと私。それにクルトとホーク。
家の中からおばあさんも気にしているのが見えた。
なんだこれ?
クルトが言った。
「この3日間で、Bランクまで上げた」
えっ?
すごって、前は?
「Cランクだったんですよ、兄さん」
なぜかホークが教えてくれる。
「頑張った!?」
私の戸惑った表情と声に、ホークがさらに言う。
「すごいがんばったんすよ!
俺も一緒に行動してたんで、Bランクになりました。
きつかったけど、いい経験でしたっ!」
ホークがクルトにばっと礼をした。
えっと、クルトが強くなるって、どういうことだ。
前から、この中では一番強かったわけで……。
私はプリシラとミカエラを見たけど、ふたりは黙ってる。
クルトが話を始めた。
「……ミコトをこれからも守りたい。
最初は小さなミコトをただ守りたかった。
妹みたいに。
でも、だんだん……。これ気持ち悪いか?
ミコトのことが好きで、守ろうとしてた。
たぶん、ミコトが12歳くらいの時だ。
カイラムが来て、ミコトに興味を持っていると思ったら、イライラした。
ミコトを誰にも渡したくないと思ったんだが、その……、言えなくて」
私も何も言えなくて。
クルトをじっと見ているしかできない。
驚いたけど、嫌じゃないから!
そういう気持ちが伝わるといいなとクルトを見ていた。
「それで、今度は貴族の坊ちゃんが……。
そして、今度はホークだろ……。
もうミコトは小さな女の子じゃなくて、男に、普通に女性として興味を持たれる存在になってたわけで……。
ああ、俺、何言ってんだ!?」
クルトが赤くなって、自分に怒ったみたいなことを言う。
「……で、ミコトになんか、誤解されてるし。
俺はミコトのことが好きなのにさっ!」
そして、私を見て、さらに赤くなってしまった。
大丈夫か!? クルト……。
「ミコトっ!」
「はいっ!」
びっくりして返事しちゃったよ。
「俺と結婚、してくれっ!」
時間が止まった気がした。
結婚? 結婚!?
うれしいけど……。それはまだ早い気がする……。
この世界では14歳がひとつのラインで、確かに結婚できる年齢ではあるんだけど……。
「あ、う、うれしい、です。
私、クルトのこと、好きなんだと思う。
だから、クルトにそう言ってもらえて、うれしい……」
「ミコト……」
クルトがほっとした顔をした。
「……でも、すぐじゃないよね!?
私、まだ中学生だよ!」
「ちゅう、がくせー?」
私は説明しようとしてホークがいることにはっとする。
ダメだ、話せない!
「えっと、クルトのことは好きです!
でも、まだ早いっていうか……、結婚は」
「ああ!
俺もそのつもり!!
もう少し、ミコトが大人になるまで待つよ!」
「それなら……、はい!
お願いします!」
「やったっすね! 兄さん!」
ホークが叫んで、私は『は?』となった。
クルトはホークを無視して、私の左手を取ると指輪を胸ポケットから出して私の薬指に、でもぶかぶかで……。
「汝の主の花嫁の指に添え!」
クルトが呟くと指輪がくっと縮んで、ぴったりになった。
「魔道具?」
クルトの瞳と同じ青い石が輝いている。
ガッチリしてる指輪だ。
「俺の指輪だ。
赤ん坊の時から持ってた、らしい」
「え?
そんな大切な物!?
あ、ありがとう……」
「ミコト……」
クルトの手が伸びてきて抱きしめられる。
「ああ、良かった……。
死ぬかと思った……」
私は笑ってしまって、クルトに手を回して私からも抱きついた。
拍手の音?
プリシラとミカエラと、ホーク、じゃない、おばあちゃんだ。
そうだよ、なんでホークがいるんだ?
一緒にBランクになったんだっけ?
えっと?
私が腕を緩めて怪訝そうにホークを見ているのに気がついて、ホークが話してくれた。
「ミコト達と過ごした日、夜に兄さんだけあの宿に戻ってきて。話を聞いた。
本当の兄妹じゃないって。
兄さんは昔からミコトのことを妹のように守っていたけど、今は女性として思っていると。
なのに、ミコトに勘違いされたのがショックで、3日後のミコトの14歳の誕生日に告白するからって宣言されて。
俺、ぐっときちゃってさ!
応援するってなって、ミコトのために何か示したいとなって、どれだけ稼げるかチャレンジみたいになってさ。
その経済力としても守れますみたいな。
そしたら、ランクも上がって、そっちの方がかっこいいかってなって」
そこはばらしていいのか?
「きつかったけど、楽しかったよ!
兄さんって、これからも呼ばせてもらうっす!
俺、デュランで頑張るので、またこっちに来たら声かけて下さい!
あ、結婚式にはぜひ呼んで下さい!!
これ、お祝いっす!」
ホークは何か包みをクルトに渡すと「じゃあ、気をつけて!」と去って行った……。
普通にいい人だったのか!?
えっと……、私のことをけっこう見てたし、14歳とか知っちゃったけど、転移人だと気づかなかったのか!?
私はいろいろ『?』なことがいっぱいで……。
ミカエラがそんな私を見て吹き出した。
「ぷっ! 何? ミコト、困ってるの?」
「えっと、いろいろわかんないことが……」
プリシラが笑って言った。
「じゃあ、おばあさんに挨拶して、歩きながら話しましょうか!」
マイネまでの道のりは3日間。
でも、その次がもう首都のジュノーだから道は悪くないし、行き交う人も多い気がする。商人の馬車もよく通るし。
歩きながら私はひとつひとつ自分が気になっていることを確認した。
まず、マイルズ共和国での転移人の扱いについて。
シーザー王国だと神殿に『保護』されて、自由と力を搾取される。
それは私が魔法の全属性を持っているということがわかったことで、本当にそうなんだろうなと理解できた。
どう搾取されるのかがわからないけど。
で、神殿から逃れても、容姿のこともあって人身売買の対象にされてしまうということも聞いているんだけど。
「マイルズはそこまではかな。
保護を求めれば、国に保護されるけど、共和国の魔法使いのような扱いになるみたいよ。
まあ、シーザー王国みたいな扱いは受けてはいないようだけど。
あまり知られていないのかもね。
ホークもミコトのこと、小柄な女の子と見てたみたいだし。
でも、だからといってフードは取らない方がいいわ。
裏というか、普通に国交や商売ではシーザーと繋がっているんだし、ミコトはなるべく容姿や能力は隠した方がいいことは変わらない」
プリシラの説明に私は頷いた。
クルトが言った。
「気をつけるべきなのはプリシラもミカエラも同じだよ。
宿で噂になってた。
女だけ、しかも美女のパーティがいるって。
だから、ギルドも心配して、あの女性限定の下宿を勧めてきたんだよ」
クルトの言葉にミカエラが反応した。
「私達、もててた?」
「まあ、もてるというか……。
何とか知り合いになりたいもんだとか言ってる奴もいたけど。
下心ありありな感じだったし。
そういう奴は振られると何するかわかんなそうだしな……」
「ホークはいい子で良かったわね!」
プリシラが笑った。
読んで下さり、ありがとうございます。
やっと思いが通じ合ったけど、年齢差もあるので、ね。
今はクルトが22歳、ミコトが14歳になってますが……。




