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10 デュランへ(ミコト視点)

どうぞよろしくお願いします。

 朝、朝食を頂いてから出発する。

 ロバートさんはケレスに向かうために私達と別れだ。

 ちょうどそちらに向かう商人の人達がいて集団で行くことになったそう。

 ボアも出たことだしね。


「私の勤めている支店はマイネですが、首都のジュノーに本店があるんです。

 そこらへんを回ってますので、ジュノーやマイネに来たら寄って下さい」


 ロバートさんがオルガ商会と書かれた紙にマイネ支店とジュノー本店の住所とロバートさんの名を書いたものをプリシラに渡した。


「帰りは安心なんですよ。

 船で一気にケレスからジュノーのそばのサライという街まで行けますからね。

 ぜひ、寄って下さいよ!」


 みんなでロバートさんと握手した。


「船でというのも楽しそうですね!

 いろいろ教えて頂き、ありがとうございます」


 私は丁寧にお礼を言って、ロバートさんを見送った。



「さあ、俺達も出発しよう!」


 クルトの言葉に村長さん家族にお礼を言って、私達は歩き出した。


「デュランはマイルズ川より少し離れるけど、大きな街なんだよな?」とクルトがプリシラに聞いた。


「私も初めてだから!!

 地図や本によるとそうね。

 首都のジュノーが一番大きくて、その次がデュランと……。

 もうひとつ有名な街が離れた東の方にあった気がする」

「どこらへんで一度落ち着く?」

「あまり大きな街でない方がいいかしら?」


「私は大きな街に住んでみたいな!」


 ミカエラが言った。


「普通の暮らしってものをしてみたい」


 クルトが頷いて言う。


「それにそろそろ仕事もしないとだろ?

 デュランで狩りや何か仕事がないか、ギルドで見てみよう」


 プリシラとミカエラが頷く。

 そのまま、クルトとミカエラは話しながら歩いているので、その後ろから歩くプリシラの隣に並んだ。


「私もお手伝い……、ううん働けるからね!」

「ふふふ、ありがとうね。

 頼りにしてるわ!

 ……それにしても。

 ミカエラはクルトのことが好きだったのかしら?

 前はそんな感じじゃなかったのにね」

「うーん。

 でもわかるな。

 クルト、カッコいいもん、頼れるし。

 それに……」

「それに?」


 私は首を振った。


「ううん、ちょっと。

 その……、私達とは違うのかなって。

 私は神殿から逃げてる。

 ミカエラとプリシラはもうちゃんとしてるけど、やっぱり……、その……、過去のことから逃げたいというかそういう気持ちがあると思うんだ。

 クルトだけ、何もないもの」


 プリシラは笑った。


「クルトはミカエラにお金貸してるから、一緒にいるのよ」

「あ、そうか!

 じゃあ、取り立てが終わるまでは一緒だね!」

 

 ふたりで笑ってしまう。


「……クルトは、ずっとミコトといると思うわよ。

 たぶん、ミコトを守るためについて来てる」


 私は目を伏せてしまった。


「ん? 

 ミコトの気持ちはどうなの?」

「って!

 私は、まだ、子どもだしっ!」


 自分の気持ちを聞かれるなんて思ってなかったからびっくりしちゃったよ。


「あと少ししたら14歳じゃない。

 14になれば、婚約とか結婚とかそういう約束もできるわよ」

「えっ!?

 だって、私は10歳とか、よくて12歳とか名乗るつもりだし!?」

「……旅に出てからまだ数日だけど、ミコトずいぶん表情が変わって来たわよ。

 小柄だけど、年相応に見えるようになってきているのかも。

 私達、ずっと小さい頃からミコトを見てたから、まだ小さい気がしちゃうけど、私達が思っているより、年相応にミコトは見えるようになってきているのかも。

 それに、私達はミコトがもう14歳になるのちゃんと知ってるしね」

「んー、でも、違う人から見たら、私はまだ子どもに見えないと困るよ!」


 私はそう笑ったけど、ドキドキしていた。


 クルトにはミカエラがいるし。

 私は妹だし。

 それにクルトは、私をそういう小さな女の子が好みの人から私を守っているのであって、クルトが私をそういう目で見ているというのは変だよね!?

 あれ? なんか、わけわかんなくなってきた。


「ああ? なんだかよくわかんない。

 デュランではギルドに泊まるの?」

「1日くらいはね。

 もっと安い宿があればそっちでも」

「うん、わかった!」


 私は前を歩くクルトとミカエラの後姿を見た。

 うん、考えてもしょうがないから、やめよ。

 デュランですること、何を気にして、調べるか。



 結局、デュランに近づくにつれて道もきれいになり、獲物も道に出てくることはなかった。

 昼直休憩の時に薬草を見つけて採集した。

『エスタ』の庭で栽培して頭痛に効く薬草だ。

 なんか群生してて!!

 たくさん採取できたので、収納魔法をしてみたら、上手くいった!!



 デュランに到着!!

 大きな街で入るのに少し並んだ。

 ギルドカードで入ることができて、大きな街に驚く。


「わあ、役所がとても立派!

 広場、すごいね! 広い!」


 門番さんに冒険者ギルドの場所は聞いてあったので、まっすぐギルドに行き、一角ウサギの角と毛皮2羽分と薬草を買い取ってもらえるか聞いてみる。

 OKということでクルトとミカエラが一羽ずつ。

 私とプリシラは薬草を出すことにした。

 そして、ギルドの宿のこと、他の宿について聞いてみる。

 担当のお姉さんはギルドより安い宿のことを教えてくれた。

 若い冒険者に人気があるという。

 その住所を教えてもらい、それから掲示板に行ってみる。

 たくさんの仕事がある!


「狩りだけじゃないんだな。

 掃除に店番に荷物持ち……」


 クルトが呟く。

 私は薬草の採取の仕事を見上げた。


「これ、三人が狩りしている時、私できるよ」

「うん、いいかもね。

 狩りしながらみんなで探してもいいし!」


 ミカエラは「わあ、ボアいるだけ引き取るって依頼もある!」と言いながら、クルトを見た。


「そうだな……。

 ボアが人気があるのか?」


 なんとなく今、どんな獲物を獲ってきたらいい値段になるかがわかった。


「では、軽食を食べたりして街をぶらついてみましょう!!」


 プリシラがにっこり笑って言った。



「すごい!!

 この通り、全部お店なの!

 しかも、立派な建物だよ!」


 私はびっくりして役所の通りに並ぶ建物を眺めた。


「お店も大きいし、出店とかじゃないのね!?」


 ミカエラもびっくりしてキョロキョロしてる。


「市場とかないのか?」


 クルトが言うとプリシラが手で向こうを示す。


「あっちから来る人が買い物の荷物を持ってるわね!

 行ってみましょう!」


 大通りから一本道を外れると、出店のような市場の通りで、なんだか見慣れてる雰囲気だ。

 ちょっとほっとした。


「明日、狩りに行くとして。

 パンと果物あたりを買っておくか?」


 クルトの言葉にプリシラが頷き、出店を見ながら青りんごを買うことにして、私が収納した。

 青りんご、8個!

 忘れないようにしなきゃ!!


 屋台も出てて、唐揚げみたいな見た目の食べ物を買って食べた。

 うん、唐揚げに近い。

 

「おいしい! 鶏肉よね?」

「そうだな。味付けが少し濃いけど、うまいな」


 ミカエラとクルトが話している。

 クルトが私に言った。


「ミコト、おとなしいな」


 私は慌てて唐揚げを頬張り「おいひいよ」と言った。

 うーん、なんかちょっと……。

 どうしたらいいのか。

 気にしないと思ったのに……。

 子どもらしくしなきゃと思うほど、なんか挙動不審になっちゃう……。

読んで下さり、ありがとうございます。

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