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閑話 祥吾の異世界日常日記3

朝餉の膳の前で、祥吾は唸っていた


「旦那様、いかがされたのですか?」


不審そうに聞く千草に、至極まじめに祥吾は答えた


「うむ、この卵かけご飯に、しょうゆを入れるべきかを思案しているのだ」


千草が、祥吾のお膳を見ると、お茶碗のご飯が、七色になっている。


「あら、きれい」


思わず千草が、歓声をあげる


「そうなのだ、あまりに見事な色合いなのでな

 ここに、醤油をたらして、色が汚されるのがしのびなくてな」


「それでは、醤油をたらさずにお召しあがられてはいかがでしょう」


「何を言う! 卵かけご飯に醤油を垂らさないなど、仏作って魂入れずだ!」


「旦那様が、醤油を入れるのが忍びないのなら、私が——」


そう言って醤油を入れようとする千草の前から、自分の茶碗を隠す


「ま、まて、もう少し鑑賞してからだな——」


だが、醤油差しをもって、お茶碗に入れようとする千草


「し、醤油はいらん」


叫びながら、卵かけご飯を口にかき込む祥吾


その瞬間、クワッと目を見開き、驚いたように卵かけご飯を見る。

そして、一気に残りをかきこむ。


「なぜだ——」

一口食べて、手が止まる。


「醤油もないのに、美味いぞ」

気がつくと茶碗が空になっていた。


「そうなのです?」

「ああ、今まで一番美味しいぞ」


その時、千草が笑っているのに気付く。


「千草、知っていたな」


「いえ、卵かけご飯は、知りませんでしたが、その卵は、どんな料理にしても

 調味料なしで美味しくできあがりますの

 ですから、きっと卵かけご飯もと思ったのですわ」


そう言って千草はころころ笑う。


その姿を見て、まあいいかと祥吾も笑うのだった。

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