第33話「頭取って……あの頭取?――息子の勤務先のトップが彼女でした」
第33話です。
今回は、家族紹介編の中でも最大級に重要な回になります。
四十五歳。
中国人。
創とは二十四歳差。
それだけでも驚いていた宮嶋夫妻に、ついに最大の秘密が明かされます。
「私は青嶺中央銀行で頭取を務めています」
創の勤務先のトップが、まさか息子の彼女。
当然、両親が心配するのは、採用や配属、評価で創が特別扱いされていないのかということです。
二人は、交際開始が転職前だったこと、採用には一切関与していないこと、銀行では完全に頭取と行員として接していることを一つずつ説明していきます。
さらに和久の口から、意外な名前が。
「もしかして父上は、青嶺の前の頭取ですか?」
そして今回、創と璟瑶の秘密を初めて知るのは――創の家族です。
大きな秘密が家族へ明かされる第33話です。
日曜日。
宮嶋家の昼食。
「欧陽さんは、日本ではどのようなお仕事をされているんですか?」
母・宮嶋恵美子、五十歳からの質問に、宮嶋創・二十一歳と欧陽璟瑶・四十五歳の視線が一瞬だけ交わった。
ついに来た。
璟瑶が中国人で、重慶出身であること。
創より二十四歳年上であること。
母・恵美子とは五歳差、父・宮嶋和久・五十二歳とは七歳差であること。
それだけでも、宮嶋夫妻を十分に驚かせた。
だが、二人にはまだ伝えていない最大の事実が残っている。
璟瑶はフォークを置き、創も箸を置いた。
「創? どうしてあなたまでそんな顔をしてるの?」
「母さん。たぶん、今から一番驚く」
「四十五歳よりも?」
「うん」
「二十四歳差よりも?」
「たぶん」
和久は水の入ったグラスを静かに置いた。
「創。先に言っておく。もう多少のことでは驚かないぞ」
「父さん、それ絶対にフラグになる」
「何の話だ」
璟瑶が小さく笑い、わずかに空気が和らぐ。
だが、その表情はすぐ真剣なものへ戻った。
◇◇◇
「宮嶋さん、恵美子さん」
「はい」
「先ほど、仕事でも日本と長く関わっていると申し上げました」
璟瑶は一度、深く息を吸った。
「私は現在、日本の銀行で働いております」
「銀行?」
和久が聞き返す。
「はい」
「創と同じ金融関係なんですね」
「そうですね」
「どちらの銀行ですか?」
「青嶺中央銀行です」
「創と同じ銀行?」
恵美子が息子を見る。
「うん」
「職場で知り合ったの?」
「違う。出会った時は、俺はまだ東都共栄銀行にいた」
「では、青嶺中央銀行のどちらの部署に?」
和久の問いに、璟瑶は姿勢を正した。
「私は、青嶺中央銀行で頭取を務めております」
「……」
完全な静寂。
壁掛け時計の秒針だけが、やけに大きく聞こえた。
「父さん?」
「少し待て。今、整理している」
和久は一つずつ確認した。
「欧陽さんは四十五歳」
「はい」
「中国人で、重慶出身」
「はい」
「創の恋人」
「はい」
「そして、青嶺中央銀行の頭取?」
「はい」
和久の動きが、また止まった。
「創。お前は青嶺中央銀行の法人営業第一部で働いているんだよな?」
「そう」
「その銀行の頭取と付き合っているのか?」
「そういうこと」
恵美子も、ようやく事実の重さを理解する。
「本当に、あの青嶺中央銀行?」
「うん」
「大手町に本店がある?」
「そう」
「約二万五千人の行員がいる、あの銀行?」
「そうだよ」
「その一番上の人が、あなたの彼女なの?」
「うん」
「嘘でしょう?」
「こんな場面で冗談は言わないよ」
恵美子は目の前の璟瑶を見た。
先ほどまで、自分の煮込みハンバーグを食べて「とても美味しい」と喜んでいた女性。
創に普通に怒り、創の子ども時代の話を楽しそうに聞いていた女性。
前日に創から髪を乾かしてもらったと、少し照れながら話した女性。
その人が、日本有数の巨大銀行を率いる頭取だった。
「ごめんなさい。私、さっきグラタンもたくさん食べてくださいなんて……」
「恵美子さん」
璟瑶は優しく微笑んだ。
「ぜひ食べさせてください。本当に美味しいので」
「でも、私は青嶺中央銀行の頭取に手料理を出しているのよね?」
「母さん、今日は頭取として来たんじゃないんだよ」
「そうです」
璟瑶も頷く。
「今日は創さんの恋人として、お邪魔しています」
「それでも、先に言いなさいよ!」
「先に言ったら、母さんは料理を十品くらい増やしただろ?」
「増やすわよ!」
「だから言わなかったんだよ!」
璟瑶の笑い声が、宮嶋家のリビングに響いた。
◇◇◇
しかし父親の和久は、すぐ次の問題へ気づいた。
「創。お前は高校卒業後、十八歳から東都共栄銀行で働いていたな」
「うん」
「欧陽さんと知り合ったのは、青嶺中央銀行へ転職する前か?」
「はい」
璟瑶が答えた。
「創さんが東都共栄銀行に勤務していた頃です」
「付き合い始めた時も?」
「俺はまだ東都共栄銀行の行員だった」
「では、転職したのは交際が始まった後なんだな?」
「そう」
和久の表情がさらに真剣になる。
「青嶺中央銀行への転職は、欧陽さんから誘われたのか?」
「キャリア採用があることは教えてもらった」
創は正直に答えた。
「でも、ここからが大事なんだ。璟瑶は俺の採用に一切口を出していない」
「一切?」
「本当だよ」
「その点は、私から説明させてください」
璟瑶は金融機関を預かる者として、曖昧な言い方をしなかった。
「私が創さんへ伝えたのは、青嶺中央銀行でキャリア採用が行われていることと、応募する場合は通常の候補者として正規の手続きを踏む必要があることだけです」
人事部に採用を指示したことはない。
書類選考、適性確認、面接評価、配属、給与。
どの段階にも、私的な働きかけは行っていない。
「しかし、頭取の交際相手が応募していると分かれば、人事も気を遣うのではありませんか?」
和久の質問は核心を突いていた。
「おっしゃるとおりです」
璟瑶は否定しなかった。
「だからこそ私は、創さん個人の評価、推薦、点数付与、最終的な採否判断から外れました」
「最終面接にも出なかったのですか?」
「いたよ」
創が答える。
「え?」
「俺が最終面接室へ入ったら、中央に璟瑶が座ってた。その時初めて、恋人が青嶺中央銀行頭取だと知った」
「ええ!?」
恵美子の声が大きくなる。
「交際していたのに、職業を知らなかったの?」
「金融関係とは聞いてた。それだけ」
「欧陽さんは、頭取だと言わなかったんですか?」
「申し訳ありません」
「責めているわけではありません。ただ、驚いて……」
「最初は、私の立場ではなく、私自身を見てもらいたいという気持ちがありました」
その後、創が競合銀行の行員だと判明してからは、互いの仕事を私生活へ持ち込まないよう、慎重に関係を続けていた。
「創、よく最終面接を続けられたわね」
「俺もそう思う」
「顔に出ていました」
璟瑶が言う。
「一瞬、完全に固まっていました」
「当たり前だろ!」
少し笑いが起きたが、和久は採用過程を最後まで確認した。
「欧陽さんは頭取として面接に同席した。ただし、創個人の採否評価からは外れたのですね?」
「はい。私的な利害関係があるため、正式な評価には加わっておりません」
推薦、点数の上乗せ、人事への指示、配属先への口利き。
いずれも行っていない。
「創が合格したのは?」
「創さん自身の選考結果です」
「合格通知も、璟瑶からじゃない。人事部キャリア採用課長から正式に来た」
恋人へ結果を先に漏らすこともなかった。
応募者の一人として、正式な通知を待たせた。
◇◇◇
「採用までは分かりました」
和久は腕を組む。
「では、入行後は?」
「特別扱いはないよ」
「配属は?」
「通常選考」
「給与は?」
「通常」
「昇進や異動は?」
「璟瑶は私的に関与しない」
「瑞央銀行への派遣も?」
「候補者十名からの通常選考。璟瑶は俺を推薦してない」
「そのとおりです」
璟瑶が続ける。
「私から宮嶋創を選んでほしいと伝えたことはありません。所属部署、全国地域銀行連携本部、人材交流担当者などが通常基準で評価した結果です」
「銀行内で会った時は、どうしているんですか?」
恵美子が尋ねる。
「俺は『頭取』と呼ぶ」
「私は『宮嶋さん』と呼びます」
「名前では呼ばないの?」
「勤務中は呼びません。たとえ二人きりでも、銀行で仕事をしている時間なら、頭取と行員です」
創は担当企業の名前、融資金額、財務内容、審査情報を璟瑶へ私的に話さない。
璟瑶も、創の担当案件を恋人として尋ねない。
「評価、昇進、賞与、異動にも、私は私的に関与しません」
「もし創が問題を起こしたら?」
「父さん!」
「大事なことだ」
「規程と事実に従い、通常どおり判断します」
璟瑶は即答した。
「恋人だから処分を軽くすることも、反対に必要以上に厳しくすることもありません」
「そこまで線を引いているんですね」
「引かなければ、創さんのためにも銀行のためにもなりません」
創も父親へ自分の思いを伝えた。
「俺は、頭取の彼氏だから採用された、評価された、派遣されたって言われたくない」
東都共栄銀行で約四年間学んだ確認の基本。
顧客を見る姿勢。
銀行員として、してよいことと、してはいけないこと。
「全部を捨てて、頭取の彼氏という立場だけで働く気はない。青嶺中央銀行に入ったのも、璟瑶の銀行だからじゃない」
「……」
「今は、俺自身が働く銀行だと思ってる。だから仕事は仕事。璟瑶とのことは私生活だ」
和久は黙って息子を見つめた。
そこには、浮かれているだけの二十一歳はいなかった。
◇◇◇
「職場で手をつないだりもしないの?」
恵美子が何気なく尋ねる。
「……基本的には」
「基本的には?」
創が止まった。
「一回だけだから!」
「創!」
璟瑶の顔が赤くなる。
「職場で?」
「社員食堂のテーブルの下で、一回だけ……」
「銀行だぞ」
「分かってる!」
「反省しています」
璟瑶が真面目に頭を下げる。
「璟瑶まで答えなくていい!」
恵美子が笑った。
「本当に付き合ってるのね」
「何、その確認?」
「頭取と聞いた瞬間、現実味がなくなったの。でも、創に普通に怒っているところを見ると、普通の彼女なんだと思えて」
「銀行を出れば、普通の恋人でいたいと思っています」
その言葉に、和久の表情もわずかに柔らかくなった。
◇◇◇
しばらくして、和久が璟瑶の顔をじっと見る。
「欧陽さん。お父上のお名前は?」
「欧陽崇岳です」
「やはり……」
「父さん、知ってるの?」
「欧陽さんのお父上は、青嶺中央銀行の元頭取ではありませんか?」
今度は璟瑶が驚いた。
「はい。父は以前、青嶺中央銀行頭取を務めていました」
「金融ニュースや経済番組で何度も見ました。青嶺中央銀行が中国や東アジア事業を拡大した頃、よく出演されていたでしょう」
「父をご存じだとは思いませんでした」
「有名な方でしたから」
「俺も後から聞いたくらいなのに」
「お前が経済ニュースを見ていないだけだ」
「はい」
そこで和久は、新たな疑問を口にした。
「欧陽さんが頭取になったのは、お父上の後を継いだからですか?」
「いいえ」
璟瑶は静かに首を振った。
「青嶺中央銀行は、欧陽家の銀行ではありません。父が元頭取だから、娘の私が自動的に後継者となるような組織でもありません」
むしろ父が元頭取だったからこそ、他の行員以上に厳しく見られた時期があった。
父の力で昇進した。
父の名前で評価された。
そう思われないために、自分の実績を積み上げる必要があった。
「中国事業、国際金融、東アジア戦略、海外法人、経営部門を経験し、正式な手続きを経て現在の職に就いています」
「なるほど」
「親子で頭取だなんて、すごいご家族ですね」
恵美子が感心する。
「家では普通です」
「本当に?」
「私が帰れば、父は仕事の話より先に、ちゃんと食べているかと聞きます」
「普通のお父さんだ」
「普通でしょう?」
「お母様は?」
「もっと普通です。先日、重慶へ帰るかもしれないと話したら、一人で帰るのかと聞かれました」
恵美子が少し笑う。
「それ、お母様も何か気づいているのでは?」
「私も、そう思っています」
「創のことは?」
「まだ話していません」
「じゃあ俺は今、怪しい誰か?」
「母の中では、たぶん」
「格下げされた」
「何の格ですか?」
笑い声が、再び宮嶋家に広がった。
◇◇◇
「創。この交際を知っている人は、ほかに誰がいる?」
和久の質問に、創と璟瑶は表情を改めた。
「銀行の人は誰も知らない」
「副頭取も、人事部も、秘書も?」
「知りません」
「創の上司や同期は?」
「知らない」
「瑞央銀行や、東都共栄銀行の人たちも?」
「誰も知らない」
璟瑶の両親にも、創の存在はまだ伝えていない。
「ですから、お二人が最初です」
璟瑶は和久と恵美子を見る。
「私たち以外で交際を知っていただく方は、創さんのご家族が初めてです」
その意味が、宮嶋夫妻にも伝わっていく。
単なる秘密の交際ではない。
巨大銀行の頭取と、二十一歳の若手行員。
知られれば、特別扱い、採用、評価、利益相反を疑われる可能性がある。
「父さん、母さん。お願いがある」
創は真剣な表情で言った。
「俺たちのことを誰にも話さないでほしい。親戚にも、友達にも、近所にも、銀行の人にも」
「もちろんよ」
恵美子は即答した。
「あなたの仕事にも、欧陽さんの立場にも関わることでしょう?」
「うん」
「俺からも話さない」
和久も約束した。
「ただ、隠しているのは、交際自体が悪いことだからではないんだな?」
「違う」
「交際そのものが不正だから隠しているのではありません」
璟瑶が説明する。
「必要になれば利益相反管理などの正式な手続きを取ります。ただ今の段階で公表すれば、創さん自身の働きまで、私との関係だけで判断される可能性があります」
「何をしても頭取の彼氏だから。失敗しても頭取の彼氏なのに。そう見られたくないんだ」
創は父と母を見た。
「俺は宮嶋創という一人の銀行員として働きたい」
和久はゆっくり頷いた。
「分かった。約束する」
「私も誰にも言いません」
「ありがとう」
璟瑶が深く頭を下げる。
「ありがとうございます」
「頭を下げなくていいですよ」
恵美子が微笑んだ。
「今日は頭取として来たのではないのでしょう?」
「……はい」
「創の彼女として来てくれた。なら、そこまでかしこまらなくて大丈夫です」
璟瑶の目が、わずかに揺れた。
◇◇◇
「すべてをすぐ理解できたわけではありません」
恵美子は正直に続けた。
「四十五歳と聞いた時も、二十四歳差と聞いた時も驚きました。正直、まだ心配です」
「はい」
「それに、創の勤務先の頭取だなんて、今日一番驚きました」
「やっぱり?」
「当たり前でしょう!」
それでも。
「さっきから見ていて、欧陽さんが創を本当に大切にしてくださっていることは、少し分かってきました」
「……ありがとうございます」
和久も静かに口を開く。
「父親として、まだ確認したいことはあります。しかし、創が何も考えずに浮かれているわけではないこと。欧陽さんも、遊びで創と付き合っているわけではないこと。それを今日聞けてよかった」
「父さん……」
「まだ話は終わりではないぞ」
「うん」
「でも、来てもらってよかった」
「ありがとうございます」
璟瑶の声が、少しだけ震えた。
拒まれるかもしれない。
年齢差を認められないと言われるかもしれない。
勤務先の頭取という立場を問題視されるかもしれない。
そんな不安を抱えながら、ここまで来た。
だからこそ、「来てもらってよかった」という一言が胸に響いた。
◇◇◇
「欧陽さん。ハンバーグが冷めてしまいましたね」
「……はい」
「温め直します」
「お願いします」
「グラタンも?」
「お願いします」
「食後にはプリンもありますよ」
「本当ですか?」
璟瑶が創を見る。
「プリンがあるなんて聞いてない」
「俺も知らなかった」
「母さん、俺は二個ね」
「一個です」
「何で?」
「欧陽さんに一つ多く――」
「え?」
「冗談よ」
璟瑶が声を出して笑った。
「ふふっ……」
和久は、その姿を静かに見つめる。
経済ニュースの中で見る欧陽璟瑶は、巨大金融グループを率い、中国や東アジア戦略を語る遠い世界の人だった。
だが今は、自分の家で妻の煮込みハンバーグを食べ、プリンを楽しみにしている。
そして何より、息子が本気で大切にしている恋人だった。
「創」
「何?」
「人生、何が起こるか分からないものだな」
「何、その感想」
「父さんも、まだ処理しきれていないのよ」
恵美子が笑う。
「俺だって、最終面接で璟瑶を見た時は処理できなかったよ」
「創、またその話をするの?」
「本当に驚いたんだから」
「私も緊張していたのよ。恋人が応募者として来たんですから」
「頭取でも?」
「普通の顔を保つのが大変でした」
「知らなかった」
「言っていませんから」
恵美子が二人を見て微笑んだ。
「少し安心しました」
「何が?」
「頭取と聞いた時は、創がずっと緊張して接しているのかと思ったの。でも、今の創はいつもの創だから」
「遠慮がないってこと?」
「そういうことです」
璟瑶まで同意する。
「璟瑶まで!」
また笑いが起きた。
この日、宮嶋家に最大の秘密が明かされた。
欧陽璟瑶、四十五歳。
中国・重慶出身。
青嶺中央銀行頭取。
そして父・欧陽崇岳も、同銀行の元頭取。
想像をはるかに超える事実の連続。
それでも最後に宮嶋夫妻が見始めたものは、肩書きではなかった。
創を大切に思う一人の女性。
そして、彼女と本気で将来を考えている息子。
銀行では。
「頭取」
「宮嶋さん」
家では。
「璟瑶」
「創」
その秘密を二人以外で初めて知ったのは、創の父と母だった。
秘密を知る家族が、初めて増えた。
そして宮嶋家での大切な日曜日は、頭取と行員の話から離れ、少しずつ四人の普通の家族の時間へ変わり始めていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ついに最大の秘密が明かされました。
欧陽璟瑶、四十五歳。
その正体は――創が勤務する青嶺中央銀行の頭取。
和久が固まり、恵美子が、
「頭取って……あの青嶺中央銀行の頭取?」
と聞き返すほどの衝撃でした。
しかし二人は、交際が創の転職前から始まっていたこと、璟瑶が採用に一切関与していないこと、配属・評価・給与・派遣でも特別扱いをしていないことをきちんと説明しました。
銀行では「頭取」と「宮嶋さん」。
銀行を出れば「璟瑶」と「創」。
その線引きも、宮嶋夫妻へ初めて明かされました。
さらに和久は、璟瑶の父・欧陽崇岳が青嶺中央銀行の前頭取だったことまで知っており、今度は璟瑶の方が驚くことに。
そして現在、この交際を知っているのは二人を除けば、創の父・和久と母・恵美子だけです。
秘密を知る人が、初めて家族へ広がりました。
次回は、肩書きを離れた四人で過ごす「普通の日曜日」へ。
第34話へ続きます。




