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第九十八節 会長よりも副会長の方が難しいらしい

お読みいただいてありがとうございます!


長らくお待たせいたしました。最終章開幕です。


 


 メイドの集団と二階図書館の住人が睨みあっている。


 言いたいことは分かる。なぜこんなことになっているかというと、






 ~*~


「今回の責任を取ります、私はもう、生徒会長失格ですわ」


「そんな」「舞生徒会長のせいではありませんわ!」


 口々に否定する峰空の生徒達。それを姉貴は首を振って認めようとしない。


「いいえ、私がもっと離れていった生徒達を導いていればこんな大事にはなっていませんでした。生徒会長として未熟過ぎました。それにどちらにしろあと幾ばくかの任期です。ここで新しい生徒会長を決めたほうがいでしょう」


 と生徒総会で話し始めた。すると、ざわざわ、と二年生達がうるさくなる。


「ということは、毎年≪序決≫最上位が生徒会長に立候補する風習です! よって、≪序決四位≫の【ワシト保体(ボディオカルト)】様が生徒会長の最有力になるのでは!」


「ワシはいいのじゃ」


 まるで興味がなくなったというようにハァー、ハァと水晶玉の手入れをしている。


 可愛らしい顔のくせに口調がどこかおばあさんっぽい、制服を着ているというよりそのサイズに着られていた少女がそう言い切った。



「私も、正義に肩書は必要ないからいらないよ!」「……」


 続くように朗らかに笑う≪序決五位≫と、黙ってコクコク同意を表す≪序決六位≫。


「そんな、どうしたの≪一桁≫の皆さま! 生徒会長こそ、この峰空で一番強いと認められた称号なのですよ! もしかして、もう強くなることを諦めてしまったのですか⁉」


「緊急集団序決訂申戦でワシ達は早くから一年生に負けてしまった、実力が劣るものが生徒会長になるのは間違っておるじゃろう、うん?」


「でも、そもそも二年生は集団で戦うことを得意にしている学年ではないですか! 本来の実力を発揮していれば勝っていたのです」


「確かにな、ワシ達はこの≪序決≫を手に入れるために個人で戦うことを捨てた。でもじゃ、先の訂申戦の事件で思い知ったのじゃよ。個人の力だけでも協力だけでもダメだ、とのぉ。他のものに、今回は譲る。でも、最終的にはワシが上に立つ」


「流石ブラック! 言いたいことを言ってくれた!」「……」


 三人とも同じ意見らしい。


 あれ、峰空の生徒達全員の目線が飛んでくる。


 俺は≪武決一位≫の施設を潰すためにすぐにでも旅立つつもりだったのだが、この生徒総会には参加してほしいと姉貴に言われたので大人しく聞いていたのだ。


 こそこそ、と世良が耳打ちしてくる。



「ほら、丈。みんなアンタに生徒会長になって欲しいのよ?」


 え、嘘、だって、女子高で女子じゃない奴が生徒会長が出来るわけがないだろ!


 とは、言える雰囲気ではなかった。そして、満足しているように姉貴が話を進める。



「生徒会長最後の決定です。今回は生徒会役員選挙をしている暇はありません。ここで決を採ることとします。方後丈を生徒会長に任命する方は挙手を!」



 全員が手を挙げた。意見をはさむことも出来ない結果だった。


「生徒会長は方後丈に決まりました!」


 拍手が巻き起こる、俺は突然の決定に気が動転してしまう。



「では生徒会副会長を決めたいのですが、突然のことだったのでまだまだ丈生徒会長は不慣れですわ。ということで私、方後舞が――」



『尋常に選挙で決めしょう!』



 ほとんどの生徒が声をあげた?


 突然始まった、生徒会副会長選挙。あの『一桁』でさえも、自分が強いのだから彼の傍にいるのは自分、と言っていいる始末。取り巻き達はその『一桁』をサポートするつもりはなく、自分が副会長になると息巻いていた。


 結局、選挙するならさ。生徒会長もその時決めればよかったんじゃないかな。





 俺のため息は、この騒音に空しく溶けていったよ。





 ~*~


 つまり、俺は誰を支持するかって話になったんだよ。


 キーラを中心とするメイドチーム。世良を中心とする二階の図書館チーム。


 副会長になるということは、俺の取り巻きの上に立つということらしい。取り巻きの意見を聞く、当たり前のことらしい。


 俺の取り巻きなんていたか? と思ったが、ザっと出てきたのはこのグループ達だった。


 それぞれの言い分(言い訳)は、



「メイド長は私達の主人は剣神様が相応しいと言っていました。その結果しだいでは私達が副会長を決めますわ!」


 俺を≪序決八位≫から助けてくれたメイドがそう言えば、



「剣神様となって追いかけられているときから匿っていたのは私達です! 私達のお願いくらい聞いてもらわないと!」


 と、お団子頭の白合が言い返す。


 もう、別にどっちでもいい。というか、無駄だから早く終わって欲しい。



「なら、こうしましょうか」


 ポンと、濃姫が折り合いを付ける案を出した。


 それはお互い候補者を出して相手の試練をクリアできたら認めるというものだった。


 さらにそれぞれ候補者との相性を見るために、一時的に協力してもらえる某テレビのテレフォンみたいなもので俺を使うことが出来るということになったよ。


 更に小さく、根本が呟いていた。



「そうだぞ、これを利用して方後くんを試すことにしよう。うん、いい考えだぞ!」


≪武決一位≫を倒すのが大事なんだけどさ、忘れているだろう?


 しかし、仲間は多い方がいい。彼女達は仲良くしてもらったほうがいい。


 上手い落としどころを探さないといけないのか。






 いや、生徒会長は、大変? 待ってくれ、そもそもこれって生徒会長の仕事ですか?



皆さん本当にお待ちいただいてしまい、申し訳ございません。

結局、最後まで原文で行こうと決めました。なので、数日分投稿日を無駄にした形になります。

でも、毎日ゲリラという形で二話三話投稿したいと思っていますので、それを楽しみにしていただければ幸いです。

最後に、高評価、ブックマーク、面白いと思った方はしていただけると助かります。待ってます。よろしくお願いします!

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