第九十二節 助太刀
前回のあらすじ
ひとりぼっちで姉貴が戦っていると知る。
時間を巻き戻して助けに行くつもりだった。
それをしないで済んだのは、大切な友達のおかげだ。
「お前は、なぜ≪武決一位≫様の味方ではないのに男の形を保っていられる⁉ そもそも私の『実質操作』で都合のいい状況を作り出して関われないはず、なのに!‼」
「チッチッチ‼ 俺には無意味だぜ。なぜなら俺は可愛い女性の助けを求める声で全てをはねのけがぁあああ‼」
刺された? あれは、最初の内はきついな。軽く押し付けるような、傷も痛みも発生しない、ただ刀の恐怖を圧迫感で刻み込む“タントウ”の使い方だった。
「うるさいですわ。さっさと操られている生徒を気絶させてください」
「そうよそうよ!」
「ふん、……ふん!」
「あなたが、好き」
「と言って丸」
「嫌い嫌い嫌い!」
「ただいま電話に出られないところにいるっスか、電波の繋がりにくい所にいるっス」
「だぁああ‼‼ どうして俺は一癖も二癖もある、ろり体系に好かれるんだよぉ‼」
「あなたが好き?」
「そうよそう、よ?」
「まぁ‼ もしかしてですが山奥の怪しい施設にいた彼女達を、勝倉様は見捨てるつもりだったのですか⁉ この、人でなし様‼」
「嫌い嫌い嫌い‼」
「ふん!……ふん‼」
そういって六人のロリっ子は勝倉に抱き着き上目遣いをする。キラキラと、涙も見えた?
どうやら、彼女達は上手くしゃべれないらしい。人間、なのだろうか? そもそも、保護者は? まさか、誘拐ですか⁉
「きゃあ、変質者‼」「気持ち悪い‼」「だから返品するってあれほど言ったのに」
≪序決二位≫と峰空の女子生徒は口々に拒絶する言葉を出した。あれ、どんどん、勝倉の元気がなくなっていく。ええとな。こういうときって可哀そうって言えばいいのか?
「丈と同じ力を持てた、女子高に入学できた。もう、戦うことでしか俺の意味はないのかな。っはは」
「方後生徒会長は≪武決一位≫様が人質に欲しいそうです、でもコイツは殺してもいいでしょう。やりなさい」
『はい‼』
「勝倉、さん?」
「舞さん! 俺です俺です! あの中学の時無視されて、高校でも遠からず避けられていた、勝倉 ハジメです。あれ、なぜか涙が」
「ただいま電話に出られないところにいるっスか、電波の繋がりにくい所にいるっス‼‼」
「と言って丸‼」
「勘違い、ね。こんな遠くの場所まで来られて、幼い子が好きな友達、じょーくんにはいなかった、いなかったわ」
姉貴が、現実逃避! 緩く、泣かせたと思ったのだろうか、六人のロリっ子が彼女を叩き始めた。
「痛い、痛い!」
「無視するんじゃないわ!」
電撃が、勝倉に迫った!
「わりぃな。お前たちと俺じゃ、これでもつり合いが取れないんだよ」
雷が、効かない⁉
そしてパタ。また一人、パタリと倒れる峰空の女子生徒。いつの間に!
彼の手には、薬研藤四郎が握られていた。
「もっともな。操るなら操りやすいやつを選べよ? だから、こんな少し抵効力を回復させただけの簡単なお仕事になる」
言っとくが、ほとんどこれは操られている彼女の抵抗力が高いんだ、そこを見誤ったな。
カッコいい言葉が理論的だ。本当に勝倉か、だんだん心配になってきたな。
ゴワオオオオオオオオオオオオ‼
それは彼女達から漏れ出てきた獣の声だった。
「出て来たじゃないか‼ 早く憑依させないと、真智! やりなさい‼」
「いいのか? まだお前のフィアンセが欲しいデータがとれていないだろ」
「乱戦にすればいいでしょ! 早くしてよ! 生徒会長も抑えきれないかもしれないじゃないか!」
「はあ、分かったわ」
真智が【世界の薬】を発動させた。
そして俺達は、どうして空が赤く変わっていったのかを知ることになった。
赤い雲からどろりと溶けて出して出てくる、マネキン人形のような意識がはっきりしていない小さい女の子たちが落ちてくる。
落ちてくる少女達の残った意識が獣を引き寄せたようだ。今ある意識を食い殺し、取って代わろうとしている。
まだまだ不公平に大声をあげて泣く子供のはずだった、でも落ちても痛いと叫ばない。
彼女達は、勝倉達を襲い始める。
俺がたどり着いたのは、そんな状態のプライベートビーチだった。
お疲れ様です。イイタチイリュウです。
昨日は本当に申し訳ございませんでした。どうしても外せない用事がありまして……。
なので、今日、二話分投稿したいと思います(できたら)です。
もしよろしかったら、高評価、ブックマーク、感想などなどよろしくお願いします。




