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第九十節 過去

前回のあらすじ

俺は四次元の人間と同じ、俗にいう次元が違う力を持った。

まだまだ、一つだけしか操れない。でも、

全てを、救う力を持つつもりだ。




 彼女の従妹、一年生である『ふぇえ』に夜東先輩について詳しく聞いたことがある。



 それを、先輩の考え方に寄り添って話そう。






 私、夜東 星々(よあずま きき)は本当にドジな子です。


 私の家族はお金持ちの家系、それほど苦労しない生活だったはずなのに。


 ところかまわず私は人に迷惑をかける、頭をぶんぶん下げているので私たち家族に威厳なんて全くなかった。 


 それで利用としようとする人物や、上手くコネを作ろうとする意地汚い人などが寄ってくる始末で。


 だからだろう。それほど能力が無くても、峰空を目指したいと思ったの。


 風格が欲しかった。だから一生懸命に勉強して、超能力も上位になった。でもね、


 ここはそんなに甘い所ではなかった。下から数えたほうが早い、ほとんど親の名前で受かったと思われても仕方ない結果だったわ。


≪序決≫も学校で何もしない日々に従って、どんどん下がっていく。違う。私の努力は、周りにとって努力じゃなかったの。


 付けられた名が≪序決転落(インサイドフォール)≫。最下位でも悲しむことはない。私は落第生の希望の星だった。


 身の丈に合わない場所は自分を苦しめる。それを痛いほど理解して、とぼとぼ歩いていた時、


 私に、目標となる人が通り過ぎた。



「あらあら、ここは力を暴走させたお嬢さんが来るところではありませんわ。例え能力を使われるときに必要なものだとしても、今まで部屋の隅に縮こまっていたあなたにはただの校則違反ですわよ?」



 可愛いと思った、豪華な髪飾りに金髪の縦ロール、太陽を見たことがないような顔色の、背が低い女子生徒だ。


 白ニーソが女の私でさえも情緒を彷徨わせる、きっとこの高校じゃなければ早速争いが生まれていたかもしれない。


 彼女はグッと我慢して歩く、言い返したところでどうしようもないと私も、知っていた。


 クスクスと笑われている、私だったら見えなくなるまで、頭を下げ続けるだろう。


 でも、彼女の目は、私と違って真っすぐに前を見ていた。



「あの‼」



「……、何か?」



 私は、その目が出来る理由を知りたかった。その目さえできれば、私もここで生きていける‼



「わ、私は夜東と言います。その、いきなりこんなことを聞くのは失礼かもしれませんが! 私があなたみたいに強く生きるにはどうすればいいのでしょうか‼」



「……、く、ふふふふふ」



 笑われちゃった。でも、私は真剣。だから怒ってチャンスをみすみす手放したりはしないわ。



「あなたは変わらなくてもいいわよ。そうね。変わらないといけないのは私や、あの方たちなのでしょうね」



「変わらなくていいってどういうことですか⁉ 私なんて何をやってもダメで、ここも、もう退学しようか迷うぐらいで」



「でも、あなたは勇気がある。例えどこの誰でも自分を偽ったりはしない。もう一度、お名前を聞いてよろしくて?」



「夜東、夜東 星々です‼」



「夜東、いえ。星々さん。私と一緒に、私達にとっては大きいこの世界を生きていきませんか?」



 それが、≪序決八位≫と私の出会いだった。



 今でも、彼女の言葉を理解できないの。私に何を期待しているのか。



 結局、彼女はどこまでも進んでいき、私は足踏みしているだけ。



 でも彼女に褒められたことは忘れていなかったわ。






 だから、私はもう落ち目だった方後君に声をかけて――。



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