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第八十九節  緊急集団序決訂申戦8 『余界=界余(カラビ・ヤウト)』

前回のあらすじ

ちょっとブレイクタイム?

は、なさそう。序決八位の示唆する言葉。

急がないと、いけない気がする。



 


 俺は、この三次元空間に存在しながら、四次元世界にいる人間と同等の存在になった。



≪序決八位≫は目を見開いている、信じられないのだろう。


 なにせ、俺が歩けば、ポロポロと落ちる何かがある。


 それは形になった現在時刻の数字、空気はO₂やN₂など。文字としてボトリと落ち、砂のように風化していく。


 それはこの世界から自然と周りにある、世界を構成している要素を消してしまっているようだった。


 きっと俺自身をもう、この世界は表現できないからだろう。俺の体も、テレビのようにチラついている。


 今回解放した折りたたまれていた次元、それは創造の一部『時間』。


 要素達が風にのるように舞っていく、舞っている中心にいる俺が、この世界を壊す中心だった。



「うふふ、ははははははは‼ いったい誰でしょうか?  最強は勝倉さんだとうわさを流したのは! 私には分かります。このお方こそ、峰空の頂点、決してたどり着けないような、遠くにいらっしゃるお人ですわ‼」



「プリンセス様さん、謝っておく。時間が惜しい、一撃で決めさせてもらう」



「お構いなく。私の方はどこまで通用するか、せめてもの確認を――」



(~未来を帰れ、)ムシ(過去よ上れ~)――。」



 刀から響くよう。壮大で、静かなしらべ、虫たちの合唱が彼女達を包み始めた。


 もう俺はパッと消え、その場を後にしている。勝負はもう決まっているとばかりに。



「逃げた?」「プリンセス様、いったい?」



「……、残念です。せめて私ごとき弱い者でも多くの経験となる力を使っていただきたかった」



「プリンセス様?」



「星々、あなたはプールに飛び込んでシャワー室に行きなさい」



「プリンセス様‼ 私はまだまだを役に立ちますわ。すぐに剣神様を追いかけて倒しま」



「だからです。剣神様は海のプライベートビーチに向かいました。後を追ってあのお方に協力してあげてください」



「なぜ、そのようなことを。剣神様は逃げただけではありませんか! これは訓練そのものを馬鹿にしていますわ!」



「あなたは信頼すると決めたのでしょう? この瞬間に理解しなければならない事柄は、あのお方の力です」



「どうしてそれを‼ でも‼」



「きっと変われる。私はあなたを信じているわ。星々」



 時間、だった。歌が終わった。



 使った力、過去の≪序決八位≫達と未来の≪序決八位≫達の二つの時間をぶつけたのだ。



 過去と未来を切り取ってお互いを同じ時間だと錯覚させる。すると、二つの時間は別の時間を排除しようとする。



 残るのは過去と過去か、それとも未来と未来か。



 どちらにしろ、現在は破綻する。



 修復するには彼女達の過去と未来の、再構成の力がモノをいう。もっともこの間、彼女達は動けない。



 プツン、と彼女達の意識が途切れた。



「プリンセス様!」



 夜東先輩を守ったのを移動しながら、映像を並行して見て確認していた。



 なるほどな、≪序決八位≫の力は『時間』を少しかじっているらしい。それで俺の『余界=界余(カラビ・ヤウト)』で『時間』を上乗せして変化した、≪鬼丸国綱(おにまるくにつな)≫の技を解読して未来を見たのだ。



 俺の、切り取った未来はプールに落ちる夜東先輩は存在しなかった。未来で俺がカバーしていない未来に夜東先輩を移動させたらしい。



「俺を倒したうえで、協力したいのだったら、そう言えよ。紛らわしいんだよ」



「プリンセス様、分かりました。でも絶対に、絶対に! 後輩には私から一発入れてやります!」



 殴られるくらい、我慢して受け入れてやるか。



≪序決八位≫、今回のことは借りにしといてやる。お前は、まだまだ強くなりそうだしな。


 本当は横やりがない状態でお前と全力で戦うつもりだったんだぞ。


 と言っても、この力は時間が無くて一次元しか開放したことがないんだけど、それでも六つの中から一つを選ぶ可能性の多いものだからお前を飽きさせることはないだろうよ。


 モードワン、ってところか。そもそも、二つの次元でさえ相手が出来る人は……、世良ぐらいかな?


 遠慮はできない、俺の家族を傷つけるやつは、絶対に許すつもりはない。




 敵は、海にいた。



申し訳ございません。遅れました!

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