第八十四節 緊急集団序決訂申戦3 根本? VS 【ワシト保体(ボディオカルト)】
前回のあらすじ
力を把握する。しかし、長谷川先生をこうも簡単に、
そして俺は一回だけ四次元同調の力を使うことが出来る話になった。
出来れば、練習相手は強い長谷川先生だけがいいのだけど。
なんて、言ってはいられないよな。
訂申戦全体の攻防は、俺には映像として入ってきていた。
理由は勝倉の不在により、俺がコーチとして再び意見を先生達に言うことになったらしい。
よって先生達が超能力を使って俺は見たいときに見たいだけ生徒達の戦闘を確認できる。
もっとも、残念なことに論文顔負けの感想文は書かないといけないのですけどね。
俺達に、その水圧マシマシの威力だったものを放ってきたのは一つの、浮いた水晶玉?
それは消防車に備えられているものと同じタイプのポンプを操っている、もちろん、水鉄砲として並んでいたものだ。あれ、
水鉄砲とは?
「うっへへへ、ワシの守護霊の一つを感知する。さすがと言っておくのじゃ一年坊主ども」
う、うわ~。ロリババア口調が出てきた~あ?
「オカルト研究部≪序決四位≫。【ワシト保体】様ですか。水晶に自分の守護霊を封印し、操る力ですね」
「おお、詳しくて結構結構、どうじゃ、ワシの攻撃は、痛そうじゃろ、そうじゃろ?」
「いえ、あくびが出そうなほどの精密さに欠ける攻撃でした。私なら、もう少しうまくやります」
そもそも、場所を限定されるそのポンプはナンセンスなのでは? と、言う。俺も同意見だ。
「うへぇ。なにか、世間話できそうな気がするのぉ。でも、だめじゃ。ワシはこの人生では幸せになるんじゃ。そのために出来るだけ上のぽじしょんにいくのじゃあ!」
時代が古そうな水着を着ている。可愛いから許されているが、真っ黒で形にもこだわっていなさそうなトップは少しもったいない、くないよ! うん。
寒気がしたので言い直す。
「私は今回の序決争いに、興味はありません。メンドクサイことは嫌いなのです。やるなら、一番っ手っ取り早く、一位を潰せばいいのです」
「おお、大きくでだのじゃ! ワシにも勝てなさそうな凡人の小童に出来るとでも?」
「二年生、その学年ではあなたは経験が豊富でしょう。でも、上には上がいるものです。経験は力、ですが。情報も同じくらい大事な要素ですよ」
今は都合が悪いだけです。彼女に気づかれるわけにはいかないのですよ。そういって、根本にのりうつっている誰かは自分の体を舐めるように見てはぁっとため息をつく。
「こんな姿見られたら、彼女が帰って来たときコスプレ会場で見たよと言われた気分になりますわ」
「よくわからんが。まあよい。さっさと水をかけて終わらせるかの」
ぱっと手を挙げたロリババアさん。俺は、あまりのことに息を止めてしまっていた。
いつの間にか、囲まれている⁉ 周りには多くの水晶玉がポンプを使って狙いを定めていた。
「へぇっへぇっへぇ! ワシの会話に付き合ったのが運の尽きじゃて!」
これは、ヤバいだろう。助けてもらったんだ!
俺は急いで戻ろうと、超能力による映像を切ろうとした、だが、
「それは、私の言葉です」
ゆっくりと目を閉じる。次に開いたその瞳には、人としての感情が確認できなかった。
「『情報爆発』、特定時間の間に禁止ワード二回使用により、意識を奪います」
根本から、機械音のような抑揚のない言葉が漏れた。
「のじゃ?」
その言葉は、状況を一変させた。≪序決四位≫が力が抜けたように倒れたのだ。
そして、操る彼女と連動していたのか、
ポンプを操っていた全ての水晶玉が地面に落ち壊れてしまった。
「正妻戦争だったら、あなたは死んでますよ?」
そういって、ゆっくりと歩いていく。手榴弾型水鉄砲で≪序決四位≫の顔に水をかけた。
パチっと目が開いたぞ⁉
「か、痒いのじゃああああああ‼」
酔っているかのように体をふらふらさせながら顔を掻くロリババア。見たところ、とても痒いらしい。
意識が覚醒するほど、か。
彼女は、一目散に先生達の待つシャワー室に向かっていく。
「どうですか、じょうさん。私達メイドは役に立つでしょう?」
私達のご主人様になりたいですよね? 俺と目が合うように喋れる、その力の強大な誰か。
あれと戦いたくない、本能的に恐れが迫ってくる感覚に逆らうことが出来ず、俺は逃げ出していた。




