第六十七節 ヴァイマン家からの誘い
前回のあらすじ。
いや、男子でも女子でも絡んでくるのだけならいいよ。でも集団で囲むのはちょっと。
男子にも超常の力を鍛えたいと思う人が。でも、俺の勝手で渡すのことはできない。
そもそも見てみろよ? 勝倉は幸せそうか? 幸せそうだ。幸せそう、か?
そうか、ついに退学か。
そういわれる日が来てほしいと思ったことはある、しかし、実際に言われると心を掻きむしるやるせなさがあった。
せめてお別れパーティーは、温かく送り出してくれよ。がくっ。
「う~ん? 方後くん、何か勘違いしていないかな~。ほら、この紙を見てみて~?」
と言われたので、紙を確認する、なになに、世界最高峰の流水プール、それを海近くに設置しました?
「先生! それは私達にはまだ教えないはずでは!?」
え、教えないって? もしかしてキーラ、知っていたのか?
「実はヴァイマン家からの謝罪の気持ちとして、世界最高峰のリゾートを貸し切りにしてくれるらしい。君だけじゃなくて、峰空生徒全員招待しますだってさ~」
『本当は方後君と私だけのはずだった……、もう母様!』
小声で、青いセミロングの美少女が愚痴をこぼしている、いや、俺達二人で貸し切りって? 怖ろしい子!
「峰空はこのお誘いを受けることにしたのだよ。理由は全校朝会で詳しく舞さんが説明してくれるよ~」
ピン! 何か俺は、危険なものに関わろうとしている気がした。
いやいや、そんなわけはないだろう。これは見方の違いだ。
だって、峰空生徒全員の水着を見ることが出来るんだぜ。どれだけ恵まれているんだよ。
しかも、男子は俺一人だけじゃない! ここか疎外感を感じないミソだ。
勝倉、頼りにしているぜ!
「そういうことなんですね。水着を買ってきて、と言われたから急になんだ? と思いましたけど」
「おや、今回は乗り気なんだね~」
「理由って結局、なにか訓練するだけですよね? 今は地道に下積みをしようと思っていたので好都合ですよ」
「まあ、いいか~。実は断れない理由があったんだ~。君、キーラさんのことで何か気付いている?」
「何がですか?」
さっぱり、ですよ?
「彼女がよく使うクォデネンツを後で検索してみてよ。君にとても恩がある国だから~。つまり、国からのお誘いでもあるということ~」
恩、それは超能力理論を証明したことを隠すことに協力してくれた国の一つという事だろう。
「国も大変だよね~。キーラさんという有名な存在を、違うとはいえ勝倉くんに倒されたと思われちゃったから。本当に勝ってしまっている君に色々ちょっかいかけたいんだろうね~」
超能力発祥の地としては面目がね~。と、長谷川先生は後に続ける。
「い、今からでも、キーラに負けたほうがいいですかね?」
「ボ、ボクが君に勝つ? 嫌だよ! また利用されるのはごめんだ!」
「でも、これ以上姉貴や家族に迷惑をかけたくないんだよ!」
「この際、勝倉君に勝てばいいんじゃないかな。それで解決じゃない。そうでしょ⁉」
「その刀を持たせたのは俺だから結局無駄じゃない⁉」
がやがやと職員室で俺とキーラは意見を戦わせている。かなりの数、職員室から出ていく先生達。
「ごほん」
「あ、すいません。うるさかったです」
「先生、ボクもすみませんでした」
「まあ取りあえず方後くん。家族のことは全然気にしなくていい。私もアイツも、君のお父さんは絶対に守るからさ」
え、父親だけですか? 俺はどっちかというと優しい母さんが心配なんだけど?
「親父だけでなく、おふくろも守ってくださいよ」
「え? あ、そうか、そうだね」
俺の指摘に驚いたようだ、長谷川先生は素っ頓狂な声をあげる。
しかし頷く。自己完結したらしい。そして、
「私が守らなくても、君の母親は私より強いよ」
どういう意味だよ? それ。




