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第六十六節 あアー! つまる男子共

 さて、


 ここら辺りで俺のスタンスを確認したい。


 お嬢様に囲まれた学園生活を送っている、武衛大や大きな国の重鎮とのいざこざはあったが、我ながら最大パフォーマンスの有意義な生活を送っている自覚はあった。


 だからだろうか、羨ましいと思われるのは至極当然だろう。


 が、

 



「なあ、俺と一緒に天下をとらないか?」



「丈さん、いや、武将の刀を使うから若様か。ヨロシクお願いいたす!」



「俺も超能力者にしてくれ~!」



 うっわぁ。俺、男子にも、ところ構わず声をかけられ始めている。


 モッテモテだぁ。


 これは、同じだなぁ。



 言っていなかったかな。俺は寮に入る前、超武戦のときと、それはもう大げさにいっても構わないくらい、女子からキャーキャ―いわれたんだ。これが人生の最大値だと、あの時は思ったよ? まあ入学の仕方は最悪だったけど。


 好感度が振り切った~。まさか男子にも言い寄られることになるとは。



 冗談は置いておいて。



 俺は、濃姫、世良とキーラ、それと転校してきた勝倉四人を連れて少し買い物にいこうとしたんだ。


 すると、これ。男子が我先に自己紹介してきやがった。


 野郎に興味はない! 女子は、興味はあっても恐ろしい。



 ん? 結局どっちがいいんだろう?



「どけ! 俺が超能力者になって世界に貢献するんだ」



「なよなよした、お前みたいなやつがなれるわけないだろ。さっさと帰りな!」



「刀、刀さえあればどうなってもいい! 振り向いて貰いたい女性がいるんだ!!」



「丈、どうするのよ?」



 どうしたらいいんでしょうね~。いっそのこと、刀を一人ずつ渡して帰っていただきますか。



 とは、いかないんだけどよ。



 刀は持ち手を選ぶ、下手に手をだしたら死ぬより酷いことが待っている。



 あの、親友のように。



 助けて、ドラ◯◯ん。しようかな?



「ちょっと長谷川先生にどうすればいいか聞いてくる、先に行っていてくれ」



「あ、だったら僕も行くよ。骨をおってくれた恩人にお礼をしっかり言いたいからね」



 キーラは付いてくるらしい。どうやら、長谷川先生に色々動いてくれたお礼を言いたいようだ。



「よっしゃあ! もしかして、あの中学時代アイドルだった世良さんと俺に優しい濃姫ちゃん二人、両手に花になるのか!?」



「世良さん、半殺しにしませんか?」



「私は関わるのすらゴメンよ」



 勝倉、生きて待っていろ。そして二人共、少し優しくなれませんか?


 口には出さない。一応大事な友達だし、早く合流しよう。



「いくぞ、キーラ」



「う、うん!」



「丈、できるだけ遅く合流していいからな~。二人の水着姿を決めるのは俺だ!」



 今の俺は包容力高いぜ、という言葉は悲鳴と共に夕焼けに沈んでいったよ。



 今の生活を楽しんでいる。分かっていると思うが、こんなことになった原因の一つはお前の存在なんだからな。



 つまり、どういう話になっているかというと、



「勝倉くん、彼の存在を国は大々的に認めるらしい~。といっても立場は君より一段階低い、半超能力者と言う肩書きにするそうだよ~」



 キーラと二人で来た職員室で、勝倉の評価を長谷川先生に繰り返される。


 そう、俺がエクスリカバーを持ったキーラに必ず勝つため勝倉に刀を持たせた。



 それで世間は、男性が超能力を持ったように見えたらしい。



 俺に刀を貰えれば、男子も超常的能力を持つことが出来る、



 無責任な情報がテレビなどで広まったためのこの結果だ。



 勘弁してほしい。そもそも、男性と女性のバランスを保つために男性には超能力を持たせないと決めたんじゃなかったのかよ?



「厳密には男性は超能力を持っていないし、いいんじゃないのってさ~。もっとも、国はこれ以上キーラさんのような人間を出さないようにしたいという思惑だろうね~」



 これから先、男子が超能力を持ったというだけで世間が揺れる。そんな可能性を潰したのだ。


 よかったのか、悪かったのか。つまり世論に押される形で、勝倉は半超能力者の初めての人間になってしまったらしい。



 そして、



「これから男性超能力者の代表は勝倉くんにするらしいよ~。先の東都ジオリ事件の解決も勝倉くんにするから~」



「それは、俺のためですか?」



「当たり前~。君、どれだけレッテルを増やすつもりなんだよ~?」



 もう、強くなることに躊躇いはない。しかし、俺には事実としての、男性超能力者、更にはそれに外国の有名な超能力者を倒した噂など、夜中に歩いたら背後から襲撃されてもおかしくない体になってしまったらしい。


 はっきりいって、国が峰空に入れたことは裏目に出てしまっていた。



「勝手に行動して刀を持たせるからこうなるんだよ~? これからは私か、後輩の後輩に事前に相談すること」


 うん? 後輩の後輩?



「長谷川先生、後輩の後輩って?」



「後でわかるよ~。その前に」



 長谷川先生はキーラをチラッと見て積み上げられた書類から、一枚の紙を引っ張りだした。




「ここから離れてくれる~?」



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