表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

121/122

第百二十節 狙い

前回のあらすじ

何もかも失っても、全力で誰かを助けるために動くことを決めた。

信長を助けたい、その気持ちを、信長はまったく分かってくれなかった。

死の間際に刀の名付け親になった信長、彼の歴史はこれで、終わる。

未来に、可能性を残して。


「いや~面白くなってきました! どうどう? 俺の愛の手は機能したでしょう!」



「黙れ。先輩の前だぞ?」



ゴツン、と『空間』構成能力者が落とす鉄拳。かなり重そうに見える。


彼らは、構成能力者に存在意義をくれた人間、方後丈を見守っているらしい。



「は、は、は。全然気にしないでくれ。俺はそこまで先輩風を吹かせるつもりはないから」


ここは丈が訪れた特殊な空間だ。そこに、久しぶりにこの世界を構成している三人が集まった。





『創造』を作り出す構成能力者。ホームは異世界で。異世界の、魔王。

『起点』、全ての始まり。司る世界はまだ持っていない。

『空間』、現代の支配者。四次元以上を葬り去り、四次元以上の人間をこの三次元に隔離した、若い青年。




「どうだ、『空間』? 上手く事は運んだだろうか?」



「はい。後は先輩と『起点』が、私が選んだ三つの国にそれぞれどの力を司らせるか。そこ次第ですね」



「日本はどうする気かい? 俺達の故郷は」



「日本は例外的に、三つの理論を自由に研究していい国にしたいと思います。その方が上手く回るはずです」



『創造』構成能力者。彼は、いや、見た目は女のロリなのだが、髭をなぞるような仕草をしている。

魔王、だから、姿を自由に変えられる。彼にとって姿とは、効率がいいものになるという認識で間違えはない。




「『三つの国、それをサポートする九つの国。武器ではなく、特徴によって世界を安定させたい』そういった時は驚いたが、いいだろう。好きにするといい。『空間』構成能力者よ。俺は君が見ている世界を見てみたくなった」



「ありがとうございます」



「ちょっとちょっと~、俺の話聞いているの⁉」



「うるさい、生活破綻者」



「ちょっと、俺にはしんらつ~‼」



コトン、とわざわざ『空間』能力者が準備したお茶を、魔王はズズズと音を立てて飲んでいる。


カタ、とちゃぶ台に置いた。そして言いにくそうに口を開く。



「それと、頼みたいことがあるのだが……」



「分かっています。弟子の事ですね。いいですよ。好きな人を持っていってください。出来れば、あなたの世界を楽しめる人がいいですね」



「難しいことを言うな。だが、お前達に負けず劣らずな人を選ばせてもらうよ」


ははは、と異世界の王者は乾いた笑いをすると、ゴホゴホと、せき込む。体調が悪いことが誰の目から見ても明らかだった。



「すまないな。私が世界を混乱に陥れてしまっている、もう少し、若かったら」



「いえ、もともとは私が世界を壊してしまったせいです。あなたは立派に異世界を生き抜いた。それだけではなくあらゆる世界にその優しさを向けてくれた。感謝こそすれ恨みなんて、私がさせませんよ」


彼等、構成能力者にとっては丈達の死闘など、ほとんどおままごとみたいだった。


それでも、死闘から導かれる事柄を彼らは注視していた。



「『起点』、日本の指導者達はどう動くか、決めたか?」



「この戦い次第だけど、いい感じかしら? 流石だよね。私達の思惑を探りながらも、メリットになると納得している人たちが多い。極めつけは、その力の強大さと、安全性ですね」



「やっぱりか。世界には超能力で解決できることが山ほどある。最初から日本政府には『空間』から生じる超能力、余剰次元能力を女性以外にも手を出して、国家成長の柱にしてほしかった」



 とても嬉しそうだ、そしてすぐに、『空間』と呼ばれた青年は次の手を考えているような顔をする。



「ちぇえ~。どうして俺が紛争を止めたのに、俺の理論で動いてくれないのかしら! そうだ。このまま俺の力でメロメロに」



「……、危ないぞお前。最近女性姿に慣れ過ぎて気持ち悪いくらい女性に近づいている、ほら、今の仕草も」


顔にかかった前髪を耳にかける仕草を無意識にしていた、ピタッと『起点』の手が止まる。


「え、あ。そうですね。この戦い終わったら、少し動画サイトの更新頻度を増やすことにするか」




何を言っているのか? と『空間』能力者はため息をついていた。確かに彼本来の仕事、動画投稿者の仕事は男に戻らないとできない仕事だろう、でも結局、女性に声をかえて吹き込んでいる時点で酷くなるだけで改善はしないだろう、と思っているようだ。



「……、俺も危ないか? 『空間』?」


「……」






『空間』は二人をチラッと見るとさっと目を逸らした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ