第百一節 本
前回のあらすじ
すべての学校で登録されている伝説級の本、それを探すために
試練を受けるメイドチームは四苦八苦する。
ところが、キーラが我慢できずに爆発したらしい。
そこまで、むきにならなくてもいいんじゃないですかね?
結局、二階図書館の住人と候補者によるサバイバルマッチが始まった。
メイドチームの候補者は『一桁』とキーラが残ったようだ。
古佐、、繰由、夜東先輩の従妹は力及ばず落ちてしまったけど。
さて気になると思うことを一つ、この候補者決め、残念ながら迎え撃つ側は参加できない決まりになった。
例えば、根本。彼女は二階図書館の住人が押す候補者の参加を阻止するために泣く泣く副会長立候補を諦めることになった。
そこまで阻止したい相手でもいるのか、と聞いてみたらあやふやに、
「けんしんさまを試すらしいからけーやくでむりなんだ~。まったく、かんしみたいなことしている暇があったら少しは子供離れしてほしいよ~」
さ、さいですか。よくわからないが怒りが飛び火してきそうだったのでここまでにした。
一桁と言えば、全員を紹介していこう。
「……」
首を振っているのがグリーンといわれる【協独歩】と言われる女性。
「諦めるのじゃ、こやつは言い出したら聞かん」
これがブラックの『ワシト保体』。
「私は好きですね。ああこの痛いような目線! これが私の生きる道ですわ!」
ピンクの『堕落お嬢』に、そして、
「はははははははははははは‼ さて、それじゃあ前口上を言うぞ! ≪序決五位≫、その重力の力は太陽に迫る! その名は、【高二】! 『一桁』の一人、レッドだ‼」
もう、この際彼女の行動は気にしてもしょうがない。
でもせめて、色ぐらい赤、青、黄色、とか分かりやすいものにしたほうがいいんじゃないですか?
「僕も戦わせてもらう! 呼べ、【宝剣召喚】‼」
ああ、一応言っておくと委員長は脱落した。してしまった。何か抱えていたような気がするが、俺は見てない、知らない、知りたくない。
「図書館で静かに本を探すことが出来ないなんて、まだまだこちらの文化になれていないのではありませんか、キーラさん? それに『一桁』の皆さんも悪乗りしてはいけないですよ?」
「君たちこそ、試すならせめて現実的なものにしてほしいね! なんだい!? どこを探してもないじゃないか!」
「愛があれば見つけられますよ。たぶん」
「キーラ、落ち着けよ! こんなところで暴れて、弁償にでもなったらどうするんだよ!」
間に合った、テレパシーでなんでこんなことになっているかはわかっていた。キーラがイライラしてしまうのはわかるが、それで試している相手を叩き潰すのは不味いだろう。
「では、キーラさんには特別に別のお題に変えてあげましょうか?」
二階図書館の住人は鼻息を荒くしながら提案してくる。な、何を妄想している!
「いいや、もういい。君たちを力で従えて方後君の推薦をつかみとることにする!」
キーラ。そこまで副会長になって何をするつもりなんだよ⁉
「分かりました、ではここで一勝負しましょうか。二階図書館は全て知っています。部屋の全てを、本の内容スラ記憶しているのなんて当然です。私達を倒せたら本は見つけられなくても内容は御教えできるので実質見たことになりますよ?」
ここまで言うからには本当にあるんだろう。でも、それでも見つけられないっておかしくないか?
なにか、裏がありそうで怖いです。本の中身を覚えているからか、燃えてもいいと思っていそう。
彼女はクォデネンツに勢いをつけて。
「六の技、『コリネウス』‼」
その技名を言った瞬間、剣が巨大化、した?
コリネウス、それは巨人と戦ったとされる伝説上の、いいイメージを持てなかった人物だった気がする。
そうですか、そうですか? まさか……、
「お前それ、止めろ! 巨人を屠る威力でここら一体を消し飛ばすつもりかぁあああああああああああああ‼」
「僕は大事な人のためならたとえ悪魔にでもなってやる、そして一生そばに、くくくくく、ははははは‼」
お巡りさ~ん。犯罪者はここです、と本当になってしまいそうだ!
「……‼‼」
「じゃああ、めんどくさくしよってからに」
「それほどの想いがあるのです。生徒会長の本当に近づきたい、私も同じですわ」
「はははは、キーラちゃん怪物みたいだ。大怪獣バトル、勃発!」
といってすごい勢いで逃げていく一桁達。
縦横斜めに振られた剣はその衝撃波で図書館一体を、
バリバリバリバリバリキャサンンンンンンンンン‼
窓ガラス、本、パソコンをぶっ壊したぞぉ‼‼‼
辺り一帯、もうめちゃめちゃで明らかに先生からお叱りを受けること間違いなしだった。
そして、一冊の重そうな本が封印から解放されたかのように空中で眩いほど光り輝いて、
「ふふふ部屋を広くしたかったですし、きれいにしたかった、だったら壊す方向にもっていけばいいですよね。これで予算を引っ張ってこれる! そして」
「存在は確認されている本、伝説では願いを叶える力を持っていると言われている」
「私達も見つけられませんでしたが、部屋のように簡単には壊れませんよね。でも、本は私達にとって大事なものなので見つけた人の願いで治してもらいます!」
二階図書館の住人の狙いは、そういうことだったようだ。いや、それで本をむちゃくちゃにしていいと思っているのか!
「え、僕?」
本が彼女を選んだように、目の前まで飛んできてぽとりと地面に落ちた。
「決めました! 本に選ばれたキーラちゃんを私達は候補者として認めます!」
『ウソ⁉』
あまりの突然の出来事に、避難していた一桁達が素っ頓狂な声をあげる。
「嘘ぉ!」
そして、俺も何が何だかわからず驚く声をあげてしまったよ。




