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秋元光一の災難
無数のコバエがあちこちへ飛び交っている。
秋元は引き受けた仕事の都合上、殺しなどの直接的に非合法なものには関わることが出来なかったが、それでもメンバーとして「彼ら」のために動かなくてはならない時があった。
今日がまさにそういう時で、そして「彼ら」の案件には必ずと言っていいほど、死体が存在する。
今、この部屋には、秋元の掃除の成果で、死体の匂いは完全になくなっている。
しかし、部屋主が戻ってきてしまえば、いずれこの件はどこかへ漏れるだろう。少なくとも関係者への混乱は避けられない。
「あーあ。あー、あ。本当、物足りないなあ。もうねえ、全然、物足りないよ。この程度で死なれては、何も面白くもない。……この拳銃は使いやすそうだから、僕が貰っておくよ?」
死体に向かってにこやかに話しかける。
もちろん、返事はない。狂人の声に返答する死体など、存在するわけがない。
ガチャ、玄関からドアが開く。
ドアから入ってきたのは、秋元に見覚えのある青年。
悠一だった。
「部屋主が帰ってきたか」
「何してるんだ?秋元」
「掃除!」
「……銃を捨てろ」
悠一が、ポケットから取り出したナイフを構える。
思ったよりも早く次話を思いついたので連投させていただきます。




