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ーだが、大帝国の正規軍すら賄賂で追い返す金が唯一の神である街において、名もなき傭兵団の少年がいきなり女領主アミーナとの謁見を望んでも、門前払いされるのは火を見るよりも明らかだった。 だからこそ、この数日間、ファリード陣営の仲間たちは泥臭く暗躍していたのだ。
ザイドは裏市場の商人や娼館に金をばら撒き、アミーナの側近たちの弱みや好みを徹底的に洗い出した。イブンは持ち前の知識で「不老長寿の秘薬」と称した珍しい香薬を精製し、賄賂の品として仕立て上げた。
そして、赤蠍の砦から奪った莫大な財宝の三割を惜しげもなく側近たちに握らせ、「ひどく美しく、そして底知れぬ野心を持った若い王が、とびきりの『刺激』を持ってアミーナ様に謁見を求めている」という噂を、彼女の耳に届くよう意図的に流し込んだのである。
金と噂の包囲網。
退屈を持て余していたアミーナが、その「珍しい見世物」に興味を抱くまで、そう時間はかからなかった。
そして、謁見の直前。
城の待合室として通された豪奢な控えの間に、マーシャの低く冷徹な声が響いていた。
「いいか、殿下。私の故郷の歴史には『傾国』と呼ばれる女たちがいる。妲己、西施、そして貂蝉……。彼女たちは剣も槍も持たず、ただその並外れた美貌と色香、そして完璧な演技力だけを武器にして、何万の軍勢を擁する権力者たちを内側から狂わせ、巨大な国をいくつも滅ぼしてきた」
マーシャは、緊張で硬くなるファリードの目の前に立ち、その美しい顔を指先でツンと小突いた。
「今のあんたは、その『傾国の美女』と同じだ。相手は男を食い物にしてきた毒蜘蛛だが、それゆえに『男は自分の美貌と金にひれ伏すものだ』という強烈な驕りがある」
「……だから、どうしろと」
「最初は純真で無力な子鹿を演じろ。相手に主導権を握らせ、完全に油断させろ。……そして、相手が手を伸ばしてきたその瞬間に、突然冷酷な大人の男の顔を見せて、冷たく突き放すんだ」
マーシャはターバンの奥で、ニヤリと悪魔のように笑った。
「プライドの塊のような女は、自分の思い通りにならない未知の熱と、強烈な温度差に最も弱い。あんたの顔でそれをやれば、どんな権力者でも処理が追いつかず、必ず隙が生まれる。そこを言葉で刺し貫け」
美貌を利用した『連環の計』の応用。 屈辱に頬を染めながらも、ファリードはマーシャの叩き込んだその毒のような知識を、血の滲むような思いで己の脳髄へと刻み込んでいた。
*
ザルカの豪奢な謁見の間。
乳香の甘い香りが漂う中、領主アミーナは長椅子に気だるげに肘をつき、現れたファリードを酷薄な目で見下ろしていた。
ファリードは事前のマーシャの指示通り、必死にすがる純真な子鹿の仮面を被り、熱弁を振るってみせた。
「……アミーナ殿。我々はすでにガレブ渓谷を平定し、精強な私軍を手に入れた。もし貴女が我が陣営に資金と傭兵を貸し与えてくれるなら、私は必ずや叔父を討ち、王都を奪還してみせる。その暁には、このザルカに帝国最高の特権と交易の自由を約束しよう。どうか、私の覇道に力を貸してほしい!」
大帝国の王子としての誇りを捨て、必死に身を乗り出して協力を仰ぐファリード。
だが、その若く青臭い、懸命な説得に対し。 アミーナは退屈そうに赤い唇を歪め、ふっと冷ややかな声でそれを遮った。
「逃亡王子の助けを借りに来たと? 笑わせないで。大帝国の正規軍を敵に回してまで、我が街が貴方の泥舟に乗るメリットがどこにあるのかしら」
アミーナの冷ややかな言葉を合図に、広間の壁際に控えていた屈強な傭兵たちが、威嚇するように一斉に武器の柄を鳴らした。鼓膜を打つ金属音と、あからさまな侮蔑の視線。背後でカディルが屈辱に全身を震わせている。カディルが剣の柄に手をかけようとした時。
ファリードはスッと片手を上げてそれを制し、自ら一歩前へ出た。
(……『押してダメなら、引いてみろ』。相手に主導権を握らせたと錯覚させ、最も油断した瞬間に梯子を外すんだ)
マーシャから叩き込まれた心理戦の教えが、ファリードの脳内で冷たく響く。
彼は一切の言葉を発さなかった。白絹の礼服に身を包んだ彼は、まるで森に迷い込んだ子鹿のように伏し目がちに、だが迷いのない足取りで玉座へと近づく。そして、アミーナの足元に静かに、ただ美しく跪いた。
そのひどく純真で、宿命に傷ついた悲劇の少年のような佇まいに、アミーナはふっと嘲笑を漏らした。
「……なんだ。ただの綺麗な見世物じゃない。その顔なら、王都の娼館で高く売れるでしょうね」
完全に油断しきったアミーナは、細い指先を伸ばし、ファリードの白い顎を軽く持ち上げた。怯えた少年の顔を間近で拝んでやろうという、権力者特有の残酷な嗜虐心からだ。
至近距離で視線が絡み合う。
――その瞬間。ファリードは、アミーナの手を静かに、だが明確な拒絶の意志を持って払い除けた。
「……ッ?」
驚くアミーナを置き去りにし、ファリードはゆっくりと立ち上がった。
彼の金色の瞳から怯えた少年の影は一瞬にして消え去り、そこには絶対零度の見下しが宿っていた。
「……失望した」
「……何ですって?」
ファリードはアミーナに背を向け、広間の出口へ向かって歩き出そうとする。
「老いた強欲な男どもを蹴落とし、地の底から這い上がった『北の未亡人』と聞いて、どれほどの傑物かと期待していたが。……所詮は、過去の栄光にすがり、金貨の山の上で腐っていくのを待つだけの、退屈な商人だったか」
「待ちなさい!!」
アミーナの声が裏返り、広間に鋭く響いた。
傭兵たちが一斉にファリードに刃を向けるが、彼は振り返りもせず、肩越しに冷ややかに言い放つ。
「違うか? 貴女はすべてを手に入れ、この白亜の城壁という安全な鳥籠を創り上げた。だが、その結果どうだ。毎日毎日、貴女の金に群がる小悪党の阿諛追従を聞かされ、張り合いのない退屈な日々に欠伸を噛み殺している。……血の滾るような野心を持っていたあの頃の貴女は、もう死んだのだな」
それは、アミーナの最も深く、誰にも触れさせなかった虚無感のど真ん中を貫く一撃だった。
底辺から這い上がった彼女のプライドを一度持ち上げ、そして現在の停滞を痛烈に侮蔑して突き放す。マーシャの教え通り、強烈な駆け引きが、アミーナの感情を激しく揺さぶった。
「……ふざけた口を利くじゃない。何の後ろ盾もない小鳥の分際で」
「後ろ盾なら、これから私が創る」
ファリードは再び踵を返し、今度は傭兵たちの刃を意にも介さず、アミーナの玉座の目前まで真っ直ぐに歩み寄った。
そして、怒りと動揺で肩を震わせる彼女の右手を、自らの両手で包み込むように取った。
「私は貴女に、富や平穏を約束するのではない」
ファリードはゆっくりと、彼女の手の甲に羽が触れるような極めて優雅な口づけを落とした。
アミーナの息が、ピタリと止まる。
「貴女のその鋭い知性と、まだ死に絶えていないその野心を、私が買おう。退屈な玉座ではなく、大陸の歴史を塗り替える『覇者の右腕』として、私の隣で世界を焼く未来を約束しに来たのだ」
ファリードは顔を上げ、至近距離で微笑んだ。
それは、少年の純真さと、大人になりきらない危うい色香、そして将来の覇王の狂気が混ざり合った、毒のように甘く致命的な微笑だった。
「私と共に、もう一度この世界をひっくり返してみないか。アミーナ」
その囁きは、アミーナの胸の奥底で燻っていた野心の残り火に、爆発的な油を注ぎ込んだ。
自分を従属させようとした男たちはすべて殺した。だが、目の前のこの少年は違う。自分という怪物を支配するかもしれない、恐るべき輝きを持った未知の才能。
彼女がずっと求めていた圧倒的な熱が、今、自身の手の甲から全身へと伝播していく。
アミーナの頬に、抗いようのない朱が差した。
彼女の瞳は、もはや怒れる領主のものではない。極上の炎を見つけ出し、自らその熱に焼かれたいと願う、熱病に浮かされた顔だった。
「……ははっ、あははははっ!」
アミーナは突如、天を仰いで艶やかに笑い出した。周囲の傭兵たちが戸惑う中、彼女はファリードの頬を熱っぽく撫でた。
「……見事よ、小鳥さん。ええ、本当に退屈していたの。私の退屈を殺してくれるというのなら、この街の金も傭兵も、すべて貴方に賭けてあげるわ」
「賢明な判断だ」
「……その代わり。貴方が世界を飲み込むその日まで、特等席で貴方のその狂気を見せてもらうわよ? 私の美しい王様」
アミーナが妖艶に微笑み、ファリードは謁見の間の冷たい床に片膝をついたまま、自身の心を鋼に変えて深く頷き返した。
見事な心理戦と美貌による、完全な籠絡。
背後の物陰では、想定通りの心理戦で盤面をひっくり返した少年を見つめながら、小柄な軍師が満足げに唇を吊り上げていた。
* * *
白亜の独立都市ザルカの夜は、甘い香りと熱気に満ちていた。
女領主アミーナの居城、その大広間。
同盟成立を祝して開かれた宴は、辺境の荒野を生き抜いてきたファリード陣営の兵士たちにとって、夢のような豪奢さに溢れていた。
天井から吊るされた黄金のシャンデリアが、無数の蝋燭の光を反射して煌めいている。床には足首まで沈み込みそうな分厚いペルシャ絨毯が敷き詰められ、部屋の四隅に置かれた香炉からは、高価な乳香が紫色の煙をたなびかせていた。
「へへっ! こいつはすげェや! 見ろよあの料理の山!」
ザイドが目を輝かせながら、長机に並べられた大皿の合間を縫うように歩き回っている。蜂蜜をたっぷりとかけた仔羊の丸焼き、香草で彩られた川魚、氷で冷やされた色鮮やかな果実。
その端では、巨漢のタリクが誰とも言葉を交わさず、両手に持った骨付き肉を機械のような正確さで無言のまま咀嚼し続けている。その尋常ではない食いっぷりに、給仕の男たちが怯えたように次々と新しい皿を運んできていた。
一方、イブンは供されたルビー色のワインを銀の小匙で掬い、光に透かして匂いを嗅いでいる。
「……む。この甘み、ただの葡萄ではありませんな。微かに幻覚作用のある毒草の成分が……いや、単なるスパイスか? 興味深い」と、せっかくの美酒を前に完全に毒物鑑定の目になっており、周囲から気味悪がられている。
そして広間の上座では、ファリードが領主アミーナの隣に座り、穏やかな微笑みを浮かべていた。
白絹の礼服を纏った彼の金色の瞳が、相槌を打つたびに妖しく光る。アミーナはすっかり彼という極上の宝石の虜になっており、教養ある大人の会話を交わしつつも、時折見せる少年の儚さに完全にペースを握られていた。
そんな喧騒の中、ザイドの狙いはただ一つ。この城に咲く美しい花々だった。
「ねえお姉さん。ザルカの女は太陽みたいに綺麗だって聞いてたけど、噂以上だね。どう? この後、俺と二人で抜け出して、星でも見に行かない?」
ザイドは、果実の盆を運んでいた美しい侍女にウィンクを投げかけた。しかし侍女はクスリと笑い、
「あら、お星様なら一人でどうぞ。私は忙しいの」と、ザイドの鼻先を盆で軽くかわして通り過ぎていく。
それでも全くめげないザイドは、壁際で薄い果実酒を舐めていたマーシャの元へ滑り込んできた。
「いやァ、たまらねェなザルカは! 女城主の城ってだけあって、侍女も踊り子もとびきりの美人揃いだぜ。きっと城を警護する近衛兵の中にも、誇り高くて麗しい女騎士様がうじゃうじゃいるに違いねェ!」
「……お前、自分の背丈も顧みずに盛りのついた犬みたいに嗅ぎ回るのはいいが、ザルカの女の強かさを舐めるなよ。翌朝に身ぐるみ剥がされて堀に浮いてても、私は助けないからな」
男物の外套を着崩し、ターバンを深々と被ったマーシャは、冷ややかな視線でザイドをあしらった。
「冷てェな兄貴! いいか、こういうのは数撃ちゃ当たるんだよ!」と、ザイドは再び獲物を探して喧騒の中へ消えていく。
「……あの馬鹿者は。同盟国の城で、なんという恥知らずな真似を」
マーシャの隣で、カディルが深い深い溜息をつき、顔の火傷の痕ごと眉間を強く揉み込んだ。
彼の生真面目な騎士道精神からすれば、ザイドの軽薄な振る舞いは言語道断だ。それに加え、この豪奢すぎる空間も、むせ返るような香水の匂いも、質実剛健を是とする彼には毒でしかなかった。
「マーシャ、私は少し外の空気を吸ってくる。あの馬鹿がこれ以上殿下の名に泥を塗らぬよう、監視しておいてくれ」
「へいへい。堅物の旦那は、月でも見て頭を冷やしてきな」
マーシャがグラスを掲げると、カディルは逃げるように大広間の重い扉を開け、夜の帳が降りたバルコニーへと向かった。
* * *
バルコニーに出ると、喧騒は遠くの波音のように静まった。
ザルカの乾いた冷たい夜風が、カディルの火照った頬を撫でる。眼下には、城壁の向こうに広がる街の無数の灯りが、まるで地上の星空のように瞬いていた。
「……やはり、私にはあの熱気は合わん」
カディルは一人ごちると、腰に佩いた長剣を抜き、月明かりの下で手入れを始めようとした。剣の曇りを拭うことだけが、彼の乱れた心を落ち着かせる唯一の儀式だった。
「随分と隅っこがお好きなのね、堅物騎士さん。せっかくの宴なのに」
不意に、背後から快活で涼やかな声が響く。
カディルが剣を構え直して振り返ると、そこにはガラスの杯を二つ持った女性が立っていた。
アミーナの側近の一人、レイラだ。
彼女はザルカの女性特有の、赤い絹と金の装飾が施された派手で美しい装いを纏いながらも、その腰には実戦用の鋭い曲刀、シャムシールを帯びていた。引き締まった褐色の肌と、自信に満ちた大きなアーモンド型の瞳。彼女は、カディルとは対極に位置するような「明るく自由な気風」を全身から放っていた。
「……アミーナ殿の側近か。私に何か用でも?」
「レイラよ。アミーナ様の親衛隊長を任されているわ」
レイラは物怖じする様子もなくカディルに近づき、バルコニーの手すりに寄りかかって杯の一つを差し出した。
「ほら。ザルカ名物の強い蒸留酒よ。果実酒なんかより、こっちの方が貴方の口に合うんじゃないかと思って」
「……遠慮しておく。私は任務中だ」
カディルが素っ気なく断ると、レイラは「つまんないの」と肩をすくめ、自身の杯を煽った。
そのまま立ち去るかと思いきや、レイラは不意に距離を詰め、カディルの顔を――正確には、彼の左頬を覆う赤黒い『火傷の痕』を真っ直ぐに見つめた。
「ねえ。貴方、さっきからずっとしかめっ面で、その傷を髪の影に隠そうとしてるわね。……どうして?」
その単刀直入すぎる問いに、カディルの身体がビクッと硬直した。
彼は顔を背け、刃のような鋭い声で冷たく拒絶する。
「……無作法な女だ。ジロジロと見るな。これは名誉ある傷ではない」
「名誉じゃない?」
「ああ。……守るべき主君を炎から救えなかった、私の不甲斐なさと、拭いきれぬ罪の証だ」
カディルは己の過去のトラウマを、自嘲気味に吐き捨てた。
数ヶ月前、敵の火計に巻き込まれたファリードの兄王子。その炎の渦中へ飛び込んだものの、結局命を救うことはできず、自身だけが醜い火傷を負って生き残ってしまった。この傷が疼くたび、彼は自責の念に苛まれ、二度と主君を失うまいと異常なまでの過保護と堅物さで自身を縛り付けてきたのだ。
普通であれば、この重い告白を聞けば同情して言葉を濁すか、気まずくなって立ち去るだろう。
だが、ザルカの太陽の下で育った女戦士は違った。
「なんだ、そんなこと」
レイラはあっけらかんと笑い飛ばし、グラスを置いた。
そして、カディルが反応するより早く、彼女のしなやかな指先が、カディルの左頬の火傷の痕に躊躇いもなく触れたのだ。
「なッ……!?」
「馬鹿ね。貴方は生き残って、今もあの美しいファリード殿下の、立派な『盾』として剣を握っているじゃない。……死んで灰になっていたら、誰も守れないわ」
レイラは悪戯っぽく微笑み込み、カディルの傷跡をなぞるように優しく撫でた。
「私は好きよ、その傷。綺麗に着飾って、安全な王宮の絨毯の上でふんぞり返っているだけの騎士より……泥と炎の中で主君の盾として立派に生きた証がある男の方が、よっぽど格好良くて信頼できるもの」
その言葉は、カディルの胸の奥底に刺さっていた冷たい氷の棘を、強烈な熱で溶かしていくようだった。
今まで過去の亡霊として自身を呪い続けてきた火傷の痕。それを、王宮の誰もが目を背けたこの醜い傷を、彼女は真っ向から肯定し、あまつさえ「格好良い」とまで言ったのだ。
顔を一気に真っ赤に染め上げたカディルは、まるで火に触れたように飛び退いた。
「き、貴様ッ……! 男をからかうのも大概にしろ!!」
「あら、本心よ? ザルカの女は、強い男には嘘をつかないの」
カディルは長剣を鞘に乱暴に押し込むと、狼狽えきった足取りでバルコニーから逃げるように早歩きで立ち去っていく。
その背中へ向かって、レイラは楽しそうに手を振った。
「またね、カディル! 今度は二人で手合わせでもしましょう!」
その一部始終を。
バルコニーの入り口の影から、果実酒のグラスを持ったマーシャが密かに覗き見ていた。
「……へえ」
マーシャはターバンの奥で、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。
「あの堅物の旦那が、手も足も出ずにタジタジじゃないか。過去の亡霊を断ち切るには、劇薬が必要だからな。……いい薬をもらったな、カディル」
陣営の中で最も過去に囚われていた男に、ザルカの太陽のような新たな光が差した夜。
マーシャはグラスの酒を飲み干すと、満足げに踵を返し、再び宴の喧騒の中へと戻っていった。




